この4月から教諭になった学校の教員にとって、初任者研修は、教員としての力をつけていく大切な機会です。
そもそも、この3月まで大学生だった人は、在学中に学校現場で研修を一定程度積み、4月から学校に着任して、バリバリ働くという研修制度は学校の教員の場合、ありません。
4月1日よりいきなり「学校の先生」として、教職経験の豊かな教員に混ざって奮闘することになります。子どもや保護者からは、「せんせい」と呼ばれます。
そして、現場に着任してから、研修が本格化します。
この研修は教育委員会が「官制研修」として主催します。
研修日の午後には、初任者は学校を離れてて、集合型の初任者研修会に出席します。
研修会は、年間に13回ほど開催されます。その度ごとに、研修場所まで移動していました。
たとえば、大阪府箕面市の小中学校の初任者は、府内をブロックに分けた一つ、豊能地区(池田市、豊中市、箕面市、能勢町、豊能町)の一つの会場に、一堂に集まり、研修を受けます。
ところが、今年度は、今回の新型コロナウイルス感染防止のため、現在、集合型研修をせず、リモート研修に変更になっています。
それで、研修がどうなったかと言えば、講師の講演を聞く研修なら、リモートで十分できるということが明らかになってきています。
参加者は、講演を聴いてレポートを提出します。質問があれば、チャットに書き込めば、回答をもらえます。
主催者も会場確保をしなくてすみます。会場までの旅費(交通費)も支給せずにすみます。
また、初任者は受け持ちの子どもを置いて、学校を離れるということをしなくてすみます。
今後も、オンライン研修会は、新型コロナウイルスがおさまっても、続いていくのではないかと、私は考えます。
ただ、オンライン研修は、主催者からの一方通行の情報提供になりがちになりがちです。
だから、初任者のニーズが高い教育項目を研修内容にとりあげるとか、教育委員会のなかでも、若手職員が研修課題を設定するなどの工夫が必要になるでしょう。
さらに、教職は、多様な子どもと接し、保護者からの理解・協力を得るなど、ある意味で対人関係の専門職という側面があります。
対面して、相手の表情や所作・雰囲気などを見て、言葉を交わしていき、コミュニケーションのスキルを上げていきます。
その仕事内容を考えれば、オンラインではなく、リアルな対話を身につける研修が必要です。
今後は、オンライン研修でいい部分とリアルでしか見ることのできない部分の、両方のメリットを効果的に展開する教員研修が求められるようになるでしょう。
また、教職にかかわらず、企業の入社面接や新人研修も、オンラインでいける部分とリアルでしかいけない部分の両方のメリットを組み合わせて、効果的な方法が用いられることになるでしょう。
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