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米社会に必要な移民 どうつなぎ止めるか

2014-04-15 10:30:00 | 海外ネットワーク
4月6日 NHK海外ネットワーク


アメリカ国内の移民はメキシコ系が全体の3割近くを占めている。
母国に戻る人たちも出始めたとはいえ国別の移民の数では群を抜いている。
労働力の担い手としても移民の存在を無視できないアメリカ。
オバマ政権は不法に入国した移民であっても一定の条件を満たせば市民権を与えるという
制度改革の実現を目指していて
大統領は今年の一般教書演説でも移民の役割に期待を示した。
(アメリカ オバマ大統領 1月 一般教書演説)
「“夢をかなえたい”
 “学びたい”
 “文化に貢献したい”
 そういう思いの移民がいるからアメリカは企業にとってより魅力的だ。」
こうした中 とりわけ能力の高い移民を労働力として確保しようと言う企業などの取り組みが始まっている。

南部テキサス州の大手自動車メーカーの工場。
従業員の60%はメキシコなどからの移民である。
しかし全体をまとめ上げる能力のある人材は多くはない。
このためこの工場では早い段階から移民の中で将来幹部になるような人材を育てる取り組みを始めた。
メキシコ系移民の学生が多く通う地元の大学に従業員が出向き
自動車の組み立てのシミュレーションなど実践的な講義を行っている。
このコースの学生には2年間で3万ドルの奨学金を提供し人材を確保しようとしている。
(参加した学生)
「将来この会社に貢献することが僕の夢です。」
(トヨタ 現地工場 人材マネージメント担当者)
「地元コミュニティーへの投資は長期にわたる労働力確保につながる。」
メキシコからの留学生の確保に力を入れている企業もある。
テキサス州の保険会社。
多くのメキシコ系移民の顧客に対応するためメキシコ人は会社にとって重要な戦力。
留学生をインターンとして受け入れスペイン語の資料作りなどを任せている。
将来はメキシコの2倍の初任給で採用することを約束し留学生を引き留めている。
(保険会社 副社長)
「メキシコ人顧客のニーズをきめ細かく理解できるメキシコ人社員が必要。」

アメリカの企業名中にはヒスパニック系住民が多く住む地域の子どもに奨学金を出して
将来の社員を確保しようとしているところもある。

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好況に沸くメキシコ “夢”抱き戻る移民

2014-04-14 08:30:00 | 海外ネットワーク
4月6日 海外ネットワーク


かつてメキシコからは多くの人が移民として大国アメリカに渡って行った。
しかし今その構図が変わってきている。
メキシコの人たちがアメリカから戻り始めているのである。
製造業の拠点としての存在感が高まり経済成長が続いているメキシコ。
メキシカンドリームが人々をひきつけている。
町中にあふれる活気。
高級ブランド品を手に歩く女性。
高層ビルの建設もあちこちで進んでいる。
メキシコでは年3%~5%の経済成長がここ数年続いている。
その背景にあるのが相次ぐ外国企業の進出である。
去年1年間の海外からの投資額は350億ドル(3兆6,000億円余)にのぼり過去最高を記録した。
世界の首脳や経済界のリーダーが集まる今年のダボス会議でもメキシコは存在感を示した。
(米 大手IT企業)
「メキシコに10億ドルの闘志を決めた。」
アメリカのIT企業やスイスの食品メーカーなど世界的な企業が次々に投資計画を発表し
その額は合わせて70億ドルに達した。
(メキシコ ペニャニエト大統領)
「メキシコは世界で重要な役割を担う主人公を目指します。」

アメリカとメキシコの町 ティファナ。
かつて多くのメキシコ人がアメリカンドリームを夢見て国境を超えた。
しかしここ数年 そうした人たちがメキシコに戻り始めている。
アメリカの研究機関の推計によると
1995年~2000年はアメリカに渡るメキシコ人の数はメキシコに戻る人の数を大幅に上回っていた。
しかしその10年後には人の流れが逆転し戻る人が上回った。
そのきっかけのひとつが2008年のリーマンショックだった。
景気が大きく落ち込んだアメリカ。
その一方でメキシコはいち早く景気の回復を果たした。
EUやブラジルなどと自由貿易協定を活用した輸出が経済をけん引したのである。
リーマンショックの翌年にマイナス5%まで落ち込んだ成長率は
わずか2年でプラス5%にまで回復。
それに合わせて多くの移民がメキシコに戻り始めたのである。
メキシコに戻った移民が通る入国手続きの事務所。
ここにはいま就職をあっせんするコーナーが設けられている。
戻った人たちをさらなる経済成長の原動力にしたいメキシコ政府。
NGOと協力し手続きを終えた人たちをその場で労働力として取り込む戦略である。
(米から戻ったメキシコ人)
「メキシコには仕事がたくさんあると実感。
 経験をいかして働きたい。」
(メキシコ移民局 副局長)
「学問・知識なく渡米した人が高度な教育を受けて戻ってくる。
 戻ってくる移民は国の発展の即戦力でるす。」
メキシコに戻った人の中にはアメリカでの経験を生かし成功した人たちも多くいる。
2年前に戻ったミゲル・マンサナーレスさん(48)。
自動車部品メーカーの工場長である。
14歳で渡米し30年近く自動車部品メーカーで働いてきた。
(ミゲル・マンサナーレスさん)
「私たちメキシコ人はのんびりしていると思われていた。
 アメリカでは休まず働くことを叩きこまれた。」
アメリカの市民権を持つマンサナーレスさんに大きな転機が訪れた。
自動車部品のスペシャリストとしての豊富な知識と経験がかわれ
アメリカにあるメーカーのメキシコ進出にあたって現地工場の運営を任されることになったのである。
自分の力を母国のために発揮できるまたとないチャンスだと考え戻ってきた。
英語を話しアメリカのビジネススタイルにも精通したマンサナーレスさんは本社とのやり取りもスムーズにこなす。
アメリカで働いていた時より収入も増え仕事の裁量も大幅に広がった今
再びアメリカに渡るつもりはないと言う。
(ミゲル・マンサナーレスさん)
「メキシコは大きく変わった。
 一生懸命働けば手に入らないものは無くなった。
 私のゴールはメキシコとともに成長すること。」




