
今の子どもたちには、友だちからの同調圧力が、強く働くのが日常です。
学校生活の中でも、学級集団内のつながりが弱い場合、小グループのなかでの同意をうかがい、自分だけがグループから違った言動をとらないように、気を遣います。
仲間づくりが進んでくると、自分の居場所が定まり、グループよりもっと大きな、クラスぐらいの大きな集団の中で、自分の位置を築くようになるので、同調圧力は弱まり、自分の考えや言いたいことを言える、周りがそれを認めてくれます。
「あの子は、こんな子」とか「みんなが、人それぞれ」と認めてくれる人間関係が広がってきます。
ただし、昔の中学生に比べて、やはり同調圧力が強いという傾向はあると考えなければなりません。
ということは、大人も同様ですが、「それは賛成できない」とか「嫌だ」となかなかストレートに言いにくいという日本人の特性は、やはり考えなければなりません。
相手に頼まれたら嫌だと言えず、愛想笑いを浮かべて、自分の意に反して相手の頼みに、「イエス」と言ってしまいがちです。
「ノー」と言うと、相手に悪いとか相手を不快にしてしまうのでないかと気を遣い、断れない。
でも、相手のことを気遣うということは、自分を犠牲にすることではないはずです。
本当の意味で、相手を気遣うということは、自分も相手も大切にするということでしょう。
自分に正直に「ノー」と言うことが、自分にも相手にとっても、納得がいくようにもっていく人づきあいを、子どもたちにもしてほしいですと思います。
そんなこといったって、実際は難しいねという意見もあるでしょう。
しかし、子どもが自我を確立して、自信ある子(自己肯定感の高い子)にするには、はっきりと「ノー」と言えなければならないのです。