友だちは、中学生が学校生活を送るうえでたいへん重要であるのは言うまでもないことです。
私が、中学生と接してきて思う友だち関係については、次のような特徴があります。
① おたがいに気をつかいあう関係
親しみやすく、好感度が高く、誰からも好かれる人物を求め、自分もそういう人物でありたいと願います。
その点で、他者から自分がどう思われているかに、大きな関心を寄せます。
そのため、ありのままの自分を出すことを恐れ、嫌われないように気を遣う友だち関係にずっと終始します。
また、いっしょにいることや行動を共にすることが友だちだと思い我慢するから、かなりストレスが本人にかかってきます。
②「ちがうもの」を外に追いやる関係
おたがいが気を遣いあって、グループの調和を維持しているので、その調和を崩したりする人を、追い出そうとする傾向があります。
「あの子、変わってるよね」といわれることを恐れます。
その意味で、ちがいを認め合い、自立した個人として尊重し合う仲間関係が生まれにくいと言えます。
③友だち関係が切れることへの心配
孤立、一人っきりになることを、常に恐れます。
無視されないか心配なので、メールやSNSで常につながっておきたいという気持ちが強まります。
無視されそうになると、理由がわからくても「とにかく謝っておこう」という行動になったりします。
④人間関係が深まるのも苦手
関係が切れることはいやである。
かといって、必要以上に深まるのもよしとしない。
深まると自分のことを相手が何でも知るようになり、それも困る。相手との濃すぎる関係もよしとしない。
極端に言えば、以上のような友だち関係が、今日の一般的な傾向です。こうした対人関係の特徴は、おとな社会でも多かれ少なかれ同じようにみられるのかもしれません。
もっとも、中学生のこの友だち関係は、学校の集団を育てる取り組みにより、一定程度解消され、集団として、個人として適正な人間関係に成長していきます。
ただ、今の中学生の友だち関係の一般的な傾向として、学校の教職員はもちろん、親御さんも踏まえておくのがいいと思います。
知っていて、生徒やわが子に接するのと、知らずに接するのとでは、かかわりの意味が大きく違います。
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