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「練磨」

2014-04-13 08:21:51 | 編集手帳
4月11日 編集手帳

きのうの午後、
都内を走る電車の座席に腰かけていると、
若い男女の二人連れが前に立った。
新人同士が組になって営業に回る途中、
といった風情である。

車内によく聞こえる声で男性が話す。
「もっと会社の近くに住みたいんですけどね。
 レンマのほうとか」。
レンマ。
さてどのあたりだろう。
「えーと、ネリマ(練馬)?」。
ひと呼吸の間があって、
女性が聞いた。
「あ、そう、ネリマ」と答えた男性の声は少し小さくなっている。

抑揚に関西風の響きがある。
地名の読み方はむずかしい。
関東育ちの人が大阪で暮らしはじめれば、
「 放出(はなてん)」や「 道修町(どしょうまち)」をきっと「ホウシュツ」「ドウシュウチョウ」と読んでしまうことだろう。

サラリーマン川柳に、
〈電話口「 何様なにさま ですか?」と聞く新人〉という句があったのを思い出す。
それは誇張としても、
社会に出たばかりの若い人にとっては、
電話の応対から酒席の作法、
果ては地名の読み方ひとつに至るまで、
ときに内心赤面しながら学んでいく季節に違いない。

「レンマ」という幻の地名を聞いて、
脳裏に「錬磨」の文字が浮かんだ。
一日一日、
磨かれて強くなる。
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ひかり野へ

2014-04-12 11:20:00 | 編集手帳
4月1日 編集手帳

入社して初めて上司に叱責された場所は居酒屋である。
初任地の地方都市に赴任した夜、
支局長がごちそうしてくれた。
好きな物を飲め、
食え、
と気前がいい。

若いから、
ほろ酔い加減になっても腹がすく。
お言葉に甘えて丼物を頼んだところ、
「ばかやろう!」とカミナリが落ちた。
「飯は自分の銭で食うもんだ」。
飯も酒も同じコメ仲間なのにむずかしいものだな…と、
注文を取り消したのを覚えている。

学校では教えてくれないルールが世間にはある。
きょう社会に巣立つ人たちも、
戸惑いながら職場になじんでいくのだろう。

折しも消費増税と重なった。
朝の駅には運賃表の真新しい看板が掲げてある。
初月給までは昼食などのやりくりに手持ちの蓄えで苦労するかも知れないが、
旅立ちの日が日本経済を立て直す変わり目にめぐり合わせたと前向きに考えてみるのもいい。

叱責も挫折も揚力に変える心身の軽やかさが若い人の特権である。
〈ひかり野へ君なら 蝶に乗れるだろう〉( 折笠美秋 )。
丼物の夜から
茫々(ぼうぼう) 三十余年、
いまやモスラにでも乗らなくては宙を舞えぬ身を憂えつつ、
はなむけの言葉とする。
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“社員のやる気を引き出せ”ユニークな社食”

2014-04-11 08:15:00 | ビズ プラス
4月6日 BIZ+SUNDAY


IT企業ヤフーは営業利益を2019年までに2倍にするという目標を打ち出した。
その一環として取り組んだのが社員のやる気やアイデアを引き出す社食作りである。
オフィスにこもりきりにならず外を歩いて気分転換を図ってもらうためにあえて外につくった。
歩くこと5分。
社食プロジェクトのメンバーであるヤフー ソーシャルアクション室 箕輪憲良さん。
「あまり社員食堂みたいにしたくなかったのでこういう雰囲気にした。」
今年1月にオープンし連日満員である。
社員にやる気やアイデアを出させる仕掛けが社食にあちこちに隠されている。
ポイントその①ユニークな空間づくり
「ここは“視点を変えよう”というコンセプトでわざと高いところにつくった。
 普段は社内の会議室でミーティングをやっている。
 アイデアが出ないときにはここに来てもらって
 高さを変えて雰囲気も変えて高い場所で話し合いをするとまた違ったアイデアが出るんじゃないか。」
10人ほどが入れる個室という隠れた空間もあり少人数で打ち合わせにピッタリである。
(社員)
「いろんな席があってチームで来ても会話が弾んでとてもいい。」
「仕事という観念からちょっと外れた気持ちになる。
 意見が結構出たりするのは感じる。」
ポイントその②“時代のキーワード”に触れる
社食のあちこちにモニターを設置。
ツイッターで頻繁に呟かれるキーワードをリアルタイムに表示している。
世の中でどんなことに興味が集まっているのか分かるようにして
さまざまなサービスを生み出すヒントにしてもらおうというのである。
ポイントその③ ランチの値段にも一工夫
この日のメニューは“ハンバーグとチキンのセット 410円”。
(箕輪さん)
「このランチはおいしいだけじゃなく社員をやる気にさせる仕組みが隠されている。」
業績連動型社食というコンセプト。
四半期ごとの営業利益目標を達成した場合に次の四半世紀はランチ代無料になる。
(社員)
「単純に言えば成果が上がればおいしく食べられるしタダになる。
 モチベーションが上がる。」

