7月28日 NHK「おはよう日本」
海に捨てられたプラスチックごみを魚などが食べてしまう。
それが大きな問題となっている。
そこで今開発が進んでいるのが“魚が食べないレジ袋”。
アイデアを出したのは
海と魚が大好きな高校生たちである。
川崎市にある洗足学園高校。
「実験をします。」
レジ袋を小さく切り刻む。
エサに切れ端を練り込んで魚に与える。
魚はエサは食べるが
切れ端は食べずに吐き出す。
レジ袋の素材に魚が嫌う成分を混ぜたところ
思っていた以上の効果が得られた。
アイデアを出したのは2年生。
地元の海がプラスチックごみであふれていることに心を痛めてきた。
「ストローの外袋のゴミやゴム製の手袋とか。
ポイ捨てされたものを拾うのは出ることだけど
成果が出にくい。
ポリ袋に魚が食べないようにする工夫を入れたらいいのではないか。」
魚が食べないレジ袋にはどんな秘密があるのか。
試行錯誤して見つけたのがデナトニウムという苦み成分である。
デナトニウムは子どもの誤飲を防ぐためおもちゃやゲーム機などに使われている。
人体に影響はないが
なめると苦い味がする。
高校生たちは大学や企業の協力を仰ぎ
さまざまな濃度のデナトニウムを混ぜて実験した。
その結果
デナトニウムを4%ほど混ぜれば
ほとんどの魚が吐き出すことを確認できた。
(洗足学園高校2年生)
「最初は半信半疑だった部分もあったんですけど
一度つついたものを吐き出す様子を自分の目で見ることができて
うれしさというよりも驚きがありました。」。
このアイデアは高く評価され
今年1月の高校生たちによるビジネスコンテストで
洗足学園高校Fishレスキュー隊は準グランプリに選ばれた。
このレジ袋の商品化に企業が乗り出している。
レジ袋の製造販売をしている企業では
1~2年後を目指し
魚が食べないレジ袋を売り出そうとしている。
商品名は「ENERFISH」。
エネルギッシュは魚を取り戻したいという願いを込めて
高校生たちがつけた。
エネルフィッシュは海の中で分解する生分解性の素材で作られる。
分解するまでにかかる時間は1~2年。
その間に魚が食べても吐き出してくれれば
“環境にも魚にも優しいレジ袋“になるのではと考えた。
(シモジマ営業部)
「私たちにはまったくこんな発想は無くて
完全に海に溶ければ
自然に影響がないものができ上るのではないかと期待している。」
高校生たちは今後
海の近くの商店街などでキャンペーンを行ない
魚が食べないレジ袋のことを広く知ってもらおうとしている。
(洗足学園高校2年生)
「何も興味もなくて
プラスチックごみを出したり捨てたりする人に
このレジ袋を知ってもらうことが一番必要と思う。
“こんな簡単なことからできる”というのを伝えていければいい。」
この魚が食べないレジ袋の商品化へのコンゴの課題というのは
できるだけコストを下げること
レジ袋が溶けきるまで苦み成分が残るように調節すること
ということである。