ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

アメリカチーズフェスティバル2008[前編]

2008-11-03 15:28:18 | おいしい食べもん
先週、アメリカ乳製品輸出協会主催による
「アメリカチーズフェスティバル2008」 が東京で開催されました。

アメリカ産のチーズの展示および試食、チーズプロフェッショナル協会村山重信会長によるセミナー、チーズを使った新料理メニューのコンテストなどが行われたのですが、個人的にはかなり収穫のあったイベントでした。




村山氏によるセミナーでは、アメリカのチーズの概要、そして、3月にウイスコンシンで行われた「2008 World Championship Cheese Contest」の報告、ニューヨークでのチーズショップ巡りの話などがありました。

へえ~と思ったのは、アメリカは世界ナンバーワンのチーズ生産量を誇る国であるということ。
なんと、世界のチーズ総生産量の1/4を占めています

また、400種類以上のチーズを生産している、ということも驚きでした。


チーズといえば、質および種類ともにフランスがトップに来ると思いますが、フランスでは季節や原料が限定されてつくられるものが多く、それゆえ、量も限られてきます。
しかし、アメリカは1年中安定してチーズを生産できますので、生産量No.1というのも納得です。




種類については、同協会のアンジェリーク・ホリスターさん(フランス出身)が
「アメリカにはプロセスチーズしかないと思っていました」と述べていましたが、私も同感。

ですが「チーズをつくっている人がフランス以上にたくさんいることがわかり、それならもっと世界に広めなければと思ったのです」とアンジェリークさんは言います。



大量生産のバルクチーズ以外のものは 「スペシャリティチーズ」と呼ばれ、

アルチザンチーズ(職人のチーズ。できる限り手作業で、生産量も少量)

ファームステッドチーズ(原料は農場主の所有する家畜の生乳に限定)

オーガニックチーズ(土地、飼料、原料の生乳や他の材料も認定が必要)

アメリカンオリジナルチーズ(アメリカ発祥のチーズ)

などがあります。


「スペシャリティ」という表現は付加価値を加えたチーズに対して使われるため、粉チーズ、裂けるチーズ、スライスチーズといったものや、特別なパッケージのもの、特別な起源を持つもの、特殊な生産方法などのものも含まれることがあります。



さて、実際にスペシャリティチーズをいくつか紹介しましょう

まず私が一番気になったのは、「ドライジャック・リザーブ」です。


Dry Jack Reserve  (ヴェリャチーズ社)

アメリカを代表するチーズで、産地はカリフォルニア。
チーズ界のゴッドファーザーの手作りで、2~4年熟成させています。



円盤状の大きなチーズで、表面は硬く、中はパルミジャーノのようにみっちりかつホロリとした質感。うまみたっぷりで、ワインがほしくなります



Gran Queso  (ロスケーゼ社)

スペインのマンチェゴに似たチーズですが、マンチェゴが羊乳からつくられるのに対し、グラン・ケソは牛乳からつくられます。
濃厚なチーズで、非常に食べやすく、見た目がゴージャスなので、パーティを盛り上げてくれそうですね。
これはウイスコンシン州産です。



Mezzaluna Fontina  (ロスケーゼ社)

メザルーナ・フォンティーナはウオッシュタイプのイタリアンスタイルチーズということですが、ウオッシュとは思えないほどの外観で、クセもほとんど感じませんでした。なめらかでクリーミーで、食べやすいウオッシュです。これもウイスコンシン州産。



Gruyere Surchoix  (ロスケーゼ社)

グリューエール・スーショワは、その名の通り、スイス製の銅バットを使った伝統製法でつくられます。熟成は9カ月以上で、見るからに美味しそう!塩味が効き、メリハリがあってコクのある硬質タイプ。ウイスコンシン州産。
これをつまみながら白ワインが飲みたくなりますね~


まだまだあるので、続きは明日の後編へ。

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ルグドゥノム ブション リヨネ [ワイン編]

2008-11-02 15:04:02 | レストラン&店
10月30日に紹介したビストロ 「ルグドゥノム ブション リヨネ」
ワイン編 です。

この店はリヨン周辺の料理を出すので、ワインも基本はリヨンの周辺の産地のもの(リヨンの北のブルゴーニュ、ボージョレ、リヨンの南のローヌ)しか置いていません。

その最たるものがこちらのワインでしょう。



Coteaux du Lyonnais “Le Pot des Gone” 2006 Guyot

ガメイを使った軽やかな赤ワインで、冷やして飲むとフルーティで爽やかな、とってもチャーミングなものです。

コトー・デュ・リヨネはフランスのリヨンの北西部と南西部に畑があるワイン生産地で、1984年にAOC認定されていて、赤はガメイ、白はシャルドネとアリゴテがつくられています。