この社食をつくったのは社長の指示を受けた6人の社員たち。
コンセプトやアイデアを出し合い1年近く話し合って作ったそうである。
(ヤフー ソーシャルアクション室 箕輪憲良さん)
「オフィスだと机とイスが無機質な感じで置いてある。
 わざと不思議な空間だったり
 隣の人と近づいたりワクワクする仕掛け
 刺激を取り混ぜて気持ち的にも前向きになってもらう。
 そういった空間になることを心掛けて作った。」
       

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女性リーダーが企業を変える ②新しい女性管理職の姿“仕事と家庭”両立

2014-04-10 08:15:00 | ビズ プラス
4月6日 BIZ+SUNDAY


大企業で女性のトップが生まれ始めた日本。
しかしまだ世界とは大きな差がある。
管理職に占める女性の割合は11,6%と各国と比べて大きく出遅れている。
政府は今 具体的な数値目標を掲げ女性管理職の活用を成長戦略の柱に据えている。
(1月ダボス会議 安倍首相)
「もしもリーマンブラザーズがリーマンブラザーズ&シスターズだったら
 潰れなかっただろうという人がいる。
 日本は2020年までに指導的地位にある女性の割合を30%にする。」

野村信託銀行の眞保さんに続く世代の中には
女性が持つ感性や経験を活かして活躍するリーダーも生まれている。
大手精密機器メーカーのニコンでマーケテキングチームを率いる山田由香子アシスタントマネージャー(40)。
子育ての経験を新商品の開発に結び付けた。
(ニコン 山田由香子アシスタントマネージャー)
「子どもはカメラを使いたいというけど
 高価なカメラを渡して壊されてしまうといやなので
 なかなか子どもは本物のカメラを使わせてもらえない。
 私としても安心して自分の子どもにも使わせられるカメラをつくりたい。」
山田さんが中心となって開発し人気を呼んでいる子供向けカメラ。
落としても壊れないようにレンズを保護するカバーがついている。
画像をビー玉を通して見たように加工する機能も採用。
写真にメッセージを吹き込み伝言できる機能もあり海外でも好評である。
新商品の開発には山田さんの子どもも一役かった。
カメラを一緒に使う中で開発のヒントを得たという。
(ニコン 山田由香子アシスタントマネージャー)
「家庭があっての私なので
 会社だけではなくて
 家族の協力を得ながら
 両立しながらバランスよく働きたい。
 どちらかに偏ってしまうとそれは不自然な状態になってしまう。
 家庭を楽しく安定させたうえで
 そうあるからこそ会社で楽しく働ける。
 そういう立ち位置で働いていきたい。」
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女性リーダーが企業を変える ①銀行初の女性 社長 総合職第一世代の挑戦

