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日本人の長期滞在 マレーシアで急増

2012-12-07 14:20:16 | 海外ネットワーク
 

  12月1日 NHK海外ネットワーク


  常夏の国マレーシアは定年退職後の長期滞在先として人気がある。
  東日本大震災後 マレーシアに移り住む人に変化が起きている。 

  マレーシア南部 シンガポールとの国境の町ジョホールバル。
  中心部は今 マンションの建設ラッシュである。
  日本人向けにつくられているマンションのモデルルームは
  約200㎡の広さに3つのベッドルームある広々としたつくりになっている。
  この物件は約2,700万円。
  モデルルームには連日購入を希望する人たちが日本から見学に訪れている。
  (見学者)
  「日本が高齢化でだんだん力を失うなか
   経済の中心はアジアになるだろうなと。
   ぜひこちらに来たいと思う。」
  (不動産会社社長)
  「家族の含めた移住を考えた購入がすごく増えているという印象。」
  
  長期滞在先として人気を集めるマレーシア。
  物価の安さや治安の良さ 
  英語が幅広く通じる暮らしやすさが評価されている。
  長期滞在者向けのビザ取得が比較的簡単なことも人気の理由である。
  マレーシア政府が東京で開いた説明会には約800人が集まった。
  年配の人たちに混じり目立ったのは小さな子供を連れた家族の姿。
  マレーシア政府によると東日本震災のあと
  安全な住まいやより良い教育環境を求めて移り住む人が増えているということである。
  ビザを取った日本人は年間200人前後で推移していたが
  震災があった去年は423人に急増。
  今年は8月までに558人にのぼっている。
  
  震災をきっかけにマレーシアに移り住んだ藤本真知子さん(64)は
  今年3月からジョホールバルで1人暮らしを始めた。
  東京で婦人服やアクセサリーを販売する店を経営していた藤本さん。
  長引く景気の低迷で売り上げが伸び悩んでいたが
  震災による消費の冷え込みが追い打ちをかけたという。
  この先売り上げの回復が見込めないと感じ思い切って店を閉めることにした。
  (藤本さん)
  「売り上げがあがらなければ自分のお金の持ち出しになる。
   それは老後の生活に困るので難しいのではないか。」
  藤本さんは日本に所有する不動産から毎月収入がある。
  年金と合わせれば物価の安いマレーシアでは余裕を持って生活できる。
  留学経験があり得意の英語が生かせることもここでの暮らしを豊かにしている。
  最近は中国語の勉強も始めた。
  (藤本さん) 
  「本当に来てみたら日本にいる時より楽しい。
   いろいろなことができるし本当に来てよかったと思っています。」

  三谷麻子さん(34)と3歳の長男信才くん。
  信才くんの教育のため今年2月からクアラルンプールで親子2人で暮らしている。
  仕事がある夫は東京に残してきた。
  離れ離れで暮らす決断をしたのは
  このまま日本で育てても信才くんの将来が開けないのではないか
  という危機感があったためである。
  (三谷麻子さん)
  「日本だとみんな同じじゃないといけないみたいな暗黒のルールがあって
   将来生きていくために力が育つかがちょっと疑問があった。
   遅くなればなるほど言葉は入らなくなってくると思うので
   英語教育は早い方がいい。」
  信才くんはインターナショナル幼稚園に通わせている。
  クラスメートは
  インドネシアやシンガポール、オーストラリアなどから集まっている。
  通い始めて8か月少しずつ英語が理解できるようになった。
  夫の恭也さんがマレーシアを訪れることができるのは月に1回ほど。
  ふだんはパソコンを使って話をしている。
  三谷さんは当初 現地に全く知り合いがいなかった。
  しかし知り合いも増えここで暮らしていく自信がついたと話している。
  (三谷麻子さん)
  「こういうところで子ども時代を過ごすのは
   すごく子どもにとっていい経験じゃないかと思えたので。 
   自分の意見を伝えるにはどうしたらわかってもらえるかとか
   言葉だけの問題じゃないと思うので
   そういうのも小さいうちから身に着けていってほしいなと思う。」

  震災やグローバル化といった環境の変化を敏感に感じ取り
  海外での生活に新たな可能性を見出す人たち。
  これからさらに増えていきそうな勢いである。

  
  
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