白堊スポーツ - since 2004.09.18

母校・盛岡一高や岩手のスポーツ情報、読書感想、盛岡風景などをお伝えします。

十五少年漂流記(再読)ージュール・ヴェルヌ

2020年06月17日 | 読書
評価4

小中学生の頃以来の再読。何回読んだだろう?と思うほど読んだとは思うが、ほとんど覚えていなかった。

ニュージーランドの寄宿学校の10歳~15歳の少年たち15人が乗った船(スラウギ号)が、ある少年のもやいロープを緩める悪戯から漂流を始め南米大陸南端近くの無人島に流れ着き2年もの間悪戦苦闘して故郷に帰る冒険アドベンチャー。

初代リーダーのゴードンはアメリカ人、二代目リーダーのブリアンはフランス人、他の13人はイギリス人である。ブリアンとしょっちゅう対立するのはドニファン。フランスvsイギリスの仲の悪さを象徴しているように感じたのは私だけか・・・(笑)。

「えーっこんなこと子供ができるのか~?」
と、いうところが結構あり、ご都合主義って感じもしないでもないが、1800年代後半の物語としてはかなり先を行っていた感強し!少年の頃の私は何を思っていたことだろう?

次は「八十日間世界一周」あたり。

レイクサイドー東野圭吾

2020年06月13日 | 読書
評価3

中学受験のために別荘での勉強合宿をする4人の子供たちと、それを見守る家族たち。そんな状況の中、並木家の夫・俊介の愛人が妻の手で殺された。親たちはその隠ぺい工作に走る。その親たちが守ろうとしているのはいったい何なのか?誰なのか?湖畔の別荘という限定された場所で繰り広げられる舞台演劇を彷彿とさせるミステリー。

久しぶりの東野圭吾でしたが、う~む、イマイチ、、、

パクス・ロマーナ(上)-塩野七生

2020年06月12日 | 読書
評価5

紀元前29年~前19年:統治前期(アウグストゥス34歳~44歳)

「パクス・ロマーナ」とはローマの平和、この後約200年続く繁栄と平和の時代を表す言葉である。カエサルの後を継いだアウグストゥスはなかなかの曲者である。表面的には共和政治のような印象を与えながらジワジワと帝政の布石を打って行くのだった。

数多くの改革、施策を実行。以下に列挙。
・国勢調査
・霊廟建設
・情報公開
・元老院議員の削減
・共和制復帰宣言
・内閣の創設
・属州統治の基本方針策定
・イベリア半島の完全制覇
・国税庁、食糧庁の創設
・通貨改革
・パルティア(現イラン、イラク)との講和
・エジプトの灌漑工事、農地改革

え~この時、わがニッポンは今だ弥生時代、で、ごさいます(笑)。
しかし、この時点でローマ軍はスッラ、クラッススともパルティアに負けており戦で勝ちをおさめていない。いやはや、イラン、イラク、恐るべし・・・

◆カバーの金貨について
人々が、初代皇帝アウグストゥスの目指す「パクス・ロマーナ」に納得し、それを受け容れるようになった帝政の始まりには、金貨でもその表面に、皇帝の顔が刻まれるように変わった。

ユリウス・カエサル ルビコン以後(下)-塩野七生

2020年06月09日 | 読書
評価5

紀元前44年3月15日~前30年(カエサル暗殺~クレオパトラの死・プトレマイオス王朝滅亡)。カエサルの死後、後継に指名されたオクタヴィアヌス(後の称号=アウグストゥス、カエサルの妹の孫)が暗殺の首謀者・ブルータス、カシウスを死に追いやり、クレオパトラの色香に誘惑されてローマを裏切ったアントニウスを倒し、ここに、ついに初代皇帝・アウグストゥスが誕生!帝政ローマがその産声を上げたのだった!

いやはや一大活劇だ。ページをめくる手が止まらない!しかし、アントニウス、一人の女のために国を売るとは・・・いやはやなんとも・・・で、ある。

◆カバーの銅貨について
通貨を統治上のプロパガンダに活用するとのカエサルの考えの後を継いだアウグストゥスが、単なるまね以上の踏襲をした例の一つ。表面にはカエサルとアウグストゥスの顔が彫られ、カエサルの方は「神君」を意味する「DIVI」、アウグストゥスには、神君の息子である「F・DIVI」とある。

ユリウス・カエサル ルビコン以後(中)-塩野七生

2020年06月07日 | 読書
評価5

カエサルの小アジア遠征~暗殺前(紀元前49年~前44年)。
紀元前47年6月小アジアのポントス王ファルナケスとの対決で勝利をおさめたカエサルは元老院に宛て「来た、見た、勝った」と戦果報告を送る。北アフリカのポンペイウス残党一掃も終えたカエサルはローマに帰還後、4回に及ぶ凱旋式を挙行し終身独裁官となり、暦の改定(太陽暦=ユリウス暦)、通貨改革を手始めに帝政移行に向けた数々の改革を実行にうつす。

ユリウス暦はグレゴリウス暦登場まで1627年もの間通用、1年を365日と5時間48分46秒としたグレゴリウス暦との誤差わずか11分14秒と紀元前の知能に驚く。

凱旋式では軍団兵のシュプレヒコールが恒例となっていたのだが、カエサルを揶揄する唱和に爆笑(笑)!カエサルも抗議はしたようだが受け入れられなったらしい、それがこれ!

「市民たちよ、女房を隠せ。ハゲの女たらしのお出ましだ!」

◆カバーの銀貨について
紀元前6世紀に王を追放してローマに共和制体を打ち立てた、ルキウス・ブルータス。カエサル暗殺で名をはせたマルクス・ブルータスとは別人であるが、500年後のブルータスは真の意味で自分の祖先と考えていたので、自分ではなくこの人を模した通貨をカエサル暗殺後にわざわざ発行させたのだった。