2014-04-10 08:00:00 | ビズ プラス
4月6日 BIZ+SUNDAY


野村信託銀行。
顧客から預かる信託財産は31兆円。
この銀行に4月 業界初の女性社長が誕生した。
眞保智絵社長(48)。
就任にあたって社員一人一人が変化していくことの大切さを訴えた。
(野村信託銀行 眞保智絵社長)
「野村グループは変わることをいとわない会社。
 我々自身の頭で考えて先を見据えて
 変えるべきことは変えるという行動をしていかなければならない。」
(社員)
「同じ女性として応援したい。」
「いろいろな変革が行われていくと思うがいい方向に導いて欲しい。」
眞保さんは1989年 野村証券に入社。
男性と同じ仕事を任される女性総合職第2期生だった。
同期入社は300人。
女性はわずか5人だった。
入社翌年にパンフレットに寄せたメッセージには男性に負けず仕事に打ち込む思いが表れていた。
“野村証券は「10出来る人に15の仕事を与え20遣らないと許されない」会社です”
眞保さんがトレーダーとして働いていた入社5年目は
1日に数十億円の取引を行い朝から晩まで気を抜けない日々。
眞保さんは結婚しても仕事を続ける決意を語っていた。
(当時27歳の眞保智絵さん)
「自分の人生だからもしここで会社を辞めてしまったら
 このあとの『うれしい』『悲しい』ということが
 たとえば夫の何かであったり子どもの何かであったりで
 自分が何かをしたということがすごく少なくなってしまうのでないか。
 まだまだ自分で何かをしたい。」
当時の気持ちを眞保さんはこう振り返った。
(野村信託銀行 眞保智絵社長)
「かなり肩に力が入っていた。
 何か自分が挫折してしまうと『女性はやっぱりダメだな』と言われるのではないかと
 それを恐れる気持ちはすごく強かった。」
その後 眞保さんはアメリカのスタンフォード大学に留学。
夫と知り合い30歳で結婚した。
実力主義の野村証券にあって労をいとわない仕事ぶりが評価された眞保さん。
社長秘書や経営企画部長など会社の中枢を駆け上がっていった。
(野村信託銀行 眞保智絵社長)
「立場が上がるにつれて見える世界が広くなっていく。
 広い世界が見えるということは面白い。
 物事の仕組みやものの道理が少しわかるようになってくる。」
眞保さんは社長になって戸惑ったことがある。
仕事でこれまで使ってきた“鳥海”という旧姓が使いにくくなったことである。
会社の登記に使う社長の名前は戸籍上の氏名しか認められていないためである。
(野村信託銀行 眞保智絵社長)
「今までずっと20年以上“鳥海”で仕事をしてきたので
 混乱して私だとわからないこともあった。
 女性がそういった役職に就くことを想定していない仕組みなのかなと思う。」
女性としてガラスの天井を次々と突き破ってきた眞保さん。
多様な人材がリーダーとして活躍することがこれからの日本企業には欠かせないと考えている。
(野村信託銀行 眞保智絵社長)
「多様な人が意思決定にかかわるというのは
 今まで当たり前だと思われてきたことを壊す可能性がある。
 今までずっと脈々とやってきたことが必ずしもベストではない。
 そこに違う視点が入るということは必ず成長につながる。」








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プエルトリコ経済失速 欧米への影響は

2014-04-09 08:00:00 | 報道/ニュース
4月1日 キャッチ!


中米のタックス・ヘイブン(租税回避地)はイギリス領のケイマン諸島やバージン諸島が有名だが
プエルトリコもその一つである。
特徴は
・アメリカの自治領で通貨は米ドル
・債券購入は無税
・外国企業の法人税が特に優遇されている
といったことがあげられる。
これまで欧米からの資本をもとに高い成長を続けてきたプエルトリコだが今その経済に異変が起きている。

スペイン統治時代の面影を残す町並み。
開放的なビーチ。
プエルトリコには年間400万人の観光客が訪れる。
ビジネスにやってくる人も少なくない。
航空会社社長のガリー・フォスさんはこれまでアメリカのバージン諸島にあった本社をプエルトリコに移転することにした。
決め手となったのがプエルトリコ政府の手厚い支援策である。
ビーチから車で5分の市街地が新たなオフィスである。
賃料の半額をプエルトリコ政府が負担。
税制も優遇されこれまでの4分の1となる。
現在この航空会社の利用客は年間30万人。
プエルトリコで新たに100人を雇用し事業を拡大したいとしている。
(航空会社社長 ガリー・フォスさん)
「これからプエルトリコ政府の積極的な支援を受けて会社をどんどん大きくしたいと思います。」
支援策にひかれプエルトリコに拠点を移す企業は年間100社以上にのぼる。
中でも歓迎されているのが高い技術を持つ企業である。
メキシコの製薬会社も去年工場を建設。
従業員100人を現地で採用した。
プエルトリコ政府が期待しているのがこの雇用である。
新規の雇用人数に応じて補助金を出し外国企業の進出を後押ししている。
さらに進出した企業が持つ技術が高ければ高いほど
それを吸収することで国内産業の発展にもつながると計算しているのである。
(政府関係者)
「プエルトリコはシンガポールやスイスのように安い税金で起業を呼び込んでいます。
 それにより雇用も新たな産業も生まれます。」
外資を呼び込むことで成長してきたプエルトリコの経済。
しかしここにきてその戦略に暗雲が立ち込めている。
(保護者)
「子どもたちの権利を守るために私たちは戦っているのです。」
プエルトリコ北部にある公立小学校。
約200人の生徒が通っている。
ところが今年5キロ以上離れた学校に統合され閉鎖されることが決まった。
理由は政府の財政難である。
実は今プエルトリコでは財政難による公的機関の閉鎖が相次ぎ大きな社会問題になっている。
財政難の最大の原因と考えられているのが過剰な公共投資である。
外国企業を呼び込むためとしてインフラ整備に多額の資金をつぎ込み政府の債務が拡大した。
もうひとつの原因が地元企業の不振である。
外国企業が4%程度という低い税率の優遇を受ける一方で
地元企業の税率は20%近く。
競争力を失って破綻する企業が相次ぎ税収が減少している。
こうしたなか今年2月プエルトリコ政府が発行する債券の格付けが引き下げられ衝撃が走った。
プエルトリコ政府の債権は欧米の金融機関が販売する投資信託など様々な金融商品に組み込まれている。
プエルトリコ経済が破たんすればこうした金融商品の価値も下落し
欧米の経済にも打撃を与えかねない。
政府は公務員の年金や社会保障費を大幅に減らす方針だが
市民の間ではまず外国企業への優遇策を見直すべきだという声が高まっている。
(市民団体代表)
「外国企業はもっと金を払うべきです。
 税率を1%上げればいいと思います。
 国が無駄な投資をやめれば教育などにお金を回せるはずです。」
(経済専門家 ビジャミル氏)
「取り組みb歴ことは多くありますが
 まずは税制を見直すことです。
 このままではお金がなくなり政府は身動きが取れなくなります。」

