
評価

再読(前回2017年1月15日)。
瀬戸内海の白綱島(モデルは著者の故郷の因島)にまつわる短編6話。波静かな島の風情と島に生まれた人々の愛憎が生む謎を著者独特の切り口で描くソフトミステリー。①みかんの花②海の星③夢の国④雲の糸⑤石の十字架⑥光の航路
大げさな謎ときやドロドロ感はなく、瀬戸内の情緒と田舎に住む人々の頑なさやしがらみがジワジワと登場人物たちを包み込む不思議な短編集。湊さんの作品には「故郷」「母子」「父子」「祖母」「祖父」を語る物語が多いが、この6作品に貫かれている心は「望郷」そのもの!