「僕はね、可能ならば見せてあげたかったですよ。彼女、一生外国へ出られないかもしれないでしょ。」
中井拉致問題担当相兼国家公安委員長の言です。
「何が問題なんですか?」と記者に問い返す様子はあまり感じの良いものではなかったけれど、
「(ヘリでの移動は)観光目的もあったのではないか」との問いに答えたこの言葉には、
「あまりにも気の毒ではないか」との気持ちが見える。
こんな風に言われると、何となくそんな風に言うこちらが、ひどい人間のような気がしてくる。
なのに、何だか釈然としない。何故だろう。
誤魔化されてますよね、確実に。
これ、詐欺商法にはまった瞬間と同じです。
「可能ならば見せてあげたい」もう見せた後で、こう言っています。
「あまりに気の毒だから何かしてあげたい、というのは当たり前の感情だろう。何故なら、彼女はもう外国へは行けないだろうから。(一人の人間が自由に生きられないのだぞ!)」言外にそう言っています。
「もう一生、どこへも行けないで朽ち果てるかもしれない。それではあまりに可哀想だ。せめて日本に来た時、ほんの少しだけでも、空中散歩を楽しませてあげようと思うのが、そんなに悪いことか?」
でも、おかしいですよ。韓国から見ても、日本の拉致被害者の家族から見ても。
まず、元工作員は何のために来たのか。いや、何のために呼んだのか。
拉致被害者に関する新たな情報があるから?違うでしょう。彼女はあれ以来、ずっと韓国にいる。
では、再調査のため?それは何もしてない。では、何のため?言うまでもない。「拉致被害者の家族を勇気付けるため」ですよね。それしか考えられない。
「信じて待っていて下さいね。必ず生きていますよ。」
この一言は、とても貴重です。拉致被害者の家族にとって千金に価する一言です。
では、彼女はそれを家族会に伝えることを希求して、日本政府に訴え続けてきたのか。そして、念願がやっとかなったのか。
いや、「彼女が来たかった」から、来たのではない。来たかったとしても彼女の力では無理です。
呼ばれたのです。今年初めには来る予定で、民主党政権が韓国政府と調整していたことは明らかになっています。
一個人の別荘に宿泊し、そこに決められた数名の被害者家族を招く。ヘリでの空中散歩もセット。
けれど、他の被害者の写真を見せて、確認をしたい、という「特定失踪者調査会」の荒木和博氏の行動は、阻まれた。
呼んだのは民主党政権であり、目的は家族会の数名に「必ず生きてますよ」と励ましの声をかけることであり、ついでに観光もさせてやる事であり、でも、新たに、失踪者から拉致被害者への認定は許さず、再調査も事情聴取も全くしない。
恩赦を受けた、とはいえ、115人の韓国人を殺害した犯人であり、それが故の「元死刑囚」であり、韓国の遺族に謝罪もしていない人物であり、本来は入国の許されない者、が、何故、「励ましの言葉を伝えるという目的のため」だけに、来られたのか。
前鳩山政権が、韓国と交渉したからでしょう?
「あのような、特殊な国の状態の中で、生まれ育ち、テロを行う、という工作員になったことは、あまりにも気の毒だ。」
テレビでそんなこと言ってるコメンテーターもいました。
冗談じゃない。
じゃ、115人は犬死にだ、と?115人の幸せな生活は「気の毒な一人の工作員」の命よりも軽いのか?
国家に在って、その国のために、命を捨てる。「工作員」というのは、便衣(私服)の軍人、兵士、ではないのですか?
彼女は軍人、兵士として、所期目的を遂行し、逃げ切るところを運悪く捕まってしまった。
任務を遂行したのだから、115人の命をうばったのは、多大なる戦果として、讃えられるべきこと、の筈です。
そして、捕まったのなら、既に、その時点で死者です。生ける屍、です。自殺する可能性大。だから、猿ぐつわをかませて、舌を噛み切らせないようにしたのです。
そういう人物を、「超法規的措置」として、日本に連れて来て、「必ず生きてますよ」と言わせる。それ以外は何もない。
つまり、これは、民主党政権の人気浮揚政策以外の何ものでもない。
さて、では、何故、私は初め、「こっちの方が酷い人間のような気がした」のか。
これを書いているうちに気がつきました。
質問が、「パフォーマンスではないか」、に終始していたことと、その際の裏付けが「あまりにも多額の資金が遣われたのではないか」「この金は国民の税金ではないか」ということでしかなかったからです。
「我々の大事な税金を『こんなこと』のために無駄遣いしてよいのか」
という立脚点からの質問でしかなかったため、大臣から
「何でもかんでも金、金、といやらしいこと、言うんじゃないよ」
と切り返され、足を払われたから、です。
彼も彼だが、我も我、だった。
「人気取りのためのパフォーマンス」を追及するのに、
「お金がもったいないじゃないか」。
これでは、同レベルです。
本当は違いますよね?家族会だって、そこまでして会わせてくれ、と頼んだ筈はない。国に頼るしかないから、合わせているだけでしょう?