税制の優遇措置で外資を呼び込み経済成長を続けてきたプエルトリコ。
その戦略が今大きな曲がり角を迎えている。

プエルトリコは40年前から債権を欧米の投資家に販売し続けてきた。
プエルトリコの債権には購入の際 全く税金がかからないため人気も高く
現在プエルトリコが抱えている借金は700億ドルにのぼる。
去年 財政破綻したアメリカのデトロイトの借金の総額が180億ドルだから実にその4倍近くである。
これらの債権が欧米の様々な金融商品(投資信託、年金など)に組み込まれている。
日本の金融機関はそれほど多くのプエルトリコの債権を扱っていないとしているが
年金や生命保険にもプエルトリコの債権が一部組み込まれている可能性もあり
プエルトリコが破たんすればその価値が大きく損なわれるなど影響も大きいと思われる。
そういう状況でも3月半ばに発行されたプエルトリコの債権があっという間に売り切れた。
金利が10%近いドル建ての債権ということもあるが
プエルトリコの債権がよく売れる背景には
多くの投資家がプエルトリコの破たんにはまだ時間がかかると考えていることがある。
プエルトリコがアメリカの一つの州ではなく自治領という特殊な存在だからである。
自治領というのは
外交や軍事面は完全にアメリカに依存しているが経済面では独立性が保たれている。
このため仮に財政破綻に直面していてもデトロイト市のように連邦破産法が適用されず
簡単に破たんすることができないのである。
現在プエルトリコはアメリカの州になることを望んでいるが承認されるには時間がかかる。
自分の資産を切り売りしてでもギリギリまで借金を返さなければならない状況である。
投資家に人気があるため返せる見込みがうすいのにどんどん借金ができるという悪循環に陥っている。
こうした状況が続けば世界経済のリスクが高ることにもなり早急な対応が求められる。

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香港のタクシー 新たな戦略

2014-04-08 08:00:00 | 海外ネットワーク
3月30日 NHK海外ネットワーク

東京都の半分ほどの面積に720万人が暮らす香港。
人口密度は世界でも有数の高さである。
道路は慢性的に渋滞。
市民の足はもっぱら路面電車のトラムや地下鉄。
香港のタクシーに対する旅行者の評価は年々厳しくなってきている。
「タクシーの評価」調査では香港は2011年は3位だったが
2012年は8位
そして2013年は15位と順位を下げてきている。
こうした状況を打開しようと運転手が独自のサービスを行って客のニーズにこたえようという動きが広がっている。

タクシードライバー歴12年の周展図さんはある方法で5年前より収入を1割以上増やした。
8台の携帯電話をフルに活用。
客からの依頼の電話を自分で受け
自らが配車係になって仲間の運転手を紹介することで収入アップにつなげている。
マイカーの台数がこの10年で35%増えた香港。
渋滞は悪化の一途をたどっている。
タクシーを頼んでも長時間待たされたりひどいときには車が来なかったりもする。
(地元の人)
「30分待っても来ないこともある。」
「地下鉄を使うことが多い。」
周さんは個人でタクシーを運転している。
しかし客から直接配車の依頼を受ける方法で約4000人の顧客を抱えるまでになった。
周さんが客から依頼を受ける携帯電話は5台。
客に優先順位をつけるなどして使い分けている。
自分が客を迎えに行けない場合にはスマートフォンの専用アプリを使って数百人の運転手仲間に一斉連絡。
(周展図さん)
「操作は簡単で迎えに行く場所と目的地が表示される。」
周さんも仲間から客を紹介してもらうこともある。
このようにネットワークの中で客を融通し合うことで客待ちの時間を減らし売り上げを伸ばしていったのである。
なじみの客の羅志輝さんは出張で頻繁に郊外の空港を利用するがタクシー会社に依頼時は長い時間待たされることがよくあった。
しかし周さんのタクシーを利用するようになってからは早朝でも深夜でもすぐに駆けつけてくれるため便利になったと言う。
(羅志輝さん)
「空港に行く朝は早起きの必要があるけど家につく15分前に電話してくれます。
 サービスにはとても満足しています。」
周さんのような運転手が評判になっているもう一つの理由が溶菌が安くなることである。
タクシー会社所属の運転手の場合は会社が禁止している料金の割引に周さんたちは応じている。
「15パーセント割り引いて115香港ドルです。」
固定客の獲得につながったり新しい客を紹介してもらったりするので
割引しても売り上げは増加している。
こうした周さんのような運転手は“割引党”と呼ばれている。
今や香港のタクシー運転手約3万人中1万人近くを占めるまでになっている。
(周展図さん)
「古いやり方にこだわっていたら時代に置いていかれる。
 そのへんのタクシーなんて相手にならないよ。」
割引党のあまりの人気に他のタクシー運転手からは“客を奪われた”と不満の声が上がっている。
(一般のタクシー運転手)
「割引党が出てきてから2割ぐらい売り上げが減った。」
さらに香港の議会にあたる立法会でも
“運転しながらスマートフォンを操作するのは危険”
と規制を求める意見も出た。
(議員)
「犠牲者や大事故が無ければ政府は行動をとらないのか。」
しかし香港政府は
“スマートフォンを車内に固定した状態で操作することまでは規制できず”
としている。
また料金の割引の容認している。
周さんは割引党のシステムは客と運転手双方にメリットがあるとして今後も続けていくつもりである。
(周展図さん)
「割引党になってから仲間とチームを組んでサービスできるようになり
 お客さんに喜ばれている。
 利益が出ているので自分も気持ちよく働ける。
 これからも割引党でやっていく。」
昔ながらの運転手のネットワークと最新の通信技術をフルに生かしたタクシーのサービス。
香港でますます広がっていきそうである。