このワインは一見750mlサイズに見えますが、瓶底が5cmくらいの厚みがある独特の形状のため、中身は500mlというユニークなもの。

リヨンの人たちにとって、このずんぐり型のボトル 「Gones」 は、この地方の最良のワインサーブ用。
元々はリヨンのビストロ(ブション)で、樽からこれにワインを注いで客のテーブルに提供するのに使われ、ボトルが空になると、またこのボトルを満たしては飲み・・・というように使われてきました。

“Le Pot des Gone” は Domaine Guyot のネゴシアン部門 Guyot Gourmet のオリジナルブランド名になります(pot はポット、つまり壷、入れ物の意味)。

ルグドゥノム ブション リヨネでは、このワインをグラスでもボトルでもオーダーでき、ボトルの場合は、空き瓶を持ち帰ることもできます。
このワインはこの店で最も安いので、試しにグラスで1杯飲んでみるのも面白いかも。




(右)Cotes du Rhone Blanc 2007 Clos Petite Bellane

(左)Cotes du Rhone Blanc 2006 Domaine de la ・・・(不明)

右の白ワインをボトルで。これは何度も飲んだことがあり、非常にコストパフォーマンスのよいつくり手。ローヌのワインですが、とてもきれいなスタイルで、清楚な花の香りがあり、酸も充分あってバランスの良いものに仕上がっています。軽く飲めますが、満足度は高いと思います。

左の白ワインをグラスでいただきましたが、果実味があり、まろやかで、しかもエレガント。ボトルでオーダーしてもいいかな、と悩んだワインでした。



Cotes du Rhone Village Bablet 2006 Domaine des Espiers

定評ある生産者で、注目のサブレ村のコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ。
ローヌの赤は、本当にエレガントなものになってきていると思います。



Macvin du Jura  Domaine de la Pinte


最後に・・・と思ってチョイスしたのが、フランスだけれどリヨンとはちょっと方向の違うジュラ地方天然甘口ワイン(ヴァン・ド・ナチュレール) 「マクヴァン・デュ・ジュラ」

サバニャン種のブドウを破砕し、アルコール発酵が始まったらすぐに自家製のマールを添加して発酵を止め、その後は3年間オーク樽で熟成させた酒精強化ワインで、アルコール度は16.5%。

お腹いっぱいでデザートは入らなくても、こんなシアワセな甘さの食後酒があれば大満足ですね



Marc de Tavel  Domaine La Genestiere

友人のチョイスは、アルコール42%のマールで、ローヌのタヴェルのもの。
ひと舐めしましたが、ここまでアルコールが高いと、私はちょっとギブアップ 



この店のワインの選択肢はそれほど多くはありませんが、「こんなのが飲みたいのですが・・・」と言うと、ワインリストに載っていないワインを紹介してくれるので、スタッフに相談することをオススメします。

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日比谷公園のワインイベント

2008-11-01 23:25:19 | ワイン&酒関係雑記
3連休ですが、なにも予定がなくてヒマだわ・・・という人は、こんなイベントはいかがでしょうか?



新酒の解禁ということで、東京の 日比谷公園噴水広場 で、
山梨のヌーボーまつり が開催されます。

毎年この時期に行われる恒例のイベントで、
東京にいながらにして、山梨の新酒ワインがたっぷりと味わえます。

私も何度か行きましたが、ホント、ガッツリ飲めます!



ワイングラスの購入で(今年はたぶん700~1,000円の間と予想されます)、山梨県内のワイナリー30数社のワインを飲むことができます。

また、山梨の食べ物(ヤマメ、ソーセージ等)も販売されるので、それをつまみにできますが、もっとしっかり食べたい!という人は、好みのものを持参すると良いと思います。

日時は 11月3(月)~4(火)の11:00~15:00頃まで

14:30までという情報もありますし、どんどんワインがなくなっていきますので、早目の時間帯に行くことをオススメします。

でも、飲みすぎにはご注意を~

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