モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

銀蘭の群生地発見!(妻女山里山通信)

2010-05-13 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 群生地といってもわずか12本ですが…。昨年たった一本だけ林道脇に出ていたギンランを探して歩いたのですが、どこにも見あたりません。道端という環境の変化が激しい場所なので、厳しいかなとは思っていたのですが、ないとなるとやはり気落ちしました。

 近年、雑木林や里山の減少や荒廃に加えて、野生ランブームでの乱獲にによって減少しているとされるキンランとギンランです。園芸店には売られていることもありますが、育ちません。運が良ければ二年ぐらいはもつかもしれませんんが、そこまでです。これを売っている園芸店は、相当悪質な店と考えていいでしょう。野草には毒草が多く、ヤマトリカブトはもちろん、レンゲツツジ、スズラン、フクジュソウ、貝母、仙人草、マムシグサなども植えるべきではありません。毎年の様に事故が起きています。当人は危険性を知っていても、亡くなった後に事故が起きる可能性もあります。やはり野に置け蓮華草。

 それは、ラン科植物はラン菌根と呼ばれる独特の菌根を形成して、菌根から栄養分を摂取するからですが、樹木の根に外菌根を形成し共生している菌、外菌根菌が必須だからなのです。よって鉢植えでは絶対に育ちません。共生相手である特定種の樹木が必要なのです。ですから、育ててみようと採取してくることは、まず100パーセント無駄なわけです。

 ただ、ギンラン、菌根菌、菌根性樹木が揃えば育つわけで、そんなことから都市の公園の中にも群生があったりするのです。そのシステムは非常に複雑でデリケートのようで、人工栽培の方法は確立していません。キンランは30~70センチほどにもなりますが、ギンランは、10センチから大きくてもせいぜい30センチぐらいまで。今回のものは20センチ足らずでした。その上、蕾のように見える白花は実はこれでせいいっぱい咲いているのです。

 地味な花ですから、野生の蘭に興味のないに人はまず見えないだろうと思います。そんなところが野生蘭愛好家にはたまらないのでしょう。今回のギンランも乱獲が心配なところですが、まず人が立ち入らない場所なので、ひっそりと咲き続けることでしょう。

 「銀蘭の 母は地中に 父は巨樹」 林風
 
★妻女山の真実について、詳しくは、本当の妻女山について研究した私の特集ページ「妻女山の位置と名称について」をご覧ください。

★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、地衣類、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、森の動物、特殊な技法で作るパノラマ写真など。
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