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コロナ禍で広がる店舗のシェア

2021-04-06 07:00:04 | 報道/ニュース

2021年3月16日 NHK「おはよう日本」


新型コロナウィルスの影響で厳しい経営が続き倒産する企業も相次いでいる。
こうした中なんとか利益を確保しようと
店舗の一部や空き時間などを貸し出す取り組みがさまざまな業種に広がっている。

東京 吉祥寺駅近くにある木曜日限定のカフェ。
手作りのケーキが自慢のこの店は2月にオープンした。
経営する中川さん。
ふだんは民間企業で働いているが
副業として始めた。
(中川さん)
「食べてもらって
 うれしそうな顔をしてくれるのはいちばんうれしい。」
じつはこの店は中川さんが別の経営者から定休日だけ借りている。
その際利用したのは「店(てん)タク」と呼ばれるサイトである。
飲食店の業務委託を手掛ける会社が
新型コロナウィルスで影響を受けている人たちを支援しようと2020年12月に開設した。
このサービスは
店舗や空き時間などを貸したい人と借りたい人たちがサイトにそれぞれ無料で登録。
個別に交渉してもらい
合意できれば契約が実現する。
店を貸し出した峯岸さん。
2020年2月にオープンしたが相次ぐ緊急事態宣言で厳しい経営を余儀なくされている。
このため定休日に限って1万2,000円で貸し出すことにしたのである。
(峯岸さん)
「少しでも足しにしたいという思い。
 厳しいですが
 何とか乗り越えていかないと。」
サイトの運営会社によると
貸し出しを希望する登録者は全国で656人。
今年に入ってから新たに400人が登録している。
(運営会社 経営企画部長)
「コロナだから1歩前に出ないのではなくて
 コロナだからみんなで助け合って1歩前に出ましょう。」
さらに貸し出しを希望するのは飲食店だけではない。
横浜市にある脱毛サロン。
このサロンは去年11月にオープンしたが
2度目の緊急事態宣言のあと稼働率は20%まで下がり
売り上げが大幅に落ち込んだ。
(脱毛サロン経営 村山さん)
「お客さんが安定しなくて
 どんどん下がっていくという現状が止められない。」
サロンには2つの部屋があるが1つは全く使われていない。
この部屋を貸し出すことで現状を乗り切りたいと考えている。
(脱毛サロン経営 村山さん)
「うちが脱毛なのでそれ以外の業種
 ネイルとかまつ毛とか
 違う方が入ってもらうことでお互い相乗効果でお客さんを一緒に回し合う。」
家具のショールームを貸し出すところも。
展示する家具も使ってもらい
小売店やリモートワークなどの利用を想定している。
感染の影響で困っている人を支援したいと考えている。
(家具店経営 深澤さん)
「いま新しく自分でお店をやろうと思うのがちょっと勇気がいる時代かな。
 そのすき間を使ってもらうことが出来れば
 場所も有効活用できる。」
個人間で広がるシェアリング。
専門家はこうした動きを歓迎する一方で
個人でのやりとりが中心のため注意が必要だと指摘している。
(「シェアリングエコノミー協会」代表理事 重松さん)
「場所を借りた場合に
 ちょっとしたミスで家具を壊したとか
 そういったトラブルが出ていると思っている。
 仲介業者の中には保険のサービスを具備している会社が多くあるので
 保険でカバーをするといった形でサービスを使ってもらえれば。」



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