CubとSRと

ただの日記

「特攻隊」という言葉を世界は本当に揶揄しているのか?

2022年07月26日 | 日々の暮らし
書評 BOOKREVIEW 
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 特攻隊への畏怖と敬意、世界の著名人は精神を貶める真似はしなかった
  日本の偽知識人が戦争史観を歪ませ、特攻隊精神を踏みにじった

    ♪♪
吉本貞昭『世界が語る大東亜戦争と東京裁判』(ハート出版)
同   『世界が語る神風特別攻撃隊』(同)
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 世界の政治家、知識人、軍人等が日本の歴史的な意義を語った。それぞれ、とくに雄弁でないが、真実を謙虚に見直そうとする真摯な要求、知的好奇心にもとづき、発言を繰り出した。これらの真実の証言は戦後、左翼メディアや敗戦利得者によって消された。
 過去の有名人らの発言録を体系的にまとめるという離れ業のような作業に著者は十年を費やしたとう。二冊とも十年前に世に出たが、古本市場でしか入手できない状況が続き、新著版として再登場となった。

 大東亜戦争はあきらかに日本が巻き込まれたもので、英米の謀略の結果である。
 チャーチルは欧州戦線にてこずってアジア戦線では米国の軍事支援が不可欠だった。ルーズベルトは反戦ムードの米国世論を欺し、一気に参戦するためには日本に第一撃をさせるトリックに血道をあげた。
 しかし戦争宣言前に米国は蒋介石援助ルートを設営し、かつ志願兵を装って空軍をフライイングタイガーとして派遣していた。米国は日本へ鉄くず、石油全面禁輸の措置を講じた。このような「敵対行為」は、事実上、米国が軍事介入したことと同義であり、「中立主義の違反」だとパール博士は「日本無罪論」で展開した。靖国神社の中庭に通じる場所にパール博士の石碑が建立されている。
 当事者だったウエデマイヤー陸軍大将がいみじくも証言を遺した。
 当時、かれは、無能の前任者スティルウェルと交代したばかりの米軍中国戦線司令官であり、蒋介石付参謀長の立場である。

 「1941年7月26日、ルーズベルトは日本に対して経済的な制裁を加えたが、この制裁は、日中事変の勃発当初であったなら中国をたすけたかもしれなかったが、1941年7月では、もはや中国にとってなんの利益にもならなかった。いまや、こうした制裁は中国をたすけるためではなく、日本を戦争に挑発するためであり、イギリスの勢力を維持するために、どうしたらアメリカを参戦させられるかという、ルーズベルトのジレンマを解決するために使用されていた」のだ(東京裁判、196p)

 神風特攻隊の精神、その驚異的なスピリットは世界に感動を運び、魂を震撼させた。マルロォが、アイバンモリスが、誰々が、某々が賞賛した。しかし日本人自らが、このことを忘れ、深いに眠りについていた。特攻隊を賞賛したのは、敵側の軍人、史家に多い特徴があるが、他方、中国人のように現世しかない人生観の国では、精神的な理解ができないから特攻隊を評価した者はいない。
 現に安倍晋三元首相の暗殺に中国ネチズンは『万歳』『お祝い』とネットで叫び、黙?(黙祷?)を言った香港の女性記者批判の記事が溢れた。死者の霊魂を信じていないから、こういう冒涜的行為が出来るのだ。
 戦後は犬死、無駄死とあしざまに言われた。ところが米軍の機密文書が公開されて、特攻隊が犬死にどころが、驚異的な戦果を挙げていたことが判明した。
 米海軍秘密文書によれば命中率39%。至近距離自爆被害17%、合計56%である。レイテ沖27%、沖縄戦13・5。全特攻作戦の奏功率21%だった。
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
      令和四年(2022)7月25日(月曜日)
          通巻第7413号 より

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 特攻隊、特に「神風特攻隊」を、当時の米軍は大変恐れたという話を聞いたことがある。
 それからしばらくして、「その割に被害は少ない」こと、「操縦技術に習熟してない若者が多かったので、大した戦果は挙げてない」ことなど、結局は命を粗末にした狂気の作戦であったという結論が導き出され、「太平洋戦争」は間違った負けるべくして負けた戦いであった、と。

