日暮しの種 

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防衛相の面識の無さ

2011-11-19 20:52:06 | 編集手帳



  11月18日付 読売新聞編集手帳


  ある大学教授が学生から手紙をもらった。
  「見識のない先生に、突然、手紙を差し上げます」。
  国語学者の見坊豪紀(けんぼうひでとし)さんが
  著書『ことばの遊び学』(PHP研究所)に紹介している。

  「面識のない先生」の誤りである。
  学生は「見識」を「見て識(し)っている」意味と勘違いしたのだろう。
  とんだ恥をかいたわけだが、
  大学はともかく永田町には見識のいささか心もとないセンセイがいるのは確かである。

  国賓のブータン国王夫妻を迎えての宮中晩餐会(ばんさんかい)を、
  一川保夫防衛相が欠席した。
  民主党参院議員の政治資金パーティーに出席したという。

  「他の大臣は皆そちら(宮中晩餐会)に行きましたが、
  私はこちらのほうが大事だと思って参りました」。
  一川氏はパーティーでそう挨拶している。
  きのうの参院予算委員会で事実を認め、
  「申し訳なかった。反省している」と陳謝した。
  やれやれ。

  「米大統領や中国国家主席の晩餐会であっても、
   すっぽかしましたか?
   それとも、
   すっぽかしていい国、
   いけない国の区別があるのですか?」。
  見識のない…いや、
  面識のないセンセイにお尋ねの手紙を差し上げたい心境である。
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豊洲2丁目 インドネシア料理 ヴィラ・スラバヤ

2011-11-19 18:38:36 | グルメ



  


    



  東京都江東区豊洲2‐4‐9 アーバンドック ららぽーと豊洲3F
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心やさしいヒマラヤ山麓の国 ブータン

2011-11-19 14:48:28 | 編集手帳



  

  11月17日付 読売新聞編集手帳


  歴史学者の今枝由郎さんがブータンを旅したときのことという。
  迷い込んだ狭い道で車が立ち往生した。
  向きを変えようにも、
  段差があって身動きが取れない。
  と、
  助けを求めたわけでもないのに、
  通行人の男性がそばの石を拾い、
  黙って段差を埋めはじめた。
  通り合わせた人が一人、  
  また一人、
  作業に加わる。
  誰も言葉を発しない。
  数分にして段差は消えた。
  すべては黙々と始まり、
  黙々と終わったという。

  今枝さんが以前、
  岩波書店の宣伝誌『図書』に寄せた随筆のなかにあるこぼれ話である。
  おなじみのGNP(国民総生産)ではなく
  「GNH」(国民総幸福量)を提唱しているヒマラヤ山麓の国の、
  心やさしいお国柄がよく表れた挿話だろう。

  10月に結婚式を挙げたばかりの初々しい国王夫妻が国賓として来日した。
  あすは被災地の福島県相馬市を訪問するという。
  折しも日本人はいま、
  思いやりという心の小石を持ち寄って、
  被災地にある苦しみの段差を埋めようとしているところである。

  〈ブータンも田を植ゑる国うたの国〉(田中裕明)。
  日本と似たところもある。
  その国にもっと似たいところもある。
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