2021年3月23日 NHK「おはよう日本」
自動車レースの最高峰 F1。
今シーズンから参戦する角田裕毅選手(20)は
F1日本人史上最年少である。
(スクーデリア・アルファタウリ 角田裕毅選手)
「うれしい気持ち。
自分の夢がかなったという実感。
ただF1ドライバーになってからが本当の勝負だと思うので
勝負を待ちきれない思い出いっぱい。」
身長1m60cmと小柄な角田裕毅選手。
去年1つ下のカテゴリーF2では大胆な走りでシーズン総合3位に入り
F1ドライバーの座を手に入れた。
3月開幕戦のテストで行われた合同テストでは18人中2番目のタイムをマーク。
早くもチーム内外から高い評価を受けている。
(スクーデリア・アルファタウリ フランツ・トスト代表)
「彼は特にブレーキングの技術が高く
すばらしいマシンコントロールを発揮している。」
その評価されているブレーキング
コーナーでほかの選手よりもブレーキを遅らせて減速を抑え
抜き去る走りが強みである。
(角田裕毅選手)
「ここまでいったらどういうふうに車が動くのかなと限界点を見つける。」
そのベースとなったのが父 信彰さんの教え。
子どものころカートショップのカリキュラムに参加した時のこと。
(信彰さん)
「まっすぐ走って行って
お兄さんがサイドにいるんだけれど
そのお兄さんのところでブレーキをしなさいよという。」
クッションに向かって走りぎりぎりで止まる訓練で
信彰さんは
“指定されたポイントより奥でブレーキをかけるように“と角田選手に伝えた。
ブレーキが間に合う限界を分からせることである。
(信彰さん)
「ブレーキの感覚というか距離感・物差しが1回で出来るから
あとはそれを調整すればいい。
だから限界を見極めるようにしようねというのは言っていた。」
幼い頃に培った感覚は
F1に上がった今でもコーナリングに生かされているという。
(角田裕毅選手)
「その経験はすごく生きている。
それがなかったら今みたいなドライビングもできていないだろうし。
父との経験はすごく生きている。」
参戦1年目からの活躍に向け
この冬 角田選手が取り組んだのが
首の筋力強化である。
ブレーキをかけたとき首にかかる重力はこれまでのマシンとは比べものにならない。
頭を固定し視野を安定させられれば
持ち味である“攻めの走り”を貫くことができる。
開幕戦では表彰台を目標にする角田選手。
その先には日本人がまだ果たしていない“優勝“を見据えている。
(スクーデリア・アルファタウリ 角田裕毅選手)
「大きなインパクトを与えられるという上では重要なシーズン。
プッシュして
アグレッシブに攻めて
ミスしてもいいから
全周無駄のない
成長していけるようなシーズンにしていきたい。」