料金を割り引くのはリピーターであることが事実上前提なので
利用者の大半は地元の人である。
一度きりの旅行で利用するのは難しそうだが
最近は中国本土から頻繁に訪れる観光客がこのサービスに気づき始めて利用がさらに広がっている。




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“日の丸液晶メーカー”スピード復活の軌跡

2014-04-07 08:00:00 | ビズ プラス
3月23日 BIZ+SUNDAY


中小型液晶パネル世界シェア
16,2% ジャパンディスプレイ
15,1% シャープ
14,2% LGディスプレイ(韓国)
11,3% 群創光電(台湾)
 7,5% 友達光電(台湾)
35、7% その他

苦戦が続く日本のエレクトロニクス業界にあって世界シェア1位なのがジャパンディスプレイ。
2年前 赤字に苦しんでいた日立製作所、東芝、ソニーの液晶パネル事業を1社に統合。
産業革新機構から2千億円の出資を受けていわば国主導で再スタートをきった。
3月19日 東証第1部への上場を果たしたジャパンディスプレイ。
3社統合から2年。
計画を1年前倒してのスピード上場である。
(ジャパンディスプレイ 大塚周一社長(62))
「“技術で勝ってビジネスで負ける”という日本のエレクトロニクス産業が長い間抱えてきた問題を解決したい。」
ジャパンディスプレイは従業員5700人。
国内に6つの工場を持ち中小型の液晶パネルを製造。
スマホの普及を追い風に業績を伸ばしてきた。

Q,2年前の設立当時は各社の不採算事業を寄せ集めただけじゃないかという指摘もあったが
  そこはバネになったか?

(ジャパンディスプレイ 大塚周一社長)
「統合のときに言われたのは
 『国のお金を使ってどう思っているんだ?』
 『企業の再生をやるんだよね?』
 という言葉をもらって私自身これに対する反感というか燃えるものを感じた。
 従業員に対しても我々は再生じゃない。
 私たちは成長を目的にしてお金を出してもらったんであって
 成長のためにお金を使っていくんだと明確に従業員に語った。」

大塚社長がまず行ったのが能力重視の人事だった。
統合会社にありがちなタスキ掛け人事をやめ
執行役員は出身会社のバランスを考えず選んだ。
その上で大塚社長が何よりも重視するのが経営のスピード。
現場で求められる判断ではその場で結論を出していく。
さらに経営を立て直すためにこだわったのが3社の強みを融合すること。
現在主力の液晶パネルは
画面の見やすさを実現する日立の広視野角
東芝の高精細
ソニーの低消費電力などの技術を組み合わせている。
しかし会社を設立して間もなく大塚社長は厳しい試練に直面した。
大口の取引先だったアップルからの注文が激減したのである。
最新のiPhoneの低迷が原因だった。
そのままでは100億円の赤字に陥る恐れがあった。
大塚社長は取引の望みのあった台湾のメーカーに掛け合いトップセールスで契約を取りつけた。
(ジャパンディスプレイ 大塚周一社長)
「ぜひ社長に会いたいと出向いて行って
 『うちはこれだけいいものを持っている。
  これを使うべきだ。』
 『OK やろう。』と握手した。
 あれはうれしかった。
 そういうときには自分が行って取ってくるんだというこのスピード感というのは実感した。」
大塚社長はかつて大手電機メーカーの半導体事業を統合したエルピーダメモリの取締役を務めていた。
しかし退任後エルピーダメモリが経営破たん。
大塚さんは資金不足で思うような投資が出来なかったことが原因だと分析している。

Q.経営破たんしたエルピーダメモリの経営幹部だったがあそこでの教訓は何か?
(ジャパンディスプレイ 大塚周一社長)
「日本はとにかく強い技術を持っている。
 技術はあるけれども本気になって打って出ようとしたときに出来ない。
 iPhoneやギャラクシーなどの大口のビジネスを取ろうとしたときに
 明快に生産能力がない
 お金がない
 何もできない状況。
 この場合の技術というのは持ち腐れの状態になってしまう。
 ここをなんとかしなければならない。」