追及する記者は、「115名もの民間人を死に至らしめた人物を入国させることについて、政府は道義的にどう捉えているのか」ということだけを、問うべきではなかったでしょうか。
哨戒艦の件については、直接の関係もないのに「先頭に立って抗議する」と言った民主党政権です。直接関係のある人物は超法規的措置で受け入れる。どう考えても、筋が通りません。「先頭に立って」発言は、入国させるために、韓国にゴマを摺った?それは、軽重のバランスが無茶苦茶です。
中井拉致問題担当相兼国家公安委員長の言です。
「何が問題なんですか?」と記者に問い返す様子はあまり感じの良いものではなかったけれど、
「(ヘリでの移動は)観光目的もあったのではないか」との問いに答えたこの言葉には、
「あまりにも気の毒ではないか」との気持ちが見える。
こんな風に言われると、何となくそんな風に言うこちらが、ひどい人間のような気がしてくる。
なのに、何だか釈然としない。何故だろう。
誤魔化されてますよね、確実に。
これ、詐欺商法にはまった瞬間と同じです。
「可能ならば見せてあげたい」もう見せた後で、こう言っています。
「あまりに気の毒だから何かしてあげたい、というのは当たり前の感情だろう。何故なら、彼女はもう外国へは行けないだろうから。(一人の人間が自由に生きられないのだぞ!)」言外にそう言っています。
「もう一生、どこへも行けないで朽ち果てるかもしれない。それではあまりに可哀想だ。せめて日本に来た時、ほんの少しだけでも、空中散歩を楽しませてあげようと思うのが、そんなに悪いことか?」
でも、おかしいですよ。韓国から見ても、日本の拉致被害者の家族から見ても。
まず、元工作員は何のために来たのか。いや、何のために呼んだのか。
拉致被害者に関する新たな情報があるから?違うでしょう。彼女はあれ以来、ずっと韓国にいる。
では、再調査のため?それは何もしてない。では、何のため?言うまでもない。「拉致被害者の家族を勇気付けるため」ですよね。それしか考えられない。
「信じて待っていて下さいね。必ず生きていますよ。」
この一言は、とても貴重です。拉致被害者の家族にとって千金に価する一言です。
では、彼女はそれを家族会に伝えることを希求して、日本政府に訴え続けてきたのか。そして、念願がやっとかなったのか。
いや、「彼女が来たかった」から、来たのではない。来たかったとしても彼女の力では無理です。
呼ばれたのです。今年初めには来る予定で、民主党政権が韓国政府と調整していたことは明らかになっています。
一個人の別荘に宿泊し、そこに決められた数名の被害者家族を招く。ヘリでの空中散歩もセット。
けれど、他の被害者の写真を見せて、確認をしたい、という「特定失踪者調査会」の荒木和博氏の行動は、阻まれた。
呼んだのは民主党政権であり、目的は家族会の数名に「必ず生きてますよ」と励ましの声をかけることであり、ついでに観光もさせてやる事であり、でも、新たに、失踪者から拉致被害者への認定は許さず、再調査も事情聴取も全くしない。
恩赦を受けた、とはいえ、115人の韓国人を殺害した犯人であり、それが故の「元死刑囚」であり、韓国の遺族に謝罪もしていない人物であり、本来は入国の許されない者、が、何故、「励ましの言葉を伝えるという目的のため」だけに、来られたのか。
前鳩山政権が、韓国と交渉したからでしょう?
「あのような、特殊な国の状態の中で、生まれ育ち、テロを行う、という工作員になったことは、あまりにも気の毒だ。」
テレビでそんなこと言ってるコメンテーターもいました。
冗談じゃない。
じゃ、115人は犬死にだ、と?115人の幸せな生活は「気の毒な一人の工作員」の命よりも軽いのか?
国家に在って、その国のために、命を捨てる。「工作員」というのは、便衣(私服)の軍人、兵士、ではないのですか?
彼女は軍人、兵士として、所期目的を遂行し、逃げ切るところを運悪く捕まってしまった。
任務を遂行したのだから、115人の命をうばったのは、多大なる戦果として、讃えられるべきこと、の筈です。
そして、捕まったのなら、既に、その時点で死者です。生ける屍、です。自殺する可能性大。だから、猿ぐつわをかませて、舌を噛み切らせないようにしたのです。
そういう人物を、「超法規的措置」として、日本に連れて来て、「必ず生きてますよ」と言わせる。それ以外は何もない。
つまり、これは、民主党政権の人気浮揚政策以外の何ものでもない。
さて、では、何故、私は初め、「こっちの方が酷い人間のような気がした」のか。
これを書いているうちに気がつきました。
質問が、「パフォーマンスではないか」、に終始していたことと、その際の裏付けが「あまりにも多額の資金が遣われたのではないか」「この金は国民の税金ではないか」ということでしかなかったからです。
「我々の大事な税金を『こんなこと』のために無駄遣いしてよいのか」
という立脚点からの質問でしかなかったため、大臣から
「何でもかんでも金、金、といやらしいこと、言うんじゃないよ」
と切り返され、足を払われたから、です。
彼も彼だが、我も我、だった。
「人気取りのためのパフォーマンス」を追及するのに、
「お金がもったいないじゃないか」。
これでは、同レベルです。
本当は違いますよね?家族会だって、そこまでして会わせてくれ、と頼んだ筈はない。国に頼るしかないから、合わせているだけでしょう?
追及する記者は、「115名もの民間人を死に至らしめた人物を入国させることについて、政府は道義的にどう捉えているのか」ということだけを、問うべきではなかったでしょうか。
哨戒艦の件については、直接の関係もないのに「先頭に立って抗議する」と言った民主党政権です。直接関係のある人物は超法規的措置で受け入れる。どう考えても、筋が通りません。「先頭に立って」発言は、入国させるために、韓国にゴマを摺った?それは、軽重のバランスが無茶苦茶です。