 「被害は少ない」「戦果も上がってない」のに、「米軍は大変恐れた」というのは米軍はただの小心者の集まりであった、と米軍自らが認めていたということになる。西欧人は結構強い相手に対してはそれなりの敬意を払う連中だ、と思うが。
 少なくとも虫けらのような相手を倒したって、決して自慢にはならない、と考える。共産主義者なら、既存社会は存在そのものが否定されるべきものだから、そこに所属する者はただ虫けらのごとく踏み潰すべきもの、となるのだが。
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四回目

2022年07月25日 | 日々の暮らし
 7月16日(土)

 昨晩は2時に寝て、今朝起きたのは6時半。今日は四回目のワクチン接種の日。
 ワクチン接種をするというのに睡眠不足なんて。ツーリングだって朝の散歩だって十分に睡眠をとって体調を整えておかなければ、無駄に危険を招くことになる。副反応のあるワクチン接種なんてことになると、猶更なのに。
 何でそんなことになったかというと、言うまでもない、前日酒を飲んで転寝をしてしまったから。自業自得だ。
 なんて今になって殊勝なことを言っても、「だから変更。別の日に」というわけにはいかない。

 接種予定の2時に間に合うように、と思って行ってみたら、いつもカブを置いているところが満員だ。自転車一台ずつ停められるように引かれた白線があるんだけどあくまでも自転車用。大型バイクは言うまでもなく、原付だって白線二本分を占領しなければ停められない。
 そこにスクーターが行儀よく白線二本分ずつに並んで停められ、ダメ押しにモトグッチが一台。これは三本分占領する。
 しょうがない。もう一つ上の図書館の駐輪場へ行く。こちらも一杯だったがこっちは行儀が悪かったので少し動かせば何とかなる。三台分くらいの場所に斜めに停めてあったスクーターを少し動かし、カブを押し込む。

 今回は四回目。
 初め二回はサッカー競技場。三回目と今回は北区内のホール。ファイザーが二回、モデルナが二回。
 なのだが、不思議なことに回を重ねるにつれて応対の時間が長くなり、注射も痛くなる。
 それぞれほんの僅かな差なのだが、一回目は全く痛くない、刺さったことにも気づかないくらいだったのが、次は蚊に刺されたような「チクッ」の「チ(ッ)」くらいの痛み。三回目ははっきり「チクッ」。
 そして今回は「チクッ」と痛くて、それが0,5秒くらい続いた。

 だからどっちにしたって大したことはないのだが、「これ、明日、筋肉痛みたいなのがあるだろうな」という予感はあった。

 応対に時間がかかるようになったのは当然のことだ、とも言える。一、二回目は65歳以上がほとんどだったからだ。提出書類も全員同じなわけで、事務処理は画一化されていた。
 が、三回目以降は受ける受けないは本人の自由意志。ワクチンの有効性に疑問の声が上がり、「怪しいワクチンよりPCR検査の方が重要」という、まるで検査を受ければセーフ、みたいな声も結構聞こえてきた。

 手続きが煩雑になり、若いうちは感染しても軽症で終わる(事実、若年層は重症化する例はほとんどなかった)から、となかなか接種を受けない。だからと言って凡ミスは許されないのだから、時間がかかるようになって当然。

 大体がこのワクチン、ワクチンとしての効力は70~80%と言ってなかったか。予防効果はとにかく、重症化を防ぐということでは効果が高い。だから高齢者や持病のある、耐性よりも体力に不安のある者は接種すべき、と言っていた。
 それがいつの間にか「ワクチンを打ったのに感染した。効果はないんじゃないか」「却って感染者と同じように高熱が出て味覚がおかしくなって~」というような話ばかりが喧伝される。
 「犬が人を噛んでもニュースにはならないが、人が犬を噛んだらニュースになる」と同じ仕組みなのに、「人が犬を噛んだ」ニュースばかりがテレビニュースのトップを飾る。「本日の感染者は先週の同じ曜日と比べて○○倍」ということばかり聞かされる。

 「ウィルスだって人を殺そうと思って感染するのではない(そうすれば自分も死滅することになるのだから)。ウィルス自身が生き延び、繁栄するために感染力はますます高くなる分、毒性(⇒人を死に至らしめる)は低くなるのが自然の摂理だ」と言ったのは京大准教の宮沢先生だったか。
 これが「道理」というものだろう。

 今、「これまでのワクチンが効かないウィルスに置き換わっているから、それの大流行は当然、感染者数を激増させることになる。毒性が低くなっているとしても患者の絶対数が増えるなら、重症者数・死者数は増えるのが当然」という説がテレビ画面、新聞紙面に躍っている。
 けれど、これまでのワクチンが全く効かない変異株が蔓延した後、今更強毒化にシフトする、というのはまさか「自然の摂理」ではあるまい。

