やられる側の人間を美しく描きたい。
画家の故丸木位里さんの言葉です。
丸木さんのふるさとは広島でした。
丸木さんは、つれあいの丸木俊さんとともに、大作『原爆の図』を描きました。
丸木さんはつねにやられる側の立場に立ち、作品を描き続けたのでした。
そのことにより、やられる側の人間の尊厳が際立って見えてきます。
ということは、傷つける側の残虐さが浮き立ってくるのです。
今回の広島でのG7サミットでは、原爆資料館を各国の首脳が訪れました。
核兵器廃絶までの議論には進みませんでしたが、わたしは首脳が実際にヒロシマを訪れて被爆者の話(証言)を聞いたこと自体に意義があると考えます。
学校の修学旅行では、児童生徒は実際に現地に行って、やられた側の当事者の話を聞きとることで、平和を願う気持ちを育みます。
その児童生徒から、卒業後も引き続き平和を願う気持ちを膨らませたり、学習を深めたり、平和のための活動をする人になってくれればいい。
修学旅行は、その機会・きっかけを提供するものです。
G7と修学旅行をいっしょにはできないという考えもあるでしょうが、首脳も児童生徒も同じ人間です。
実際に現地へ行き、原爆被害の実相に触れることから、すべては始まるのです。
遠い国から、ヒロシマのことを聞き及ぶだけでは、伝わらないのです。
答えはいつも現場にあるのです。
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