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祇園祭 「山鉾巡行」 規模大幅縮小の影響

2020-08-23 07:03:46 | 報道/ニュース

7月31日 NHK「おはよう日本」


京都三大祭りのひとつ祇園祭は
今年 新型コロナウィルスの影響で
ハイライトの山鉾巡行が中止されるなど規模が大幅に縮小された。
前例のない祭りの規模縮小によって
本来販売されるはずの厄除けのちまきが生産している農家に大量に残されるなど大きな影響が出ている。

京都の夏の風物詩 祇園祭。
災害や疫病から国を守るよう祈ったのが起源で
平安時代初期から受け継がれてきた。
見どころは
色鮮やかな山や鉾が都大路を練り歩く山鉾巡行だが
今年は新型コロナウィルスの影響で中止に。
保存会の代表などが榊を持って市内中心部を練り歩くにとどまった。
鉾のひとつ菊水鉾を担う保存会の事務所。
例年事務所の前には鉾が飾られるが
今年は鉾建ても中止となった。
江戸時代末期に焼失した後
昭和28年に復興した菊水鉾。
これまで40年にわたって菊水鉾の建てを担ってきた竹田さん(84)。
工務店を営む竹田さんは新型コロナウィルスの影響で受注が大幅に減る中
鉾建てへの期待を膨らませてきた。
ところが6月半ばに鉾建て中止の連絡を受けたのである。
倉庫には鉾の柱や縄などが並べられたままになっている。
(工務店経営 竹田さん)
「菊水鉾は一から作るところからやっているので
 それだけに鉾は自分のものという感じてやっているので
 “ハレの日”がなくなってちょっと寂しい気持ちはありますけど。」
保存会の事務所で販売する「ちまき」。
売れ行きも芳しくない。
事務所には売れ残ったちまきが山積みに。
このちまきを30年以上作り続けてきた農家の鳥居大路さん(77)。
鳥居大路さんは保存会から注文を受け
去年11月からちまきを1本ずつ手作りしてきた。
半年間に手掛けたちまきは約5,000本。
しかし山鉾巡行の中止を受けて
保存会は今年5月
ちまきの発注を急遽半分程度に削減したのである。
今年受注したちまきの代金はすべて保存会から支払われたが
蔵には大量のちまきが余ってしまった。
余ったちまきを今後どうするか
見通しが立たない状況である。
(鳥居大路さん)
「寂しい悔しい悲しいというのか
 来年のことを思うと
 まだそれもどうなることかと心配している。」
保存会も
こうした状況がいつまで続くのか不安を抱えている。
(菊水鉾保存会 理事長)
「従来どおりのかたちのお祭りはなかなかできなくなっていくのではと
 ウィルス退散が本来疫病退散という祇園祭の本旨ですので
 ウィルスの負けるというのが悔しいですので。
 来年は負けないよう
 やっつけることを主眼にやらせてほしいと思う。」
新たな取り組みを手探りで始めた保存会もある。
長刀鉾(なぎなたほこ)保存会である。
“くじとらず一番”の鉾として山鉾巡行の先頭を飾ってきた。
この保存会は少しでも損失を食い止めようと
新たにウェブページを起ち上げてちまきのオンライン販売を始めたのである。
パソコンやインターネットなど慣れない作業に四苦八苦している。
(長刀鉾保存会 専務理事)
「我々も恒例なので
 直接来てもらってお渡しするのが一番早いのですが
 万が一のことを考え
 こういうことになった。
 京都の街がにぎやかになることを皆さん望んでいますので
 ぜひとも来年は祭りができるようにしたい。」
感染拡大で大幅な縮小を余儀なくされた今年の祇園祭。
先行きが見えない中
来年にかける思いが膨らんでいる。

 

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