 また大脱線しているぞ。
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参院選

2022年07月24日 | 日々の暮らし
 7月10日(日)

 それにしても10代の投票率が30%台(35%足らず)とは何ともはや。
 とは言え、全体だって52%ほどだが。

 しかし本当のところ、参議院は「良識の府」、衆議院は「民意(民衆)の府」であるべきで、「ただ衆議院の暴走を抑える」だけなら大して存在意義はない。
 「良識の府」だから、そこに政党色が入るのはおかしい。個々の議員の「良識」を以てする発言こそが国会(国民議会)に光・ヒントを与え、国政(実質、衆議院が決定する)が、より高い志に向くことを促す。それが参議院の仕事だろう。
 そうなると政党名を書くんじゃなくて候補者名を書くべきだし、「比例代表制とは何事だ!」となる。

 貴族院を廃止させたGHQは、初め一院制を目指していた。
 朝廷の参議に発する明治時代からの「参議」の職は、「貴族院」として(良く言えば)拡大充実されていたため、いきなり言われるがままに廃止すれば混乱する。
 「漢字の廃止」とか「靖国神社をなくし、跡地はドッグレース場にする」とか、今でさえ?な政策案の数々のうちの一つ。
 アメリカは州の自治が優先だから、二院にする必要があるが、敗戦国日本の早急な復興を考えれば一院の方が機能的、とかなんとか。

 「貴族院」(或いは参議院)をなくしたからって日本がなくなるわけではない。けれど、これまでの「日本」ではなくなる。
 例えば、漢字を廃止してこれまでの書物が読めなくなれば。
 数十年後、日本人は日本の歴史をはじめとする全てが分からなくなる。読めなければ、知らないのだから分かることもない。数百年前も数十年前のことも一括して「昔々」。

 西欧では彼らの「来し方」を尋ねるためにはラテン語を学ぶしかないし、ラテン語で書かれている部分でしか尋ねようがない。古い書物はラテン語で書かれているものしか存在しない。
 そしてエジプト文字の解読や楔形文字の解読は西欧人の「歴史」の究明に直結はしない。
 日本では誰でも当人の僅かな努力で簡単に究明することができる。
 明治の頃から、やっと一般的に教えられ始めた自国の文字だけを使うことに決めた隣国が、数十年たった今、どうなっているか。改めて説明するまでもない。

 また思わぬ方向へ行こうとしている。
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暗殺

2022年07月23日 | 日々の暮らし
 7月8日(金)
 近鉄西大寺駅前。3メートルの至近距離から2発(手製の散弾銃)、撃たれる。
 首に穴。ほぼ同時に心肺停止となり、そのままヘリで緊急手当てをしながら病院に搬送。
 
 そんなバカなことがあるか。
 犯人は山上徹也(41)。元海上自衛隊。
 5時過ぎ、手当ての甲斐もなく安倍元総理死亡。

 今日はそれで、昼前から今10時過ぎに至るまで、教育テレビ・テレビ大阪・Jチャンネル以外はすべて番組変更。この事件一色に塗り潰された。
 何でも今日あたり大地震が起きて日本は大変なことになる、壊滅的な打撃を受ける、という未来人の明かした大事件の予言があるらしいのだが、大地震が起きた形跡はない。安倍元総理の射殺されたのが「大地震」だったのか?


 段々に分かってきたところでは、安倍元総理の政治信条云々には関係なく、或る宗教団体と親しいと思い込んで、のことだったという。それで殺すつもりだった、と。
 でも、或る宗教団体、って何だ?安倍元総理に信心があったとは思えないが。

 教団への私怨からならば、何故突然、元総理に怨みが向けられなければならないのか。そして何故、わざわざ「元総理の政治信条云々」とは関係ない、と(それも一番初めに)いう必要があったのか。
 言えば言うほど何かを発表する前の鳩山元総理のように「誰に言い含められたか」と推量せざるを得なくなる。
 別件で、犯人は「海自」も二十年前、それも三年間で退役しているわけで、となると「元海自だから~」は話にならないのじゃないかと思う。


