引き続き、3月に都内で開催されたカリフォルニアワイン試飲会の中から気になったものをピックアップして紹介します。
高価な赤ワインをつくるワイナリーが多いイメージのカリフォルニアですが、
白ワインに特化しているワイナリーだというのです。
日本初登場の「TANGENT」(タンジェント)ワイナリーの白ワイン3種(左3本)です。
ワイナリーはサン・ルイ・オビスポにありますが、この白ワインのAVAはエドナ・ヴァレーになります。
エドナ・ヴァレー(Edna Valley)は、サンタ・バーバラの海岸から約130km北西に位置し、海から近いため海風の影響を受け、カリフォルニア州のワイン産地で最も冷涼なAVAといわれています。
この冷涼気候を生かし、タンジェントでは、白ワインにフォーカスしたワイン造りを行なっています。
試飲会で紹介されたのは、ソーヴィニヨン・ブラン、アルバリーニョ、ピノ・グリの3種でしたが、私のピックアップアイテムは、アルバリーニョとピノ・グリ。
TANGENT Albarino 2019 / Pinot Gris 2019 (Edna Valley)
アルバリーニョといえば、北部スペインのリアス・バイシャスの海のワインをつくる品種としても知られています。
カリフォルニアでは、アルバリーニョは珍しい品種で、品種別の統計では「Others その他」にまとめられてしまうようです。
タンジェントのアルバリーニョは、エドナという冷涼地由来のキリリとした酸とミネラル感、透明感のある果実味、やや塩っぽいテイストが感じられました。その塩味が複雑さを出しているように思います。
ピノ・グリはフランスのブルゴーニュやアルザス、イタリア(ピノ・グリージョ)、ドイツ(グラウ・ブルグンダー)などでおなじみのポピュラー品種ですね。
アメリカでもよく使われるピノ・グリですが、冷涼地エドナ・ヴァレーでは、生育期間もハングタイム(ブドウが樹に実を付けている期間)も長く、成熟しているのにフレッシュな酸のあるブドウになります。
タンジェントのピノ・グリは、海から近い単一畑で栽培されています。
発酵は低温でステンレスタンクで行なわれるので(マロラティック発酵なし、樽使用なし)、ブドウのフレーバーが豊かでフレッシュ感があり、ほどよい骨格と飲み心地のよさを持つ、上品なワインに仕上がります。
アルバリーニョがクールでクリスピーでシャープなら、ピノグリはフレッシュだけどコクとうまみがあるほっこり系だと思いました。
2本を比較して飲むと、それぞれのキャラクターの違いが楽しめますが、共通点は「フレッシュ感/イキイキとした豊かな果実味」じゃないでしょうか。
なお、3本のワインとも、サステーナブル認証「SIP」を取得しています。
SIPは、モントレー郡とサンタ・バーバラ郡の間のワイン産地で2008年から試行が始まったサステーナブル認証プログラムで、HPを見ると、多くの農園、ワイナリーが認証を取得しています。
タンジェントがSIP認証を取得したのは2008年です。
※輸入元:ワインライフ 参考小売価格:各3,850円(税込み)
こちらの「ZOCKER」(ゾッカー)も、エドナ・ヴァレーにあるワイナリーで、日本初登場です。
ZOCKER Grüner Veltliner 2017 (Edna Valley)
ZOCKERはドイツ語で、「ギャンブラー」の意味。
なかなか攻めてる名前ですね(笑)
ゾッカーも白ワインに特化し、しかも、グリューナー・ヴェルトリナーとリースリングの2品種。
どちらもカリフォルニアではチャレンジングな品種ですが(だからギャンブラーなんですね )、食事と楽しめるフードフレンドリーなワインを目指しているそうです。
紹介されていたアイテムは、グリューナー・ヴェルトリナー2017。
エドナ・ヴァレーの単一畑(パラゴン・ヴィンヤード)で栽培され、このワインもサステーナブルのSIP認証を取得(ワイナリーとしては2009年に認証取得)しています。
冷涼地エドナ・ヴァレーならではのクールな酸とミネラル感、長いハングタイムから来る豊かな果実味と複雑味とのバランスが取れ、気品あふれる仕上がりになっています。
※輸入元:ワインライフ 参考小売価格:4,400円(税込み)
今回は、カリフォルニアの冷涼産地AVAエドナ・ヴァレーの白ワインを紹介しました。
クールなカリフォルニアの白ワインが欲しい方は、エドナ・ヴァレーと書かれているラベルのワインを探してみてはいかがでしょうか?
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