涌谷町は大豆栽培が盛んな地域で,町内産の大豆は卸からも高い評価を受けています。
令和4年産は個人10名を含む22経営体,播種面積は約420haとなりましたが,7月15日の記録的豪雨により,麦あとの大豆を中心に大きな被害を受け,最終的には約340haに減少しました。
そのような中,涌谷町米づくり委員会では,「災害をばねに,また大豆栽培に取り組んでほしい」という思いを込め,大豆栽培総合実績検討会を開催しました。
最初にJA新みやぎみどりの統括営農センターから大豆の情勢,次に涌谷営農センターから収量と品質について説明があり,全体の単収は約130kg/10aであったが,水害被害が軽微だったところでは200kg/10aを超えたほ場もあったこと,上位等級比率は90%以上と,品質は良好であった,という話がありました。
普及センターからは,大雨の被害を受けた大豆の様子や害虫の被害を受けた株,発生の多かった被害粒等を写真を中心に紹介し,5年産栽培に向けた改善点を説明しました。湿害回避のための畦立播種栽培や,主茎の伸長を抑え倒伏防止につながる摘芯栽培の他,有機物施用の重要性にも触れ,「土壌物理性の改善は,窒素の供給に重要な役割を持つ根粒菌にも良い影響を与える。肥料が高騰している今,堆肥を積極的に活用してほしい」と呼びかけました。
その他,肥料メーカーからは「減プラスチックコーティング肥料」や大豆に適した肥料について紹介がありました。
普及センターでは,市町村及びJAと一体となり,現地検討会やほ場巡回により,大豆の収量や品質向上に向けた活動を継続していきます。
<連絡先>
美里農業改良普及センター 先進技術班 TEL 0229-32-3115,FAX 0229-32-2225