モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

呪縛のとけた西班牙

2008-06-27 | サッカー
 アッという間の試合展開でした。走れなければヒディンクマジックもただの尾座敷芸でしかないわけで。突然の豪雨がロシアから、体力と共に戦意も奪ってしまったのでしょうか。スペインは、人も走れば球も走らせる。前半は、これもヒディンクマジックのシナリオか、後半初めは怒濤の攻撃で来るぞと予想しました。

 確かにその気配はありました。けれども、前述のように体力も戦意も、オランダ戦のロシアではありませんでした。攻撃に移っても二人目三人目の素早い動きが見られません。サイドの上がりもワンテンポ遅い。リスクチャレンジがなければ、チャンスも生まれようもありません。オランダ戦で全てを使い果たしてしまったかのようなロシアでした。

 スペインが先制するのは、時間の問題かなと思い始めた頃に得点。シャビへのボールは、クロスではなくてシュートなのでしょうけれど、前が中央に作ったスペースに飛び込んで合わせたシャビの動きは秀逸。スペインの中盤の動きとコンビネーションはすごかったですね。速回しで見ているようなボールさばきと球回し。トップスピードでのボールコントロールの素晴らしさ。同じ雨でもこの間の日本-バーレーン戦とは大違いでした。

 その後、スペインは選手交代。解説の金田氏は、分からないと言ってましたが、スペインは勝ちに来たと思いました。完膚無きまでに叩き潰すということですね。ちょっと動きの重くなってきたフェルナンド・トーレスを外し、中盤を更に厚くする。これが功を奏しました。選手の戦術に対する共通理解が完璧と思わせる追加点でした。

 老練なドイツは、ロシアのようにはさせてくれないでしょう。ショートパスはするようになったドイツですが、調子がもうひとつでも強引にパワープレーでゴールをこじ開けてくるリアリズムのサッカーに、スペインが潰され、跳ね返され続けても、どこまで切れずに辛抱強く自分たちのサッカーを展開できるか。見ものです。

 後ろ7人で固めて、得点は前3人だけでできる、最強だった頃のブラジルは別格として、スペインが日本がロシアの遠く先に目指すサッカーが、成就できるか楽しみです。といってもこれがW杯となると全く別で、アフリカのとんでもない個人技と身体能力のサッカーにコロッと負けてしまったり、南米の更にものすごい個人技にかき回されてしまったりと、そう上手くはいかないんですね。だからサッカーは面白い。そういった時に、では日本はどういうサッカーで強豪を打ち破るんだ。それを明確に形で見せて欲しいですね。日本代表には。

 いやあ、それにしても面白かった。
コメント (3)
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