エレクトロニクス業界の投資の重要性を痛感している大塚社長は計画を1年以上前倒し手上場に踏み切った。
市場から集めた資金は1200億円にのぼった。
これらの資金を主力工場に投資し最新の中小型液晶パネルの生産能力を世界トップクラスに高める計画である。
ジャパンディスプレイの世界シェアは去年は16%余。
いま韓国メーカーなどの猛追を受けている。
ライバルを引き離す戦略。
大塚社長は今後新興国で普及が見込まれる低価格のスマートフォンに対応した製品を強化するしかないと考えている。
そのため中国市場に精通した人物を経営幹部に招いた。
(台湾の子会社 許社長)
「今 中国では精力的に携帯電話からスマートフォンに移行しています。
 ジャパンディスプレイの製品を売り込むのに今こそチャンスです。」
(ジャパンディスプレイ 大塚周一社長)
「中国のいままで無名だったメーカーがブランドメーカーとして非常に大きく飛躍しようとしている。
 このエネルギーはすごいものを感じる。
 ボリュームゾーン(新興国市場)で勝てなかったら潰れる。
 潰れるというのは最終的には負ける。」

Q.日本のメーカーが技術を持って世界に勝つためには何が必要か?
(ジャパンでディスプレイ 大塚周一社長)
「創業者魂。
 本当に自分たちがどういう姿になりたいか。
 明快にビジョンを持ってその目標に向かって従業員全体のベクトルを合わせて突き進む。
 その精神は重要。
 創業期の会社というのは社長がなんでも物事を決めて
 社長自らセールスマンとして走ったり
 品質の問題を改善したり
 開発のところに足を突っ込んだり
 その動きは何かといったらスピード感。
 このスピード感が出てこないと下からボトムアップの状態で物事が進んでいくのでは勝てない。」











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鶴竜の桜鯛

2014-04-06 20:00:00 | 編集手帳
3月26日 編集手帳

哲学者デカルトの
( 我思う、 ゆえに我あり〉。
それをもじって、
〈我を去る。ゆえに我あり〉。
英文学者の 外山滋比古(とやましげひこ) さんがある随筆に 綴(つづ) った言葉である.

目立とうとせず、
自己主張を控え、
周囲の景色に溶け込むことで逆に、
その人の存在感が重みを増す…という意味だろう。
テレビカメラの前に立てば、
誰もが面白いことの一つも言わねば気の済まない「我が、我が」のご時世である。
我を去る人には、
めったにお目にかかれない.

あえて探せば大相撲のモンゴル出身、
鶴竜関(28)はその一人である。
きょう、
第71代横綱に昇進する.

白鵬のように闘志を表情にみなぎらすわけでもない。
引退した朝青龍のように土俵の外で話題を振りまくわけでもない。
土俵の砂をなめそうな独特の仕切りで客席を沸かせる日馬富士のように、
しぐさの華があるわけでもない。
地味にコツコツを積み重ね、
ゆえにこの日の我あり。
師匠はもちろんのこと、
ファンの感慨もひとしおに違いない.

「 故郷(くに) になしと抱く鶴竜の 桜鯛(さくらだい)」(変哲)。
照れくさそうに、
ちょっとぎこちなく、
桜鯛色に染めた笑顔がきょうは見られることだろう。
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日中関係を守り抜く気迫

2014-04-06 18:00:00 | 編集手帳
3月24日 編集手帳

歴史を巡る中国の激しい日本批判が続く中、
十数年前に、
北京の中南海で聞いた言葉を思い出している。
「中国は、
 歴史で日本国民を刺激してはならない。
 日本は、
 歴史を忘れてはならない」。

日本人記者団を相手に、
当時の首相、
朱鎔基氏は確かにそう語った。
眉がつり上がり、
「鉄腕」、
「剛腕」などの異名をとった宰相の口調は穏やかだった。

その頃の中国のトップ、
江沢民国家主席は、
国内では愛国・反日教育を推進し、
日本には謝罪を求め続けていた。
ところが、
朱氏は、
「歴史」を振り回す中国自身をも戒めたのだ。
発言は、
共産党内外で批判されたという。

2年後、
小泉首相が靖国神社に参拝した。
今度は、
江氏側近の実力者で、
党中央組織部長だった曽慶紅氏が予定通りに訪日し、
日本で「妨害と雑音を排除し、
両国関係を一層発展させなければならない」と話した。

今のところ、
中国の指導者から、
大事な日中関係を守りぬこうとする気迫ある声は聞こえてこない。
党指導部内で進行中という、
習近平国家主席への権力集中と関係はあるのか。
やがてくる雪解けを信じつつも、不安を消せない。
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砂浜

2014-04-05 08:00:00 | 編集手帳
3月20日 編集手帳

吉井勇は帯を解き、
つらい恋を嘆いた。
〈夏の帯 砂(いさご)のうへにながながと解きてかこちぬ身さへ細ると〉。
高浜虚子は、
誰かが戯れに描いた模様に詩を感じた。
〈春の浜大いなる輪が画(か)いてある〉

