「キャプテン・フィリップス」
ソマリア海域を通る大型のコンテナ船が、地元の海賊(元は漁師たち)に襲われる事実を元にした映画。
心理戦でハラハラさせられる映画と思っていたのですが、それよりも、海賊に選ばれたキャストの人たちが、迫真の演技で映画と分かっていても怖かった。
なんというか、ハリウッド映画によく出る悪役ではなく、野生のコヨーテに遭遇したような、言葉が通じないような、本気で撃つんだろうな、というような恐怖。
キャプテンのフィリップスは乗組員を機関室の奥へ隠れさせ、被害を最小限に食い止めさせようとする。しかし、海賊たちも小さなお金で帰るつもりはない・・・。
考えてみると、無政府状態となり、漁場を奪われた彼らは、食べていくために、魚ではなく、違う漁をしているのだ、という考えなのだろう。
ちいさな漁船で大きなコンテナ船を襲う姿は、そのままソマリアという国とアメリカという国のようにも見えてくる。