今年の9月末、イタリア・ヴェネト州のワイン産地SOAVE(ソアーヴェ)の
Cantina del Castello社(カンティーナ デル カステッロ)のプレゼンテーションが都内で開催され、参加してきました。
生産者の来日はありませんでしたが、ワインの試飲がありました。
コロナ禍でオンラインが多くなったので、必ずリアルの試飲があるわけではない、というのが、コロナ時代ならではの事情ですが、ワインを実際に口にできるのとできないのでは、まったく手ごたえが違いますからね。
ソーアーヴェは北イタリアのヴェローナとヴェネツィアの間で、ヴェローナ寄りにあります。
海底火山が噴火して隆起した土地なので、火山性の玄武岩が土壌のあちこちに見られます。
普通に道を走っていると、すぐ横に黒い玄武岩の地層があり、興味深い地域でした。
SOAVE Cantina del Castello (Italy, Veneto)
カンティーナ デル カステッロは、前のソアーヴェ生産者協会の会長だったアルトゥーロ・ストケッティ氏がオーナーを務めていました。
ストケッティ氏がオーナーを務めているワイナリーとして日本でもよく知られていましたが、2019年にオーナーが交代しました。
新オーナーは、これまでもカンティーナ デル カステッロのビジネスパートナーとして長い縁のあったカルレッソファミリーのマルコ・カルレッソ氏。
写真を見ると、若く、IT関連会社の社長のような雰囲気の人(笑)
マルコ氏もずっとここで働いていたので、カンティーナのことはよくわかっています。
また、醸造長をはじめ、醸造チームはこれまでと同じということなので、カンティーナ デル カステッロの伝統はそのまま引き継がれています。
変わった点を挙げると、パッと見てすぐにわかるのがエチケットラベルです。
2020年ヴィンテージから変わったということなので、新旧を比較してみましょう。
左)以前のラベル 右)2020以降の新ラベル
シンボルとなっているカステッロ(城)のロゴは変わりませんが、ロゴが大きく強調され、雰囲気がモダンになったでしょうか。
ほかの変更点は…
2021年からオーガニックに転換
環境に配慮した取り組みーBiodiversity Freiend プロジェクトを開始
歴史ある畑を新たに追加
中庭の地下に新しいセラーを建設中
など、意欲的に取り組んでいるようです。
この日に試飲したのはこちらの3本
左から)
Soave Classico DOC 2020
Soave Classico DOC Pressoni 2018
Recioto di Soave Classico DOCG Cortepittora 2017
Soave Classico DOC はベーシックなソアーヴェで、ブドウ品種がガルガーネガ90%、トレッビアーノ・ディ・ソアーヴェ10%のブレンド。
トレッビアーノを加えることで、ソアーヴェの伝統的な味わいを守っています。
ステンレスタンクのみで醸造するのもソアーヴェの伝統スタイル。
味わいはピュアでミネラリー。3/4カ月(24日間くらい?)シュル・リーしているので、ほどよいコク、うまみも感じました。
心地よくスイスイ飲めますね。白身の魚やイカの刺身、カルパッチョ、味付けの濃くない和食、水炊きや塩ダレの鍋などに合わせてみたいと思いました。
※参考小売価格:2,300円(税別)
Soave Classico DOC Pressoni の「プレッソーニ」は、2019年に認定されたソアーヴェのクリュの名前です。
33あるクリュのおよそ中央にあり、玄武岩を含む粘土質土壌で、石灰はやや少なめのアルカリ性の土質。
特徴的なのは、かなりの急勾配の場所にテラス式の畑があるため、手作業で手がかかります。
こちらは、ガルガーネガ80%、トレッビアーノ・ディ・ソアーヴェ20%。
ステンレスタンク発酵、熟成(シュル・リー12カ月)、ボトルで4カ月熟成させています。
ベーシックなソアーヴェよりも黄色が濃く、味わいも濃く、深み、複雑味が出ています。
ボディを支えているのは酸で、ソアーヴェらしい酸がしっかりあり、フルーツ感もミネラル感もしっかりあり、高いバランスでまとまっています。
こく、うまみあり、ボディのほどよい厚みがあり、飲みごたえもあり。
価格を見ると、ソアーヴェのクリュはコスパがいい!と嬉しくなりました。
※参考小売価格:3,500円(税別)
Recioto di Soave Classico DOCGは甘口ワインです。
9月に収穫したブドウを専用貯蔵庫で2月まで寝かせておきます。その間に水分が抜けて糖度を増したブドウをソフトプレスし(搾汁率35%)、甘~いワインに仕上げます。
ブドウ品種はガルガーネガ100%。
ステンレスタンクで発酵(15日間)、熟成(4カ月)後、瓶で熟成6カ月以上。
この2017年は前オーナーが手掛けたもので、新オーナーになってからのレッチョートは、発酵期間が25~30日、タンク内熟成も12カ月、瓶熟成も12カ月と、どの過程も以前より長くしているようです。
2017年ヴィンテージは、濃厚な甘みが甘美。収穫から5年が経過しているとはいえ、フレッシュさが味わいの中に感じられ、品の良さを感じました。
黒蜜のデザート、あんこに合わせたくなりました
※参考小売価格:4,200円(375ml)
オーナーが変わり、色々と改革中ということで、その変化がワインとして出てくるのは、あと2,3年くらいでしょうか。
ずっと飲み続けてきている生産者ですので、この先も見守りたいと思います。
※輸入元:大榮産業
前オーナーのストケッティ氏は日本のソアーヴェプロモーションでもよく来日されていましたので、覚えている方も多いのではないでしょうか?
東京湾の屋形船でご一緒した時は、お嬢さんも参加され、非常に印象深い思い出です。
下にその時のリポート記事のURLを貼ります。
[参考]
白ワインSAOVEの夏!
https://blog.goo.ne.jp/may_w/e/b51308590737af1e9ffb945a23b2a8a4
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