宮城の農業普及現地活動情報

県内9つの農業改良普及センターから,地域の特色ある取組や,宮城を元気にする農業普及情報をお届けします!

みやぎの震災復興に向け,蔵王のいちご出荷スタート!

2011年12月21日 11時04分25秒 | 安全安心な農畜産物の生産に取り組む経営

  12月9日,JAみやぎ仙南蔵王地区本部において,蔵王地区いちご部会出荷目揃い会が開催されました。   
  蔵王地区のいちご生産者は,品種を全面転換して平成22年度より宮城県オリジナル品種「もういっこ」に統一し,技術の平準化と品質向上に努力しています。しかしいちごの「炭そ病」発生に悩む生産者もいたことから,普及センターでは防除指導を重点的に行い,特に一緒に作業にあたる配偶者の病害虫防除知識を高めることをねらいとして,夫婦一緒の研修会出席などを働きかけてきました。その結果,今年は病害をほぼ克服することができる段階に至っています。
 出荷目揃い会では,蔵王地区いちご部会の佐藤部会長が「震災の影響で沿岸部のいちご栽培面積が大幅に減ってしまったが,その分もがんばろう。放射能検査はパスしたし,農薬の安全使用にも留意願う。」とあいさつ。その後,JA全農みやぎから,蔵王地区のいちご苗を亘理地区に提供いただき感謝の旨が,また仙台市場担当者からは全国のイチゴ生産量と価格の動向,異物混入防止を,そして当農業改良普及センターからは病害虫防除の再徹底を呼びかけました。
 当日,査定された真っ赤ないちごを前に,各生産者はおいしいいちごの出荷に決意を新たにしていました。

 

〈連絡先〉

大河原農業改良普及センター  先進技術第二班 
TEL:0224-53-3431 FAX:0224-53-3138


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今年も西洋野菜の出荷が始まりました!(西洋野菜出荷目揃い会)

2011年12月21日 10時58分28秒 | 安全安心な農畜産物の生産に取り組む経営

JAみやぎ仙南西洋野菜研究会では,イタリアの伝統野菜「プンタレッラ」を中心に,さまざまな西洋野菜の栽培に取り組んでいます。12月6日,出荷規格を統一した高品質なプンタレッラの出荷を目指し,JA丸森地区本部において出荷目揃い会が開催されました。

出荷目揃い会では,主要出荷先である仙台市場の(株)庄定と,築地市場の東京シティ青果(株)の担当者より出荷規格についての説明が行われ,会員が持ち寄ったプンタレッラをもとに品質や規格の確認を行いました。また,普及センターと農業・園芸総合研究所からは,今後の栽培管理や病害虫防除についての指導を行いました。研究会員は熱心に講師の話に耳を傾け,活発な質疑応答や意見交換が行われていました。

 市場担当者からは,今年は秋季が温暖でなかなか寒くならなかったため,11月までは冬野菜の需要が非常に少なく,冬野菜のイメージが定着しているプンタレッラの需要も少なかったとのことでした。しかし12月に入ってようやく寒くなり,今後は需要が増えると予想されるため,良品質なプンタレッラの安定供給に期待しているとの話がありました。

 プンタレッラは今年は早生種7アール,晩生種44アールの計51アールが栽培されており,早生種は11月中旬から一部出荷が開始しています。夏の猛暑で出蕾が不良だった昨年に比べ,今年の作柄は病害虫の発生も少なく,出蕾状況は良好で,品質の良いプンタレッラの安定出荷が期待できます。

 また,プンタレッラ以外にもカーボロネーロ,フェンネル,トレビスが11月上旬から出荷されており,12月下旬頃からはタルディーボの出荷も開始します。出荷目揃い会と同日の午前中には,タルディーボの軟白処理研修も開催されました。

プンタレッラの出荷は来年3月頃まで続きます。普及センターでは,今後も関係機関と連携を図りながら,高品質なプンタレッラの安定生産・出荷の支援を行っていきます。

 

