2021年3月17日 NHK「おはよう日本」
「夜に駆ける」でデビューしたYOASOBI。
CDを発売することなく去年紅白歌合戦に出場した。
このユニットを生み出した仕掛人が大手音楽会社 ソニーミュージックエンターテインメントにいる。
新規事業の開発を手掛ける屋代さん(31)。
そして楽曲制作の支援を行なう山本さん(32)。
このふたりは同期入社。
2年前 雑談からあるプロジェクトを起ち上げた。
(山本さん)
「そもそも期待されたプロジェクトで始まっているわけではないので
どう反応を得るかも含めて
いろいろチャレンジしていこう。
期待は低いというか ゼロ。」
そのプロジェクトは“小説を音楽にする”というコンセプト。
ミュージックビデオにすることを前提に
一般の人からオリジナル小説を投稿してもらうことにした。
専用サイトには170を超える小説が投稿され
その中から選んだのが
衝撃的な結末を迎える作品だった。
ブラック企業に勤める男性が死神が見える女性と恋に落ちるというものがたりである。
「さよなら」
たった4文字の彼女からのLINE。
それが何を意味しているのか
僕にはすぐに分かった。
この部分を基にできた歌詞が
♪ 「さよなら」だけだった
そのひと言ですべてが分かった
(屋代さん)
「投稿してもらった原作小説を
何か別の形に変えて表現をしていく。
その小説を読んでもらえるための戦略術を考えられる。」
作詞・作曲を依頼したのがAyaseさん。
音声合成ソフト ボーカロイドを駆使する。
ボーカルには当時無名だったが特徴的な声を持つ幾田りらさんを起用した。
次々と新しいメロディーが現れ聴く人を飽きさせないようにしたことで
再生回数が伸びていったという。
曲のヒットを受けて
小説投稿サイトのアクセス数も急増した。
原作の小説を読むことで
“曲の背景を深く知りたい”というニーズが高まった。
今後は従来の小説の形も変えていきたいということである。
(屋代さん)
「小説を文庫本・スマホで読むものだけじゃないという考え方もある。
小説を音楽にして
そこから広がる世界をいろんな人に伝えていく。」
(山本さん)
「YOASOBIらしさ
オリジナリティーにもなる。
そこは大事にしていきたい。」
今後は
自作小説を映画や音楽にできる場として
投稿サイトの方ももっと育てていきたいという。