会社へは通勤して、そこを基本に働くというやり方は、高度経済成長時代の昭和の頃に定着しました。
しかし、昨年から新型コロナウイルス感染防止のため、テレワークやリモートワークが始まりました。
そして、緊急事態宣言が解除され、まだ「アフターコロナ」には遠いものの、「ウイズコロナ」の働き方をどうするのでしょうか。
今までテレワークの仕事が可能な業種で、推進してきた会社はこれからどうするのでしょうか。
<テレワーク継続派>
今までより、業務上の意思伝達は広く、速くなった。このまま続ける。
テレワークをさらに推進し、遠いところへの転勤や単身赴任はやめる。
テレワークを進めるのを基本とし、一定の条件付きで副業も認めていく。
<出社カムバック派>
テレワークを原則としていたが、今後は推奨に下げる。
テレワークは続けるにしても、1割から2割に定めていた出社率という目標はやめる。
では、いまのテレワーク実施の現状はどうなっているのでしょうか。
1回目の緊急事態宣言が出た去年の5月では実施率が30%を超え、約3分の1に迫る勢いで増えました。
ところが、今年7月には20%程度まで下がり、そのまま今まで推移しています。
ということは、おそらくこの2割の中からテレワークを今後も続ける会社が出てくることになるのでしょう。
海外では、経営者側が従業員を会社に戻したいと約7割が考えるが、従業員は働く場所と働く時間に融通をもたせてほしいと考える人が約8~9割いるという調査報告がありました。
ところが日本では、テレワークの普及に従業員はあまり賛成していないようです。
これは、仕事ぶりが公平に評価されないという不満が背景にあるようです。
令和の時代になり、会社経営者は従業員の働き方にどう柔軟性をもたせるかが問われているのだと思います。
さて、学校教育の分野では、GIGAスクール構想が打ち出され、リモート授業、オンライン授業が増えてはいますが、それは緊急対応上のことです。
また、家庭学習と学校の学習をつないだり、学校の授業の中でICTも活用しますが、教育の本質は「対面式」にあります。
これは時代が今後どう変わっても、すべての教育活動がリモートに置き換わることはない不動の原理でしょう。
友だちといっしょに学習したり、学校生活を送り、泣いたり、笑ったりする。人生の師としての教師の指導があり、ときとしてその子の生き方にまで影響することもあります。
教育の本質は、直に人と出会うことにあります。
あるWebサイトには、直接話をする中で、先生からもらった言葉が自分の生きる支えになり、先生への感謝を綴ったメッセージが紹介されています。
○「今まで、先生がきみたちにおくってきた『ことば』を自分のものにできたとき、本当の『たからもの』になる。」
<注釈>小学校の卒業の日に先生がくれた言葉です。齢を重ねるたび、「たからもの」が増えてきます。今度は、私が誰かに、この「ことばのたからもの」を継承していけたらと思います。
○「大切なのは今どこにいるかではなく、どこに向かっているかである。」
<注釈>高校時代、進路のことで悩んでいたときに、担任の先生からもらった言葉です。目先のことばかり考えていましたが、将来を見つめる良いきっかけになりました。
○「私たちの生活のすべては、先人の知恵で成り立っている。」
<注釈>中学時代、校長先生がくださった言葉です。「私たちの先祖のおかげで今があることを忘れず、後生のためになるなにかを残せる人になりなさい」と。今でも折に触れて思い出し、先人たちの知恵に感謝しています。
メールやSNSで意思疎通をすることが少なくない今の時代だからこそ、直に会うことの価値がかえって鮮やかに色づくように思います。