宮城の農業普及現地活動情報

県内9つの農業改良普及センターから,地域の特色ある取組や,宮城を元気にする農業普及情報をお届けします!

収量・食味とも有望なそば新品種「にじゆたか」を味わいました

2011年12月02日 16時06分15秒 | 農村地域の振興に向けた取組支援

 

村田町姥ヶ懐地区は,3集落で構成され,1戸あたり耕作面積は1haに満たない山あいの農村地域です。かつては葉たばこの作付面積割合が高かったのですが,高齢化等により,ほとんどが葉たばこ経営を中止し,畑地の多くが遊休化している状況でした。

 地区内では,「たまゆら郷そば生産組合」が活動しており,葉たばこ跡地等耕作放棄地の再生利用を進めながら,そば畑約10haを管理しています。生産されたそばは,組合で製粉し,「たまゆらのそば」として,東北自動車道のサービスエリアや地域内のそば店に供給され,地元特産として喜ばれています。

 ところが,品種交雑が進んでいるほか,そばは湿害に弱く台風等大雨の影響を受け収穫量が安定しないことから,組合では新品種の導入を模索しており,(独行)東北農業研究センターが育成した有望品種「にじゆたか」を今年試作しました。「にじゆたか」は茎が太く倒伏しにくい上に,大粒で揃いがよいという特長が全国から注目されている新品種です。

 たばこ乾燥舎を活用した組合の交流施設で,11月19日に新品種試食会が開催され,品種育成者の(独行)東北農業研究センター由比氏を招き,村田町産業振興課長をはじめ町会議員,商工会関係者,地元の協力者等30名が出席しました。今までの品種と比べて,「にじゆたか」は甘み・コシがあって香りがよいという評価が得られました。組合では「にじゆたかの種子を増殖し,2年後には100%の作付を目指したい」と意気込みを語っていました。

 普及センターでは,「たまゆら郷そば生産組合」をプロジェクト課題の活動対象に位置づけ,地域活性化,遊休未利用地の解消に向け,関係機関と協力し今後も支援していきます。 


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