私が中高生の頃は、わからない言葉や表現にでくわしたとき、辞書を引くことが圧倒的に多かったものです。
授業でも辞書の引き方の指導を受けました。
私の場合は英語専攻志望でしたので、英和辞典については学研の『アンカー英和辞典』を携行し、手垢がつくほど活用しました。
今でも、その辞書は持っています。
教職についてからも、25年ほど前までは『国語実用辞典』を新たに購入して、文書を書くときに、漢字を調べたり、言い回しを調べたりしていました。
しかし、今はもっぱらインターネットを使い、紙の辞書は使わなくなりました。
この傾向はわたしにとどまらず、いまは多くの人がネットで調べるようになりました。
いまは「インターネットの検索サイトで検索する」が6割ごえとなり、「辞書アプリ」を使うが4割近く(複数回答)で、「紙の辞書を使う」が25%ほどです。
2012年度は、「紙の辞書を使う」が5割近くでもっとも多かったのです。
つまり、この10年間で、ネットで調べるがいちばん多くなっているのです。
ただし、ネット情報には、その人の言語感覚で正しい表現として発信しているものも混在しています。
とくに語句の読みや慣用句の使われ方が、本来の使われ方とはちがっていても正解としている例が散見されます。
もちろん、本来の使い方がぜったいに正しいとは言いきれません。
わたしは中学校の国語の授業のとき、「全然」には「〜ない」という否定語がつくと教わりました。
でも、いまは否定語をつけない使い方も一般的になっています。
「やばい」という言葉は、いまは若い人びとを中心に「すごい」という意味で使われています。
しかし、今年の正月の地震では津波が押し寄せるのを見て、本来の「具合が悪い」とか「危ない」という使い方で叫びを聞きました。
本来の使い方も健在であるのです。
言葉は時代の流れとともに、変化していくものです。
ただし、新聞での漢字や言い回しの使い方は、本来の使い方を守り書かれていることが多いです。
今後は、インターネットを活用しながらも、新聞の紙媒体での表現を参考にして、日本語を使っていく必要があると思います。
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