箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

感情に働きかける

2018年02月11日 13時02分13秒 | 教育・子育てあれこれ



人である以上、「自分のことを認めてほしい」という欲求は誰もがもっています。

承認願望とか承認欲求というものです。

これは、中学生も大人も、みんながもっています。

自分のことをわかってほしい。それは程度にちがいはあっても、すべての人が心に秘めている欲求です。

なので、その欲求を満たすように対人関係をもっていけば、相手から賛同や協力をとりつけることができるとも言えます。

その際、人間は基本的に論理的な存在ではなく、感情的であることに注目したいのです。

私は、教職員に協力を求めるとき、「人は論理で動くのではなく、感情で動く」と考えています。

1700年代のある時期、イギリスではジョージⅡ世が君臨していました。

そのときの側近だった将軍は、アメリカの新大陸に植民地を建設しようとしました。

しかし、ジョージⅡ世は強硬に認めませんでした。財政難が理由でした。

そこで、将軍は国王の感情に訴えるという方法を考えたのでした。

国王の名前を植民地につけますから、という提案をしました。

すると、国王はすぐに資金と人を準備しました。

このようにして、ジョージア州がのちに生まれることになったのでした。

感情に働きかけ、相手の承認願望を充足させ、円滑な人間関係を築く。これは卑怯なやり方ではないのだと思います。

中学生は論理的思考が発達します。
ですから、論理的に納得できるように話しかけることも必要です。

でも、教師が、生徒のことを認め、その生徒の感情に働きかければ、良好な人間関係ができるとも私は思うのです。

「あなたの行動を見ていて、私はうれしかった(悲しかった)よ」とか「私は残念だった」とか「私まで楽しくなった」などが、感情に働きかける言葉です。