「立春朝搾り」の無濾過生原酒をお燗して飲んでみた から続きます
私が初めて買って飲んだ「立春朝搾り酒」は、群馬県の「赤城山」でしたが、
「立春朝搾り」のはじまりは栃木県佐野市の「開華」(かいか)からで、平成10年(1998年)2月4日の立春に売り出しました。
これ以降、「開華」の蔵元である第一酒造が加盟している、良質の日本酒をPRする「日本酒名門酒会」の中で「立春朝搾り」が広がり、24年目となる今年は、北は北海道から南は九州までの44蔵が参加しています。
44蔵で合計28万本出荷したそうですから、平均すると1蔵あたり約6000本。
この44蔵の名門酒会の中には、上述した「赤城山」の蔵元は加入していません。
が、名門酒会の取り組みを見て、チャレンジしてみた、というところでしょうか。
悪く言えば真似ですが、「立春朝搾り」に取り組む蔵元が増えるのは、消費者サイドにとっては嬉しいなぁと思います。
さて、「立春朝搾り」の元祖「開華」を入手できました!
日本名門酒会のHPに購入できる店が掲載されていて、家から車で買いに行ける範囲に販売店があったのです。(下にURL記載します)
店頭にはサンプルボトルしかなく、予約していなけれど立春朝搾りを買いたい、と伝えると、店の奥から1本出してくださいました。
令和三年辛丑二月三日 立春朝搾り酒 「開華」 純米吟醸 生原酒
第一酒造(栃木県佐野市) 720ml 1600円+税(1,760円)
名門酒会共通の「立春朝搾り」のネックホルダーがかかってました。
例年だと、これがシールらしいですが、今年は新型コロナの影響で、肩掛けになったみたいです。
お店の方が、「福銭」をおまけに付けてくれました
今年は金運が上がりそう?(笑)
蔵元のリーフレットも同封してくださったので、拝見すると、
この立春朝搾りの酒は、2月3日の早朝に瓶詰され、赤城神社の宮司さんからお祓いを受けたそうです。
お祓いは、参加者全員とお酒を飲む人の一年間の無病息災、家内安全、商売繁盛を願って行なわれ、コロナ禍の今年は、疫病退散も祈願されたとのこと。
その恩恵を受ける、福がもたらされる飲み方「恵方呑み」が紹介されていました。
福徳をつかさどる神「歳徳神」がいらっしゃる方角「恵方」に向かって事を行なうのが万事に吉とされているので、立春朝搾り酒を飲む時も、恵方を向くのが良いそうです。
「酒の恵方呑み」、初めて聞きましたが、たしかにこれはご利益ありそう!
恵方呑みの方法
今年の恵方(南南東)を向き、心静かに座ります。
酒をお気に入りの酒器にゆっくり注ぎます。
気持ちを落ち着け、昨年の無事に感謝しながら1杯目をいただきます。
2杯目は、心の中で願い事を唱えながらいただきます。
なお、空き瓶は捨てず、ラベルを恵方に向けて1年間保存するといいそうです。
華やかなデザインのラベルで、これならボトルをとっておきたくなりますね
「開華」のスペックはこちら。
精米歩合55%、アルコール度数は17%です。
1本目の時は、飲み方の作法なんてわからず、ただ飲んでいましたが、今回は、ちゃんと作法通りに飲んでみました。
せっかくなので、まだ少し残っていた前日の「赤城山」(左)と飲み比べました。
ラベルのデザインが少し違っているのがわかります。
右の「開華」のデザインは、名門酒会の44蔵共通です。
まずは、どちらも冷蔵庫から出した冷たい状態から飲んでみます。
「開華」の日本酒度は+2ですが、「赤城山」は不明です。
冷やの状態で比べると、「赤城山」の方が淡麗辛口で、「開華」はコクがあってなめらかに感じました。
なお、「赤城山」は開栓直後に注いだ時に微細な泡が見られましたが、「開華」には泡は見られませんでした。
次に、どちらもお燗をしてみます。
「赤城山」は、私はお燗をした方が好きでしたが、「開華」と比べると、舌触りがざらつきます。
「開華」は、お燗によってより濃密さ、甘みが出て、まったりと下に絡みつきます。冷やでもおいしいけれど、お燗した方がより好きです。
飲み比べでは、コクのあるなめらかボディの「開華」の方が、私の好みでした。
もともと、「赤城山」は淡麗辛口を売りとした酒のようですから、「立春朝搾り」にはフレッシュ感やキレが前面に出たのではないでしょうか。
ちなみに、どちらも、お燗した酒はビターチョコレートに合いました
「開華」の第一酒造は、東北自動車道の佐野藤岡ICからすぐのところにあるようです。
佐野には以前よくドライブで行っていたので、もしかしたら蔵元の近くまで行っていたかもしれません。
「赤城山」の近藤酒造とは、国道50号&122号経由の車移動で1時間かからない距離(約36km)にあり、余裕でハシゴができます。
運転していたら試飲できませんが、いつか蔵元に買いに行けたらいいなと思ってます。
[参考]
日本名門酒会 立春朝搾り参加蔵&買える店
https://www.meimonshu.jp/modules/xfsection/article.php?articleid=2100
購入した店では、日本名門酒会の名前が入った専用袋に入れてくれました。
大事なポイント「要冷蔵」としっかり表記されていました。
なので、持ち帰ってすぐに冷蔵庫に入れました