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意外な原料からバイオエタノール

2012-12-02 08:06:40 | 報道/ニュース


  11月28日 おはよう日本


  バイオエタノールは植物を原料としてつくる燃料で再生可能なエネルギー。
  サトウキビやトウモロコシなどから作るのが一般的だが
  意外な原料からバイオエタノールをつくることにベンチャー企業が成功した。

  バイオエタノールが含まれるガソリンは
  環境にやさしい燃料として各地で普及への取り組みが始まっている。
  そのバイオエタノールを作る新しい技術を岐阜県の企業が開発した。
  全国から見学に訪れる人たちが後を絶たない。
  原料は近所で刈り取ってきた雑草。
  雑草だけでなくゴルフ場の芝やオフィスの紙くずなど
  植物の成分セルロースが含まれていればエタノールを作ることができる。
  製造装置がコンパクトなことに驚く。
  国も雑草などからエタノールを作る研究に取り組んでいる。
  しかしそのプラントの多くは巨大で
  背景には雑草などからエタノールを作る効率の悪さがある。
  すでに実用化されているサトウキビの場合は
  含まれる糖を発酵させてエタノールをつくる。
  しかし雑草などはセルロースをいったん糖に分解する必要がある。
  出来上がるエタノールの量が少ないため巨大なプラントで大量生産せざるを得ない。
  なぜこのベンチャー企業は小規模でエタノール生産が可能なのか。
  秘密はセルロースを分解する特殊な酵素。
  分解効率が高く従来の数倍のエタノールを作ることが可能。
  地元の岐阜大学で20年にも及ぶ研究の末発見された。
  設備が小規模なためコストが大幅に抑えられる。
  エタノールの生産ラインは1リットル当たりの生産コスト100円と言われている。
  国のプラントは平均150円ほどかかるのに対し
  この会社のプラントでは50円ほどで生産しているという。
  今後 この会社では全国各地に
  地域の雑草などを利用する小さなプラントを建設していきたいと考えている。
  (バイオベンチャー 鈴木繁三社長)
  「言い続けているのは
   地産地消のエネルギーを作りましょう
   “地エネルギー”を作りましょう
   町に特化した材料で町にあった大きさのプラントで町の人たちに利用してもらう。」

  そして今 この技術を応用した新たな取り組みが始まろうとしている。
  原発事故で被害を受けた福島県飯館村。
  放射性物質に汚染された森林の除染に役立てようと言うのである。
  今年6月~9月までその効果を確かめる実験が行なわれた。
  汚染された草木を刈り取り細かく砕く。
  それを酵素で分解し発酵させる。
  蒸留してエタノールを取り出すと残りの茶色い液体に放射性物質が集まる。
  そこに薬品を入れて放射性物質を固め中間貯蔵施設に持ち込む。
  一方バイオエタノールからは基準値を超える放射性物質は検出されなかった。
  生産コストについても試算したところ採算ラインをクリアするものだった。
  19日 ベンチャー企業が飯舘村を訪ねた。
  飯舘村の森林組合がこの技術に興味を持ったのである。
  村には約800人の森林組合員がいる。
  プラントができれば除染に役立つだけでなく
  新たな働き口になると期待している。
  (森林組合員)
  「とにかく仕事がなければ飯舘村になかなか帰れない。
   話を聞いて期待はしている。」
  村では来年にも試験プラントを立ち上げ
  村に合った利用方法を探っていくことを検討している。
  (飯舘村森林組合 相良弘組合長)
  「このまま黙っていても何も前に進まない。
   研究していけば道は開けるのではないか。」
  今後は作ったエタノールの販売方法など具体的な課題について
  ベンチャー企業と話し合っていく予定である。

  除染とエタノール生産という一石二鳥を狙ったこの試みは
  将来住民が戻ってきてそのエタノールを使ってくれるかどうかという課題もある。
  こうした問題を乗り越えれば
  今はほとんど手付かずの森林の除染を進めるきっかけになるかもしれない。
  
  


  
  
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