12月7日 おはよう日本
信用不安に揺れるEUヨーロッパ連合。
その執行機関を率いるバローゾ委員長がNHKのインタビューに応じた。
バローゾ委員長は
EUの財政面での統合をさらに推し進める必要性を強調するとともに
日本との貿易を自由化するEPA経済連携協定の締結に向け
慎重に交渉を進めていく考えを示した。
EU本部でインタビューに応じたヨーロッパ委員会のバローゾ委員長。
信用不安ぬついてこれまでの対策によって改善の兆しはみられるものの
危機から脱するためにはユーロ圏の銀行の監督業務を一元化するなど
EUの財政面での統合をさらに推し進める必要性を強調した。
(EUバローゾ委員長)
「ここ半年間に打ち出した対策によって状況は改善されつつある。
ただこれで問題解決ではなく経済統合を完成させることが必要だ。」
信用不安が深まる中
EUのなかで支援を受ける国と支援を行う国とが対立し
ギリシャがユーロ圏を離脱する可能性も取りざた荒れたことについて
バローゾ委員長は加盟国が結束を乱すことへの危険性を指摘した。
(EUバローゾ委員長)
「相互依存が深まっている中で
一部の加盟国がユーロ圏から離脱するコストの方が極めて高い。」
EUは先週
日本との貿易の自由化を目指すEPAの締結に向けた交渉を始めることを決めたが
一部の国は日本製の自動車の輸入が急増することへの警戒感が根強くある。
バローゾ委員長は日本側の対応を見極め慎重に交渉に臨むとしている。
(EUバローゾ委員長)
「スピードより内容が重要だ。
日本市場への障壁を撤廃できれば双方にとって利益となる。」
信用不安によって加盟国の結束が揺らぎ創立以来の危機にあると言われているEU。
今こそ統合を深めることによって危機を克服すべきだ
というバローゾ委員長の訴えがどこまで届くのか
その指導力が問われている。