 翌日から、「或る宗教団体」とは「統一教会」のことだ、と今度は急に「統一教会」の名前がテレビ、ネットで躍り出した。
 ネットで騒がれたから知らん顔ができなくなったのか、それとも協会の中心人物が早々に弁明をしたからか、とにかく「統一教会」が「霊感商法」が「自己破産するまで献金」、ばかりが目に入るようになる。安倍元総理の暗殺理由解明はどこへ行ったのだ。

 なぜ「国際勝共連合」の方向から説明しようとしないのか。
 朝鮮で統一教会の文鮮明によって作られたのだから、「統一教会」の方からだけ叩けばいいと思っているわけでもないだろうに。
 
 朝鮮戦争で米軍はchina共産党や、ソ連の教育を受けた北朝鮮軍と戦った。日本を占領統治中のGHQは、早い話が直接初めて「共産党軍」と戦うことになった。
 そこで米国は、共産党軍がこれまであった既成の軍隊とは異質のものだと痛感することになる。考え方が全く違うからだ。
 軍隊というのは国益を守り、追究するためにある。しかし共産党軍は「共産主義を実現する」ためにある。まずは「既成社会を破壊する」のが仕事、だから、戦い方にタブーは一切ない。守るべき「国」の概念がなく、実現されるべき共産主義社会は、まだない。存在しないものを創出するためにそこを「更地」にする。
 国の「誇り」も「自負」もないから、「名誉心」なんてないし「共産主義思想のために死ぬ」、という考えも、実はない。まだ「理想である共産主義社会」は現実にはない、のだから。
 あったとしたらそれは「共産主義のために~」ではなく「共産主義社会を実現させようとしている(現実の)指導者のために~」と解釈(統括)される。

 そんな恐ろしい連中を、今後、実質の勝者である米国が御していかねばならない。
 「敗戦国日本と、日本の統治下にあった(併合されていた)朝鮮半島に、米国と同じく、反共団体を作って活動させよう」。
 というわけで、アメリカの肝煎りで、李承晩を大統領にしたのと同じように、文鮮明に「(国際)勝共連合」を作らせた。同じく岸信介に同様の団体を日本にも作らせるため、文鮮明の活動に便宜を図ってやるよう指示してくる。

 だから、「国際」勝共連合は米・日・韓の「連合」ということだ。米国の指示で作られた共産主義思想の蔓延を防ぐことを目的に作られた団体だ。
 岸信介が「アメリカのエージェント」となるのは当然のことで、でもそれは敗戦国の指導者として当然採るべき国復興の次善の策だった。
 
 ところが「勝共連合」として「共産主義に勝利する」ための活動はまともに行われたとは言い難い。
 李承晩が「アメリカの後ろ盾を得て、日本に対して何をしたか」、を思い出せば文鮮明が「アメリカの後ろ盾を得て、日本に対して何をしたか」、は容易に想像できる。

 それでも書いておきたいのは、1970年、「70年安保(自動継続)」の前。
 大阪万博や三島由紀夫の事件であまり人々の口の端に上らなくなったが、学生運動は続いており、共産主義革命にシンパシーを感じる日本人は今とは比較にならないほど多かった。
 その時は、まだ「勝共連合」の名前は革命阻止の旗印の一つとして見られていたという事実だ。


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日本に迫る危機をリアルに知り

2022年07月22日 | 心の持ち様
日本に迫る危機をリアルに知り
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桜林 美佐

【安倍晋三と自衛隊】自衛官が「誇り」を持つのが悲願だった安倍元首相  日本に迫る危機をリアルに知り…危険を顧みずめざした任務完遂 


 安倍晋三元首相が凶弾に倒れて10日が過ぎた。憲政史上最長の首相在任期間中、日米同盟を強化し、中国などの権威主義国家に対峙(たいじ)する
「自由で開かれたインド太平洋」構想を提唱して、自由主義諸国の戦略をリードした。憲法に自衛隊を明記することで違憲論争に終止符を打ち、自衛官が誇りを持って任務を全うする環境をつくることを悲願としていた。警察による「警備の失敗」と、犯人が「元海上自衛官」という痛恨。テロを煽るような空気をつくった、一部の人々の憎悪の言葉とは。安倍氏への取材経験を持つ、防衛問題研究家の桜林美佐氏が迫った。

