夢をもつことは大切なことで、幼稚園の子も卒園式で修了証書をもらうと、「お花屋さんになりたい」「サッカー選手になりたい」・・・と言います。
小学校の卒業式でも、卒業証書をもらうときに、「ぼくはお医者さんになります」「わたしはケーキ屋さんになりたいです」などと、式場で宣言します。
ところが、中学生になるともっと現実的になり、自分の現状と理想の自分の隔たりを客観的に見るようになり、あまり夢を言わなくなったりするようです。
それは、それでしかたのないことかもしれません。
でも、それは自分の可能性を否定していると考えることができます。
夢はもっていても、どこかで「叶うわけないよね」と諦めているのです。
なぜ諦めるのでしょうか。
その子の周辺に成功した人がいないからかもしれません。
でも、そのとき、もし家族や親せきや知り合いにその子のめざす、夢を実現した人物像があればリアリティが増してきます。
しかし、考えてみれば、そもそもリアリティのないのが夢なのです。
このように考えれば、子どもの身近に具体例があることが重要になります。
つまり、近未来の「ロールモデル」になる人が必要です。
自分もこうやってがんばったら、あの人のようになれるというお手本です。
校長をしているとき、「医師になりたい」という夢を子どものときから持っている生徒がいました。今も高校で医師になるため医学部をめざして、勉学に励んでいます。
その生徒は、おじさんが医師でした。小学生のとき、その人に相談して、医師になりたいという夢を膨らませたのでした。
その生徒は中学3年のとき、次のように言っていました。
「小学6年生の夏休み、長崎でいとこに言われたことは、今でもはっきりと覚えている。
『夢が医師とは本当にすごか。自分は周りに流されてこの道に入ったけん。夢を持つことは、とても立派だと思う』。
いとこの言葉は、僕に勇気をくれ、将来の夢がより具体的になった。・・・・・」
だから、近くにどんな人がいるかが、お手本にできる人がいるだけで、夢はグッとその子に近づいてきます。
不確実な時代で、閉塞感が漂う今の時代であるからこそ、夢実現という目標を立て、それに向けて努力を重ねることの意味は輝きを増してきます。
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