ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

ニューヨークワインのカベルネ・フランに注目@Vinexpo Tokyo

2016-11-21 10:00:00 | ワイン&酒
先週、11/15-16の日程で、東京でワイン展示会「Vinexpo Tokyo 2016」が開催されていたのは、すでに簡単にリポートした通り。

前回のリポートは会場からの速報でしたので、改めていくつか取り上げます。

速報の中でも触れましたが、アメリカのニューヨーク州(NY)ワインが初出展していました。
NY州のワインについては、ここでも何度か紹介してきましたが、改めて飲んでみると、この品種がこの州のキーになってきそうです。

それは Cabernet Franc -カベルネ・フラン



NY州はアメリカ第3位のワイン産地で(1位カリフォルニア州、2位ワシントン州)、17世紀前半からワインづくりが行なわれています(18世紀末のカリフォルニア州よりもずっと古いんです)。

NY州のブドウ品種を大きく3つのグループに分けると、国際品種のヴィティス・ヴィニフェラ系(1950年代から栽培)、フィロキセラや寒さへの耐性があるアメリカ原産品種、ヴィニフェラとアメリカ原産品種を掛け合わせたフレンチ・ハイブリッドになります。

黒ブドウでは、メルロが注目されることが多いのですが、カベルネ・フランも評価が高い品種です。
今回、色々と飲んでみて、私はカベルネ・フランの出来がすごくいいと感じました。

NY州は場所により気候がさまざまですが、全体的には冷涼気候になります。
たとえば、西のフィンガーレイクス付近は、冬は非常に冷え込みますが、南部のロング・アイランド地域はカリフォルニア州のナパより冷涼で、フランスのボルドーよりやや温暖になります。

カベルネ・フランは、カベルネ・ソーヴィニヨンより冷涼な気候でも完熟するため、NY州の気候と非常に相性がいいんです。

NY州のカベルネ・フランを飲むと、果実味がよく熟し、それでいて酸と気品を失わず、実に美しい。

今後、NY州は、カベルネ・フランのワイン産地としてさらに名声を高めていくと思います。




HJW Field Cuvée 2012 Hermann J. Wiemer Vineyard (AVA Seneca Lake)

なんですか?これ?という面白いブレンドワインも発見!
レンベルガー、ピノ・ノワール、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フランのブレンドの赤。



フィールド・キュヴェとあるので、畑でのフィールドブレンドかと思ったのですが、そうではなく、それぞれのワインをブレンドしています。
このワイン、とてもバランスよく、おいしく飲めました。
自由で楽しい~



NY州ワインのブース -Vinexpo Tokyo 2016


そうそう、NYのセレブマダムたち御用達のロゼワインで有名なウォルファー・エステートから、かわいいボトルの商品が出ていました。


No.139 Rosé Cider  Wölffer Estate

ロゼワインかと思ったら、NY州産のリンゴのみでつくったシードルでした。



リンゴ果汁にワイン酵母を加えて低温でじっくり発酵させ、その後シュル・リー(オリと接触させること)で1カ月。
リンゴの風味がピュア。色もかわいく、ラベルもキュートで、ほんのりとした甘さがありますが(残糖2.2g)、アルコール度数は6%あります。つまり、ビール程度。口当たりがいいからと飲みすぎると、酔います(笑)
(輸入元:GOTO WINE、輸入元希望小売価格:900円)




NY州は、これからますます注目されるワイン産地です。

【参考記事】
ワイン産地としてのニューヨーク → コチラ

コメント
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