宮城の農業普及現地活動情報

県内9つの農業改良普及センターから,地域の特色ある取組や,宮城を元気にする農業普及情報をお届けします!

白石刈田地区酪農組合連合会視察研修会

2013年07月23日 16時25分56秒 | 先進的技術に取り組む経営体の育成・支援

農業分野において,生産だけでなく加工・流通・販売まで取り入れることで経営の体質強化を目指すべく6次産業化に取組む動きが国内で浸透しています。昨今の酪農情勢は飼料高騰,生乳の消費低迷,高齢化による離農の他に震災による生産基盤の弱体化やTPP交渉等の大きな問題を抱えており,依然として厳しい状況にあります。

この逆境に立ち向かうべく,白石刈田地区酪農組合連合会では,酪農王国栃木県で生乳生産に加え,フレッシュチーズと熟成チーズの加工や販売までも手掛け,経営の多角化と体質強化を図っている(有)今牧場に視察研修に行きました。当牧場は関東の中では大規模な牧場で乳牛の他にも山羊の飼育をしたり,研修生や一般の方々の酪農体験も受け入れている教育ファームとしての活動も盛んです。 

現在では乳牛,和牛,ヤギなど合わせて約320頭を広々とした清潔な環境で飼育しており,昨年度完成したチーズ工房と販売店を敷地内に構え,多くの観光客で賑わう名所としても有名です。農場で生産された元気一杯のミルクは,直接パイプラインで送ることで衛生的かつ新鮮な状態のまま製造されることを特徴としており,搾りたてのフレッシュなミルクで作った7種類のチーズがその場で楽しめます。主に後継者の高橋夫婦がチーズ製造に携わっており,それぞれが本場ドイツやイタリアでチーズ作りを学び,チーズ職人の全国大会でも上位入賞した輝かしい経歴もある程の腕前です。  

また,当牧場では優れた農業者に贈られる天皇杯などを幾度となく受賞し,99年には皇太子夫妻,昨年度には天皇陛下夫婦も訪れたそうで,この農場のレベルの高さが伺えます。

高橋さんは,現地を案内しながら「地元に密接に関わり,観光とチーズを組み合わせたイベントを開催し,地域の活性化に繋げたい。」と熱く抱負を語ってくれました。

参加者は皆,真剣に説明に耳を傾けながら施設を見学し,チーズの試食を通しての意見交換も活発に行われる等一定の成果が得られたようです。

普及センターでは,今後も白石刈田地区酪農組合連合会会員相互の技術と経営能力向上の一助となるべく活動を支援していきます。

〈連絡先〉大河原農業改良普及センター  先進技術第一班 

       TEL:0224-53-3496 FAX:0224-53-3138


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