       ◇
 世の中には「言葉」という凶器がある。「泥棒に入られても命は奪われないが、ひどい言葉は人を死に追いやることができる」と、好きな作家の本に書いてあった。

 この言葉による激しい攻撃を常に受け、見事に跳ねのけていた安倍元首相に、何と銃弾が命中した。必死の救命措置もかなわず、安倍氏は亡くなった。

 銃撃の理由はどうあれ、「アベ死ね」などという教唆に等しい言語環境があり、暴力が正当化されてもおかしくない空気があったことは確かだ。「集団イジメ」に加担した人たちが「暴力は許さない」「民主主義への挑戦」などと、この事件を言い表していることに虚しさを感じている。

 本気で、安倍氏を恐れている人たちもいた。
「あの人は日本を『戦争をする国』にしてしまうんですよね」
 そんなささやき声が、テレビに強く影響を受ける主婦層からだけでなく、発信元であるメディア関係者からも聞こえることがあった。明確な理由がないのに、印象論で「軍国主義者」であるかのような風説が流布された。

 安倍氏の非業の死によって、多くの日本人は「いかに安倍氏を知らなかったか」と理解したのではないか。
 何より悔しいのは、安倍氏が最も敬意を払っていた、命懸けで国民のために働く「警察」と「自衛隊」が、安倍氏を死に導いてしまったことだ。

 これまで日本が安全だったのは、警察力によって危険が未然に防がれていたことが多々あったはずだ。今回の「警備の失敗」で、組織全体が積み上げてきた努力が、一瞬にして水泡に帰すこととなった。
 また、約20年前の所属とはいえ、「元海上自衛官」による犯行であったことは、自衛隊にも痛恨の極みだった。

 元隊員だからといって、銃の取り扱いや、まして銃製造ができるということはない。その後、母親と宗教との関係が報道の中心になったが、当初の自衛官であったこととの関連をにおわせる報道は、明らかにミスリードだ。一方で「元自衛官」の経歴は消えないことも肝に銘じなければならない。

 3年間の任期制隊員だから、自衛隊にとってどうでもいい存在だということは全くない。「士」という階級から、次のステップ「曹」に昇任する壁が高くなっている。自衛官を続けたくても辞めざるを得ない隊員が毎年何人も涙ながらに去っていくのである。このことはあまり知られていない。
 現在、募集難が言われているのは、まさにこの任期制隊員を指している。高卒の若者が減っていることや、将来への約束がない短期雇用ということもあり、確保が困難になっているのだ。

 警察や消防などへの再就職といった危機管理組織内での人事運用の融通性や、自衛官の経験を活かした再就職先の確保などが求められるが、限られた予算や法制度の内でできることは限定的だ。いずれにしても、自衛隊にとって、実は最も求められている人たちなのである。
 たとえ3年であれ、30年であれ「元自衛官」であることに変わりはない。だからこそ、彼らが辞めて社会に出たときに、誇りを持ち、胸を張って「元自衛官です」と言ってもらわなくてはならないのだ。


■日本に迫る危機をリアルに知り任務完遂めざしたのは安倍氏自身

 そのためにも、憲法への自衛隊明記を進めようとしたのが、他ならぬ安倍氏だった。
 安倍氏は、自衛隊の「服務の宣誓」について人々によく話していた。自身の目の前で、多くの自衛官がこれを行ったからだ。
 「わが国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し…」から始まる宣誓は、最後に「事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえることを誓います」で締めくくられる。
 安倍氏は、隊員がこの宣誓をする度に重く受け止めた。そして、「片時も、この彼らの決意を忘れてはならない」とも言っていた。

 自衛隊の最高指揮官は、いざとなれば隊員に死地に赴くことを「命じる」立場だ。有事になれば約25万人の生死、その家族の運命は首相のひと言で左右される。だからこそ、その事態にさせないための「絶対的な抑止力の確保が必要だ」と安倍氏は考えた。
 単なる感情ではない、日本に迫る危機をリアルに知っていたからこそ、全力でさまざまな改革を行ったのだ。

 つまり、誰よりも危険を顧みず、任務完遂に向けて行動していたのは安倍氏自身だったのだ。

■桜林 美佐(さくらばやし・みさ) 防衛問題研究家。1970年、東京都生まれ。日本大学芸術学部卒。フリーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を制作後、防衛・安全保障問題を取材・執筆。著書に『日本に自衛隊がいてよかった』(産経新聞出版)、『自衛官の心意気』(PHP研究所)、『誰も語らなかった防衛産業』(並木書房)など。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
松本市 久保田 康文 

夕刊フジ【zakzak】ニュース採録








 わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン
               頂門の一針 6205号
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 2022(令和4年)年 7月21日(木) より
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