12月17日 Bizプラス
“株高円安”は続くのか
強気派
(カブドットコム証券 山田勉投資情報部長)
「安倍氏が訴えてきた
超金融緩和や公共投資のリアリティが高まったということで
好感して円安・株高に動いた。
政権が変わるのでマーケットも何かしら変わるんじゃないか
という期待感が広がっている印象がある。
投資家がマーケットに戻ってくれば活況になると思う。」
慎重派
(三菱UFJモルガン・スタンレー証券 藤戸則弘投資情報部長)
「ここまで株を買って円を売ったのはいわゆる外国人投資家のヘッジファンド。
彼らが逆転し始めると
日本人は基本的には株売りというスタンスだから
今度は“買い”が不在になってしまう。
ヘッジファンド相場はスポーツに例えると100m走。
ウサイン・ボルトのようなものすごい力を出すが
ウサイン・ボルトはマラソンは走れない。
実体経済はどちらかというとマラソン。
マラソンに耐えるだけの持久力が持てるかどうかが最大のポイント。」
日銀は一段の金融緩和に踏み切るのか
仮に踏み切ったとしても日本経済がデフレ脱却を果たせるのか
強気派
(カブドットコム証券 山田勉投資情報部長)
「次元が違う。
今までと何が違うかというと
足元の15年デフレ 失われた20年
なぜそうなったかということの反省と挽回をしようとしている。
75円78円が当たり前の状態で受け入れ続けてきたのが
今回は円安方向にする姿勢がはっきり見える。
今までの金融緩和は欧米に比べて不十分だったというのは歴然。
均衡財政原理主義にとらわれて財政を出し渋ってきた。
構造改革で何とか成長しようと
中途半端な財政・成長戦略から真逆のことをやる
ということで今までとは次元の違う戦略であるといえるので期待したい。」
安倍総裁が大胆な金融緩和を行うといってきたが効果あるいは副作用は
慎重派
(三菱UFJモルガン・スタンレー証券 藤戸則弘投資情報部長)
「今の為替相場は“期待”。
安倍総理が誕生してやってくれるだろうという期待。
これに多くの海外投資家が賭けていることで急騰してきた。
実際に政策に生かすということになると現実の壁に直面する。
金融政策を強調するのと同時に
日本の成長率を上げる具体的な政策に注力していかなければならない。
この部分を努力して
実体経済が拡大していくという部分がないと“砂上の楼閣”になるリスクがある。」