〈連絡先〉

大河原農業改良普及センター  先進技術第二班 

TEL0224-53-3431 FAX0224-53-3138


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ツルムラサキ産地の復興を目指して

2011年12月21日 10時54分07秒 | 安全安心な農畜産物の生産に取り組む経営

ツルムラサキは昭和50年代後半から蔵王町で栽培が開始され,現在は蔵王町を中心に仙南地域で広く栽培されており,本県の特産野菜となっています。JAみやぎ仙南ではツルムラサキ部会を組織しており,部会員数80名,栽培面積6.7ha,出荷量279t,販売金額7千5百万円(平成21年度実績)で,全国でも有数のツルムラサキ産地となっています。

ツルムラサキはカロチンや鉄分,カルシウムなどの栄養分が豊富な健康野菜で,葉菜類の出荷が減少する夏季に安価で安定供給できる葉菜として人気があり,本県産のツルムラサキは市場から高い評価を得ています。

しかし,10年ほど前から連作によりネコブセンチュウの被害が拡大し,近年の出荷量は最盛期の約50%程度にまで落ち込んでいました。ツルムラサキはマイナー作物であるため登録農薬が少なく,ネコブセンチュウに効果の高い農薬がほとんどない状況となっています。

そこで今年度,マイナー作物農薬登録拡大事業を活用し,農薬メーカーから協力を得て,殺センチュウ剤のツルムラサキへの登録拡大試験に取り組みました。試験は蔵王町のネコブセンチュウ多発ほ場で実施しましたが,殺センチュウ剤を処理した区では被害程度が減少してツルムラサキの生育が良好になるとともに,土壌中のネコブセンチュウ数も減少するなど,高い効果が確認できました。

現在,試験結果をもとに申請手続きを進めており,近年中の登録拡大を目指しています。さらに平成24年度には,より高い殺センチュウ効果が期待できる土壌消毒剤の登録拡大試験にも取り組む予定です。

普及センターでは,出荷量全国第一位に向けたツルムラサキ産地の復興を目指して,今後もネコブセンチュウ対策を中心としたツルムラサキの安定生産支援に積極的に取り組んでいきます。

〈連絡先〉

河原農業改良普及センター  先進技術第二班

TEL0224-53-3431 FAX0224-53-3138

 


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夏秋いちごの安定生産と経営向上を目指して

2011年12月21日 10時45分05秒 | 競争力のあるアグリビジネス経営体の育成

七ヶ宿町の農業生産法人・有限会社(もり)のいちご(代表取締役:山口雅之氏)は平成17年に設立され,国産のいちごが不足する夏季を中心に,業務用いちごの生産出荷に取り組んでいます。現在の経営規模は62アールで,省エネ技術である空気膜二重構造ハウスや,栽植密度の向上が可能なダブル栽培ベッドなど,新技術を積極的に導入して先進的な農業経営を行っています。

11月1日・2日に東京ビッグサイトで開催された「地方銀行フードセレクション2011」に(有)杜のいちごも出展し,夏秋いちごの販路拡大に向けPR活動を行いました。

出展したいちごは四季成り性品種の「すずあかね」で,夏季でも大玉で比較的糖度が高く,果皮が硬くて日持ち性や輸送性に優れる優良品種です。(有)杜のいちごでは一昨年から「すずあかね」を導入し,夏季高温時においても高品質ないちごの安定生産を実現しています。フードセレクションでは多くの訪問者が訪れ,展示されたいちごの美しさに目を見張っており,新たな販売先の展開が期待されました。

業務用いちごは年間を通じて需要がありますが,国内のいちご生産は冬~春季に大きく偏っているため,夏季は大部分が輸入いちごに頼っている現状です。しかし品質面や安全面,輸送性の観点から,夏秋期の国産いちごの需要は年々高まっているため,夏秋いちごは今後有望な経営品目だと考えられます。

仙南地域には夏秋いちごの大規模生産法人が3つあり,3法人の栽培面積は合計約2.4ヘクタールで,県内第一位の夏秋いちご産地となっています。普及センターでは,これら3法人のアグリビジネス経営体への発展に向け,夏季の安定生産技術支援や経営向上支援を行っています。

〈連絡先〉

大河原農業改良普及センター  先進技術第二班 

TEL0224-53-3431 FAX0224-53-3138


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