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韓国大統領選(2) “ベビーブーマー”不安つのる日々

2012-12-17 08:41:48 | 報道/ニュース


  12月15日 NHK海外ネットワーク


  韓国の大統領選は  
  パク候補がリードしムン候補が追い上げるという構図が続いている。
  経済の民主化という言葉がキーワードになっているが
  国民の間では財閥系の大企業だけに利益が集中するという不満が根強い。
  中小企業や小さな商店も共に成長できる経済構造に変えていけるかが課題である。
  また就職難の若者や
  老後の不安を抱える中高年層を中心に広がる不公平感をどう解消し
  雇用や社会保障を充実させていくかが問われる。
  特に深刻なのがベビーブーマー世代と言われる世代の50代の人たち。
  有権者の18%を占めるこの世代の支持を
  いかに取り入れるかが選挙戦の大きなカギである。
  大統領選挙を前に退職した人たちの団体が集会を開いた。
  49歳から57歳のベビーブーマー世代が次々と退職する年齢を迎える中
  働く場の確保などを訴えた。
  (韓国退職者協会 チュ・ミョンニョン会長)
  「ベビーブーマー世代の一番必要なのは
   備えのない老後に対しての政府の対策や社会制度を改善することだ。」

  人口730万人のベビーブーマーの70%は年金をもらう資格がない。
  1997年の通貨危機などの影響で保険料をおさめられなかったり
  最低10年の加入期間を満たしたいない人が多いためである。
  この世代の多くは年金をあてにできない。
  ソウル中心部の雇用センターでは再就職の相談などを受け付けている。
  最近特に増えているのがベビーブーマー世代で
  早期退職やリストラに伴い会社を退職する年齢が年々低下しているためとみられる。
  このセンターは中高年向けに仕事探しのプログラムを新たに導入した。
  しかし景気の低迷で企業の求人が減っているうえ
  就職難の若者との仕事の奪い合いも生まれ
  再就職は容易ではない。
  (雇用センター イ・オキ課長)
  「たとえば以前なら清掃員の仕事はベビーブーマー世代が占めていた。
   しかし今は20代から30代の若者が多く志願し世代間の衝突が起きている。」

  何とか再就職できても厳しい生活が続く。
  キム・ドクチュンさん(58)は金融機関に35年間勤め支店長まで経験した。
  一昨年 早期退職した後
  同じ金融機関に契約社員として再雇用された。
  給料は5分の1に減ったうえ契約期間は最長でも2年。
  (キム・ドクチュンさん)
  「私はもっともっと働きたかったが会社が早期退職制度を導入したため
   早期退職をするしかなかった。」
  今年から国民年金を受け取っているが月7万円程度で
  夫婦の老後の生活には十分ではない。
  今後の仕事探しに役立てようとこの2年間で4つの仕事を取得した。
  さらに次の仕事の取得を目指して勉強を続けている。
  新しい大統領には
  社会保障の充実や雇用の確保を優先してほしいと願っている。
  (キム・ドクチュンさん)
  「一生懸命頑張ってきたが貯金があまりない。
   自分の将来を考えたときにもっと頑張ってお金を稼がないと
   このままでは老後を送ることができない。」

  韓国は日本以上に少子高齢化が進むといわれている。
  韓国はもともと儒教の影響で子どもが親の面倒を見るのが当たり前とされてきたが
  核家族化・少子高齢化がすすんでもはやそれは難しい。
  政府に求められる役割がより大きくなっている。
  経済成長と雇用や福祉の充実を両立させなければならない。
  パク候補は経済成長
  ムン候補は雇用の充実に力点を置いているが
  いずれにしても困難な道のりが待ち受けている。
  
  
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