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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

千曲市森の杏が最盛期、朝採り杏で焼酎漬。松枯れ病が深刻。ネオニコは農薬でなく農毒!(妻女山里山通信)

2014-07-09 | アウトドア・ネイチャーフォト

 6月末から7月中旬まで、千曲市のあんずの里では杏の収穫の最盛期を迎えます。望めば杏狩りもできます。杏の実は傷みやすいので、生食ができるのはこの期間だけです。うちの近所もそうですが、集落の道路には熟した杏がたくさん落ちていて、踏み潰さないと通れないほどです。この時期は、潰れた杏の甘酸っぱい香りが集落中に漂います。昔は我が家の庭にも杏の木があり、杏干し、シロップ漬け、焼酎漬け、紫蘇巻き杏などを作りました。在京時代は、森の親戚から送ってもらった杏で、ジャムを作ったりタルトを作ってもらったりして堪能しました。現在は、もっぱら焼酎漬けを作りますが、完熟あんずを使い砂糖は入れません。甘みが欲しければ食べる時に蜂蜜を。

 写真は、4月14日の杏の花が満開のあんずの里と、7月6日の杏の実の収穫が最盛期を迎えたあんずの里です。随分と印象が変わるものです。訪れる人は、花の季節の方が圧倒的に多いのですが、私は花より団子派なので、収穫期も好きです。杏の甘酸っぱい香りは、梅雨の季節の鬱陶しい気分を爽快にさせてくれます。

 坂上田村麿が東征の際の草創で、川中島合戦の時には、山陰に隠れるようにあったため武田の戦火を免れたという古刹、信濃三十三番札所第六番「洗渕山観龍寺」。本尊は、藤原初期のものと言われる榧(かや)の一木造り十一面千手観音菩薩座像。紫陽花の花が鮮やかでした。しかし、昆虫が全くいないのです。山門の斜面にはハルジオンがたくさん咲いていましたが、吸蜜する蝶は皆無。ジョウカイボンを一匹見ただけ。この時期大量に発生するウリハムシやハナムグリさえいません。もちろんハナアブやミツバチも皆無。あり得ない異常事態。

 あんずの里の北西の外れにある有明山の麓の岡地地区です。松枯れ病の現状を見に来ました。赤茶色に見えるのが枯れた赤松です。ほとんどやられていると言っても過言ではありません。写真左の中腹には右の有明山トンネルと左の森トンネルに挟まれた高速道路が見えます。赤茶色に枯れているのは、この高速道路の周囲が顕著です。誰の目にも分かります。この地区には親戚がいるのですが、やはり高速ができてから松枯れ病が一気に広がったと言っています。マツノマダラカミキリのセンチュウが原因ではない可能性が極めて高いのです。高速の露出していないひとつ南の谷は松枯れ病はあまり見られません。

 左の写真は、千曲市の土口地区から見た斎場山。マツノマダラカミキリが繁殖しやすいという山の南面に松枯れ病はほとんど見られません。ところが、その反対側の北面は酷い状況です(写真右)。こちらは、すぐ下に一日三万五千台通過する高速道路と、一日一万台以上車が通る国道304があります。中央に点々と見える白い物は、松枯れの赤松を伐採し、玉切してビニールを掛け、農薬(ヤシマNCS)で殺虫しているものです。20箇所以上ありますが、下の杉の林の切れ目の上に集中しているのが分かります。ここから排気ガスがもろに当たるのでしょう。赤松の葉の気孔は非常に小さく、排気ガスで容易に詰まってしまうという説もあります。この山では、いくら探してもマツノマダラカミキリは発見できません。この山は、昔桑畑だったので赤松にとっては過栄養で、太くても材はスカスカで建築用材にもなりません。風雪にも弱く簡単に折れます。虚弱で病気にもなり易いのです。ある意味、淘汰されても当然なのです。落葉松を含めると立ち枯れも20本以上あります。道路上に倒れたこともあり、非常に危険な状態です。
松枯れ病の原因は、本当にマツノマダラカミキリのセンチュウだけなのか!?

 森から帰る途中の雨宮田んぼでは、地産の小麦、ユメセイキの収穫の後で焼き畑をしていました。病害虫の駆除と灰を肥料にするためでしょう。その奥に見えるのが高速道路・上信越自動車道です。右の写真は、ひとつ上の左の写真のもう少し右の中腹から千曲川や眼下の高速道路を撮ったものです。この場所は、主に北風と東風が吹くので、眼下に高速道路があるにもかかわらず、排気ガスが当たらないためか松枯れ病がほとんど見られません。なのに高濃度のネオニコチノイド系農薬を空中散布を実施したのです。眼下には土口の集落や団地もあります。いずれ人的被害は避けられないでしょう。
 ハルジオンの草原でたくさん舞っていたのは、今年大発生しているマイマイガだけでした。空中散布以後に羽化したものです。マイマイガは数年に一度大発生し、ウィルスの蔓延で減少を繰り返します。夏の卵を焼却処分にするのが一番いいかもしれません。アメリカシロヒトリと同様に、地区で日を決めて人海戦術でやるのが効果的です。殺虫剤や農薬を使うと、必ず自分たちに還って来ます。

