2日間、展覧会を3つ回る。
写真は左から
国芳*¹、 中国青銅器の展覧会*²、 それとゴヤ*³。
とても見応えのあるものだった。
また、夜間を利用したので
混雑も避けることができた。歌川国芳展図録P.30
国芳は、春画が出ていればなお良かったのだが
この国でそんなこと、期待できるはずもない。
細かい描き込みと、うねった構図
化け物をやたら大きく描く
むちゃくちゃなスケール感が大好きだ。
国芳の前に
中国青銅器の展覧会「神秘のデザイン」を見た。
これが、紀元前10世紀とか
そんなとほうもない時代のものだったから、
19世紀の国芳を、
ほとんど自分と同世代に思えて可笑しくなった。
そう。
紀元前10世紀ともなると
そのデザインはあまりにもプリミティブで
想像をはるかにこえる。
執拗に呪術的、野性的、怪獣的。
自由ってこういうことか
ゴヤは
あまりにも残酷な絵や版画もあり
途中で少し気分が悪くなる。
以前見たホラー映画、
「サイレントヒル」*4 の1シーンを思い出す。
暗闇の中
空中で引き裂かれる肉塊の肌色が
その闇の中で ほんの一瞬だけぼっと見える。
あれはゴヤ
ゴヤの魔女の絵。
そういえば、映画も魔女狩りの話しだったっけ。
そして
この絵にやられた。
「マリア・ホセファ内親王」*5
この絵のある部屋に入った時から
もう眼についてしょうがなかった。
遠目では、やけに髪の多い婦人だなって
ようするに黒い部分を髪の毛だと思っていたが
近づいたら塗りかけの背景だった。
地がオレンジなんですね。
このオレンジ色が本当に綺麗で
黒とのコントラストが見事で、
写実的な顔と背景のべた塗りの関係も魅力的で
この絵の前から離れられなくなった。
習作なので
通常は、この状態からさらに描き進めるのだろう。
これは本来塗りつぶされてしまう一瞬?
見ることができて本当に幸せを感じる。
久しぶりだ。
こんなに幸せを感じるなんて!!
*1 http://kuniyoshi.exhn.jp/
*2 http://www.sen-oku.or.jp/tokyo/
*3 http://www.goya2011.com/
*4 SILENT HILL. 2006 http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tydt/id324033/
*5 Maria Josefa de Borbon y Sajonia,infanta de Espana1800
https://michika-6.wixsite.com/michiyokamei