今の日本の若い人は「幸福ですか」と聞かれると、YESと答える人は多いです。
でも「将来に期待しますか」に対しては、NOと答える人がものすごく多いそうです。
将来に対しては、どうせ年金をもらえないかもしれないし、所得から考えて結婚ができないだろう、そうすると子どもがいないまま親の介護をしたあと、自分は高齢になり、死んでいくような気がする。
このように20代は思っている人が多いと、最近言われています。
中学校教育にかかわる者としては、いかにして将来に期待させるかは、大きな課題です。
今までなら「大学ぐらい出ていないと、正社員になれない」と言われていたのに、今では就職超氷河期だった世代をはじめ、大卒でも非正規社員を強いられている人は多くいます。
その一方で、ごく一握りの人が成功者とSNSで称えられます。しかしこのレベルに達するのは誰もができるのではなく、大多数の人は低収入に甘んじます。
7年ほど前に「今の小学4年生の年齢の人は、半数が100歳まで生きる」と初めて言われ「人生100年時代」の論拠とされました。
そのひとたちは現在、高校2年生になっています。医療が進歩し、この人たちは、実際に100歳まで生きる可能性があります。
このあと、まだ70年以上生きるのか・・・。
もう絶望しかなく、将来に期待するのは難しい/無理と思うでしょう。
こんな社会に対応するのは個人の努力であると考えるのは、適切ではありません。
将来に期待を持てないのは、個人の努力が足りないからでははなく、社会の構造の問題です。
今後を見通したとき、おそらく一定の努力を強いられ、他者との「競争」は残るでしょう。
しかし、問題なのはいまの日本には、競争に負けたり、失敗して一度そのレールから外れる這い上がってこれないところに問題があるのです。
一度仕事から外れても、職業訓練を受けたり、大学に通う資金の援助が受けられるようなセーフティネット制度が整備されないと、若い人は将来に期待は持てないでしょう。
社会の構造から起きている問題は、国の制度充実が必要です。
この認識を今の中学生はもち、行動を起こせる力をつけてほしい。
そのためには、平素から自分を社会から遠い存在としてとらえるのではなく、今から社会の構成員だという自覚を高めていかなければならないと思うのです。
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