ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

フランスワイン@Vinexpo Tokyo

2016-11-25 11:09:29 | ワイン&酒
ヴィネクスポ東京のシメは フランスワインを紹介します。

そもそも、「Vinexpo」はフランスのボルドーを本拠地とする世界最大級の国際展示会です。
今回の「Vinexpo Tokyo 2016」でも、フランスブースはかなりのスペースを占めていました。

フランスワインは、それこそピンからキリまであります。
1本数十万円、いえ、百万円を超える超高級ワインもありますが、普通のフランス人が日常的に楽しんでいるのは、もっとグッとカジュアルなクラスです。

たとえば、「BEST VALUE VIN DE FRANCE SELECTION 2016」のコーナーでは、バリューな価格で購入できる、フランスワインのピラミッドの土台のワインVIN DE FRANCEが紹介されていました。
その数118本。その中で、担当者イチオシ!というワインを飲んでみました。


PLÔ GRAND BÂTARD Vin de France Rouge 2013 / Vin de France Blanc 2014

プロ・グラン・バタールは南仏ラングドックの生産者のブランドで、赤はカベルネ・ソーヴィニヨンと白ブドウのシュナン・ブランのブレンド、白はシャルドネとシュナン・ブランのブレンド。



どちらもバランス良くつくられていますが、私のイチオシは赤。
カベルネにシュナン・ブランですよ?
口当たりがやわらかくなっていて、飲みやすくて、フードフレンドリーな赤ワインです。
自由で楽しいヴァン・ド・フランス。しかも、お値段手頃。
未輸入ワインですが、こういうワインこそ、日本に入ってほしいなぁと思います。
犬のエチケットもユーモラスで、素敵です



フランスといえば、ロゼ
売れてます。飲まれてます。


Rozet by Buzet 2015 CHÂTEAU DE GUEYZE(France, Sud-Oest)

お花のラベルがかわいいロゼがありました。
40% merlot、35% Cabernet Sauvignon、25% Cabernet Francのセニエタイプのロゼ。
フレッシュだけれど、しっとりしなやかで、とてもチャーミング。



産地は南西地方のBuzet(ビュゼ)で、ボルドーとトゥールーズの間に位置しています。
ビュゼは赤ワインが多い産地ですが、白、ロゼもつくられます。


フランスのロゼで忘れてはならないのが、AOC Tavel (タヴェル)です。


左)Tavel 2015  右)Tavel 100 Cuvee Centenaire 2015  Château de Manissy

タヴェルはフランス南部コート・デュ・ローヌのAOCのひとつで、ロゼワインだけです。
シャトー・ド・マニシーのタヴェル 2015は、グルナッシュ50%、クレレット10%、サンソー10%、ブルブラン10%、シラー10%、ムルヴェードル10%というブレンド。辛口ながら、ほどよい厚みのある味わいで、アルコール度数13.5%。

同じ南仏で有名なプロヴァンスロゼは淡いピンク色ですが、タヴェルのロゼは濃い夕焼け色~赤の色調が特徴
シャトー・ド・マニシーのタヴェルはオーガニック認証を取得しています。



左のタヴェルには白ブドウもブレンドしていますが、Cuvee Centenaireは、グルナッシュ60%、サンソー20%、シラー20%と、黒ブドウのみを使用。アルコール度数は同じ13.5%ですが、こちらの方がボリュームがあります。それでいて、穏やか。こちらもビオの認証取得。

どちらも滋味系。そのまま飲んでもおいしいですが、タヴェルは食事に合わせると、より真価を発揮するワインです。
現代の日本市場では、影が薄くなってしまいましたが、こういう伝統的なフランスワインを忘れてはいけません。



タヴェルと重なる産地でつくられる赤ワインが、シャトーヌフ・デュ・パプ
白ワインもごくわずかあります。
シャトーヌフ・デュ・パプに関しては、生産者の方々とフードペアリングの食事を楽しむ機会がありましたので、また改めて紹介したいと思います。
ひとまず、ご一緒させていただいた2人の素敵なシャトーヌフ・デュ・パプの生産者を紹介します。



イザベルさん Domaine du Grand Tinel / Domaine deu Saint Paul



ナタリーさん Domaine des 3 Cellier



そうそう、9月のボルドー取材の際に、「11月に東京に行く!」と言っていたパスカルにも会えました!



Pascal Boissonneau -Vignobles BOISSONNEAU(Bordeaux)

ボルドー関連のブースを探しても見つからないので、どこに出展しているのか探し回ったところ、有機栽培のブドウのワインの団体 「TRADIVIN」 のブースにいました!



このブースでは、他のフランスの産地の有機栽培生産者も集結。



日本にもエージェントがあり、窓口のフロリアン・ボワスレ氏はフランス人ですが、日本語でコミュニケーションが取れます。フランスのオーガニックワインを探しているインポーターの方はには嬉しい情報ではないでしょうか。

[参考]
【ボルドー取材記】 本場ボルドーワインの魅力的な生産者たちコチラ

TRADIVIN
http://www.lacaveparisienne.net/




今回の「Vinexpo Tokyo2016」の来場者数は、前回開催の2014年度の33%増だったそうです。
人の集まっているブースもあれば、ちょっと淋しいブースもあり、出展者は一喜一憂だったかもしれませんが。

セミナーも充実していたようですし(私は時間の関係で受講しませんでしたが)、来場者には、世界のワインに触れられるいい機会だったのではないでしょうか。
ただし、入場料がやや高めで(海外の展示会との比較)、通常は単独で行なわれる大試飲会(ユニオン・グラン・クリュ・ド・ボルドー、イタリアのガンベロロッソ)が組み込まれていたため、来場者はスケジュールのやりくりが難しかったようにも思います。
次回に期待をしましょう。

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[Vinexpo Reports]

■ニューヨークワイン → コチラ

■伝統産地のワイン → コチラ

■イタリアワイン → コチラ



コメント
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