歌謡曲では、
『 錆(さ)びたナイフ』のマドロスが恋の 亡骸(なきがら) を埋め、
『いい日旅立ち』の旅人は思い出づくりに枯れ木で「さよなら」と書く。
砂浜とは不思議なもので、
たたずむ人をなにがしかの感傷に誘わずにはおかない。

その風景が日本人の心のふるさとだからだろう。
砂浜に親しむ潮干狩りの季節を前に、
いささか気分の重くなる予測である。

温室効果ガスの削減対策を講じないと、
今世紀末には海面が60センチ上昇し、
日本の砂浜の最大85%が消失するという。
国立環境研究所など34の研究機関が発表した。
政府は温暖化の被害を軽減する「適応計画」をつくる予定でいる。
実効ある対策にせよと、
その尻を叩(く予測だろう。

〈石川や浜の 真砂(まさご)は尽きるとも
 世に盗人(ぬすびと)の種はつきまじ〉。
盗賊石川五右衛門の作と伝えられる歌は、
下の句にアクセントを置いて引用されることが多い。
いまは上の句の、
不穏な仮定が気にかかる。
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消費増税を乗り越えろ ③構造改革進める企業

2014-04-04 08:00:00 | ビズ プラス
3月23日 BIZ+SUNDAY


生活用品メーカーのエステー。
主力商品は家庭向けの消臭芳香剤や防虫剤。
駆け込み需要が起きて売り上げが伸びているが来月以降は落ち込むのではと懸念している。
(エステー 鈴木貴子社長)
「消費増税はピンチだと思う。
 駆け込み需要で客はたくさん買い物をする。
 その反動で4月以降は買い物の意欲が失せる。」
そこでこの会社は消費税の引き上げに合わせて4月に新商品を投入することにした。
インテリアにもなるデザイン性を重視した消臭芳香剤。
新たな需要を掘り起こしたいと考えている。
しかし来年には再び消費税の引き上げが予定されるなど販売を取り巻く環境が厳しくなる。
このため会社の構造改革に踏み切ることにした。
現在1500種類を超える商品を数年のうちに40%削減することにしたのである。
今は新年度に削減する商品の最終的な絞り込みを行っている。
(エステー 削減プロジェクトチーム 岡部豊リーダー)
「消臭芳香剤のところのリストを見てもらいたい。
 そこにリストされている商品の削減を確認してほしい。」
「どうしてもラインナップとして必要。
 戦略上個々の商品だけは削れない。」
「利益の数値的にみると非常に低いポジションにあるので
 いつまでにどのくらいの目標を立ててもらって
 そこまでにいかなかったらやはり見直しという形で。」
削減の対象は売り上げや利益の少ない商品である。
そうした商品を減らすことで在庫や広告にかかる費用
そして人件費を減らすことができる。
(エステー 鈴木貴子社長)
「筋肉質でスリムな体質に改善をはかりたい。
 そこで生まれた経営資源を新しい価値を生み出す原動力にしていきたい。」
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消費増税を乗り越えろ 企業の戦略 ②地方の中小スーパーは

2014-04-03 12:30:00 | ビズ プラス
3月23日 BIZ+SUNDAY


一方 地方の中小スーパーは増税による消費落ち込みにどう立ち向かおうとしているのか。
中国地方で23店舗を運営する食品スーパーもエブリイ。
去年の年末 消費増税対策プロジェクトを設けた。
「4月5月は客数を増やすのを最優先。」
増税後に懸念されるのが来店客数の減少である。
これにどう対処するのか社内で何度も議論を重ねてきた。
対策チームのメンバー 柴田昇さんが店長を務める店は厳しい競争にさらされている。
半径3キロ以内には大手を含む競合店が17店。
増税後消費が落ち込めば顧客の争奪戦はさらに激しくなると考えている。
(エブリイ 緑町店 柴田昇店長)
「うちが今後生き残るには
 他のスーパーよりここがいいから行くということをどれだけ理解してもらえるか。」
柴田さんたちが対策の柱になると考えたのが生鮮食品の強化である。
このスーパーでは産地との近さを生かし
4月以降 生鮮食品の鮮度をさらに追及することで顧客を囲い込もうとしている。
(エブリイ 緑町店 柴田昇店長)
「鮮度感とか生鮮の強みを生かした販促が出来れば
 客に魅力を感じてもらえるのではないかと実験をしている。」
魚売り場で今はじめているのが夕方漁港で直接買い付けた鮮魚を翌日の朝には店頭に並べることである。
水揚げから18時間以内に届いた魚しか原則販売しない。
このため欠品もよしとする。
更に精肉売り場でも地元の養鶏場で朝出荷されたブランド鶏の肉がその日の午後には店頭に並ぶ。
通常は2日かかるところを養鶏農家から直接仕入れることで実現した。
総菜や弁当もこうした新鮮な食材を使い売り上げを伸ばそうとしている。
(客)
「魚が新鮮なのと野菜が新鮮なのでいっぱいスーパーはあるけどここに来る。」
(エブリイ 岡崎雅廣社長)
「消費行動が一気にこの2~3か月で変わる可能性がある。
 私どもの店に来てくれるファンを増やす最高の時期だと考えた戦いをしていきたい。」


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