2021年3月19日 NHK「おはよう日本」
「ルワンダ中央銀行 総裁日記」。
発行されたのは50年前で
すでに著者は亡くなっている。
1960年代のルワンダを舞台に
経済の建直しを突然託された日本人のウソのような実話である。
「これ面白いですね・・・。
門外漢でもわかるほどひどい状況とめげない総裁。」
「ビジョンを持ち
実行力の卓越。」
「本当に事実は小説より奇なりっていう。」
SNSでも主に若者から共感を呼んでいる。
この本を書いたのは日銀に勤めていた服部正也さん。
46歳だった1965年
国際通貨基金の要請で
ルワンダ中央銀行総裁に突然就任することとなったのである。
当時 外国系の金融機関が既得権益を握っていた。
服部さんの改革に不満を表す白人の経営者にぴしゃりと言い返す。
私は破綻に瀕した財政金融を建直すためにルワンダにきたのだ
現状を打破することが必要で
現状是認は私の任務に反する
逆境を跳ね返していく服部さんの姿が心をつかみ
書籍は通算29版14万部に。
特設コーナーまで設けられている。
(丸善 丸の内店)
「20代後半ぐらいから
幅広く読者層が広がっている感じ。」
服部さんの義理の息子 大西さん。
日銀の後輩でもあって
当時のエピソードをたびたび聞いたという。
なぜいま若者に服部さんの生き方が受けているか。
(著者 服部さんの後輩・義理の息子 大西さん)
「いわば“爽快さ”というのが
財務大臣や計算大臣や国土交通大臣みたいないろいろな権限を大統領から付与されて
次々に自分で考え
自分で実施していく。」
服部さんは現地の人々にも全力でぶつかった。
派閥を作って対立をして仕事をおろそかにしていた現地の行員に訴えかけた。
この銀行はまったくなっていない
私の下にいるからには
早く銀行を立派な中央銀行にすることが君たちの責務なのである
私も君たちが新入日本銀行員であると思って鍛えるつもりだ
(著者 服部さんの後輩・義理の息子 大西さん)
「やはり服部は“現場の人”だと思う。
現地の人々に分け隔てなくはいっていく人間の幅の広さがなければいけない。」
今を生きる私たちは服部さんの姿勢から何を学べるのか。
(著者 服部さんの後輩・義理の息子 大西さん)
「『ここで甘んじていると世の中はそう簡単じゃないぞ』と
若者たちに言いたいのではないか。
我々も学んで
新しい別の逆境に立ち向かっていかないといけない。」