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子育てにおいては、ほめることが有効であるとよく言われます。
たとえば、わが子が野球部の試合で、決勝打を打ち、同点から1点をあげ、チームが勝利した後の家での会話。
「今日は、よく打ったね」と、子どもに直接声かけする。
これは、子どもの自信を高める効果があるでしょう。
しかし、他にもいい方法があります。
お父さんが家に帰ってきたとき、子どもがいる前で、
「あっ、お父さん、おかえり。ちょっと聞いて。この子、今日、同点からヒットを打って、1点が入り、チームが勝ったのよ。わたし、うれしかったわ」
このように、喜びを間接的に子どもに伝える方法も有効です。
直接子どもに伝える方が、自信を高めることができるようですが、間接的伝え方の方が効果的なことが多いのです。
母が、直接的に言うと、子どもは、ほめてもらえたと感じます。
しかし、父というもう一人にも、自分への評価を伝えてくれたという点が、母に対する信頼をつくります。
「そうなんや。やっぱりボクはがんばったんや」と、さらに自信を高めることになります。
ただし、この間接的ほめ方は、子どものよくなかった行為には使ってはいけません。
子どもにすれば、「自分のよくない行ないをチクられた」となります。
父のいる前で、母が自分の至らないことを伝えているのを、本人がどんな気持ちで聞くでしょうか。
そこで、くじけた子どもの気持ちは、後になって、「次はがんばって」といって励ましても、受け入れる余地をもちません。
また、間接的ほめ方は、父ではなく、その子のきょうだい間ではしない方がいいと思います。
きょうだいは、比べられていると感じることになるかもしれないからです。