La douce vie

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「虚ろな十字架」東野圭吾

2019-02-13 | book/comic
ある夫婦の家に強盗が入り、子供が殺害される。夫婦は取り調べを受けるが、やがて、犯人は捕まり、裁判にかけられる。
今までのパターンの小説であれば、この導入部分だけでも1つの小説で成り立つけれど、淡々と物語は進み、刑事事件の捜査や裁判の経緯やその間の夫婦や犯人の心境変化が簡潔に描かれている。
そして、その夫婦のその後の物語に進んでいくのですが、その選択も理解できるものだった。

しばらく、東野作品が読めなかったのは、「人の悪意」が作品の根底に流れているものを何作か読んだ後、そういう系統の作品を読む気力が無くなってしまったからだと思う。この作品に関して言うと、悪意というより、短絡的というか、思慮のなさというか。それはそれで違う恐ろしさを感じた。

今までの東野圭吾さんの作品からいうと「手紙」の加害者家族にスポットを当てられたものがあったけれど、今回は被害者遺族にスポットを当てたものではないかと思う。