 その上の陣場平(左)と長坂峠(右)。食草のエノキがあり、いずれも昨年までは大量のオオムラサキが発生し飛び回っていた場所です。ところが今年は1頭も見られません。舞っているのは長野市側のみです。尾根筋でやっと1頭見つけたスジボソヤマキチョウ(中)。この時期のありふれた蝶で、例年ならば林道のあちこちで見られるはずの蝶です。天城山林道を西へ歩いてみました。以前は十数種類のゼフィルス(シジミチョウ)が見られたのですが、今回は1頭も発見できませんでした。そればかりか他の昆虫もいません。壊滅状態です。
 前の記事で書いたように、この異常事態は、千曲市が3年前から実施している松枯れ病のネオニコチノイド系農薬の空中散布のためだと思います。そして、こともあろうか通常は20~40倍で希釈というのを、今年は7.5倍というとんでもない高濃度の薬剤を散布したらしいのです。ベトナム戦争の枯葉剤と同様の強力な神経毒である農薬、いや農毒を、空から撒くという狂気。
 前の記事で書いたように、金沢大学教授山田敏郎さんは、「ネオニコは、毒性が強く分解しにくく、『農薬』というより『農毒』に近い。このまま使い続け、ミツバチがいなくなれば農業だけでなく生態系に大きな影響を与える。ネオニコの危険性を多くの人に知ってもらいたい」と語っているのです。生態系には、もちろん人間も当然含まれます。

 群馬県前橋市で、松枯れ病対策としてネオニコチノイド系殺虫剤が使用されるようになった2003年以降、ネオニコチノイド系殺虫剤が原因と思われる頭痛、吐き気、めまい、物忘れなどの自覚症状や、頻脈・除脈等の心電図異常がみられる患者が急増しています。なんと日本のネオニコチノイド系農薬の残留基準は、欧米よりも緩い基準値(日本は、アメリカの10倍、欧州の100倍近い)。(青山内科小児科医院 青山美子医師)
 ネオニコチノイド剤の使用が増え始めた2006年頃から、農薬散布時に自覚症状を訴える患者が増加。中毒患者には、神経への毒性とみられる動悸、手の震え、物忘れ、うつ焦燥感等のほか、免疫系の異常によると考えられる喘息・じんましんなどのアレルギー性疾患、皮膚真菌症・風邪がこじれるなどの症状も多くみられます。日本では、果物の摂食、次いで茶飲料の摂取、農薬散布などの環境曝露と野菜からの摂取も多い。受診した患者では、果物やお茶の大量摂取群に頻脈が見られ、治療の一環で摂取を中止させると頻脈が消失します。(東京女子医科大学東医療センター麻酔科医師 平久美子氏)
 ネオニコチノイド系農薬の人体への影響として、空中散布や残留した食品の多量摂取による心機能不全や異常な興奮、衝動性、記憶障害など、急性ニコチン中毒に似た症状が報告されています。
また、ネオニコチノイド系は胎盤を通過して脳にも移行しやすいことから、胎児・小児などの脳の機能の発達を阻害する可能性が懸念されます。(東京都神経科学総合研究所 黒田洋一郎氏):ダイオキシン国際会議ニュースレターより抜粋


 妻女山の草原では、ラン科ネジバナ属の小型の多年草、ネジバナ(捩花)が咲いていました。杏を頂いたので、生食した以外をまず焼酎漬けにしました。普通よりかなり砂糖は控えめです。後で杏仁も加えます。ジャムも作りましたが、こちらも砂糖は極力控えめ。なんといっても砂糖は毒物ですから。空中散布が比較的かかっていないだろう場所のものですが、野菜のように毎日食べるものではないので、大丈夫だろうとは思いますが・・。ドクダミの焼酎漬けが体にいいというので作ってみました。十薬というぐらい高い効能があるそうで、飲んでも美味しいのですが、虫さされや水虫によく効くというのです。実際驚くほどの効果がありました。これは花だけを漬けたものですが、全草を使ってもいいようです。

 千曲市の杏で、非常に気になるデータがあります
★あんずジャム(2011年7月手作り、長野県千曲市更埴産のあんず)(3時間測定)
(+-9 calibration1%) 300cc 402g 25 bq/l → 49・7 bq/kg
★あんずジャム(2011年、手作り、長野県千曲市更埴産のあんず)(3時間測定)
(+-10 calibration1%) 400cc 506g 32 bq/l → 37・9 bq/kg

 この千曲市更埴産というのがよく分かりません。千曲市に更埴という地区はありません。千曲市の旧市名です。千曲市の杏の名産地は森地区ですが、生産地は有明山の向こう側の千曲川沿いにもあります。私は計測や情報から、森地区の放射能汚染はそう高くないと思っています。しかし千曲川沿いは、割りと高い所もあります。以前、ツイッターで駐車場の片隅の砂塵が10000ベクレル/㎏だったと教えてくれた方がいました。マイクロホットスポットがあるようです。この杏の詳細な収穫場所を知りたいものです。加えて千曲市の杏は、ネオニコチノイド農薬の空中散布を浴びている可能性が高い。残存性が高く洗っても落ちません。少なくとも、乳幼児や妊婦は控えたほうがいいかもしれません。
 49.7ベクレルは政府の言う基準値以下だから大丈夫かというととんでもない話で、チェルノブイリ人民法廷 ソランジュ・フェルネクスの報告では、内部被曝による疾病には二つ山がある二相応答曲線になるそうです。低線量のときが危ないのです。これは盲点であり、直線関係しかないとするICRPのモデルはウソだということです。原発村のマスゴミが決して伝えない真実。

福島原発事故後の外食料理汚染、社食汚染まとめ - NAVER まとめ :食べて応援していたら確実に病気になり死にます。
人間は環境化学物質の83%を空気(肺)から。取り込み食品からは7%飲料からは8%に過ぎない。私たちが一日に呼吸する空気は約20キロ。食べ物や水の摂取量のおよそ10倍」村上周三・東京大学

■必見資料2(前の記事に続く)

殺虫剤の危険性…ネオニコチノイド系殺虫剤が脳の発達を阻害!?発達障害の原因か…
自閉症・注意欠如多動性障害(ADHD)など発達障害の原因と有機リン系、ネオニコチノイド系など農薬の危険性
新農薬ネオニコチノイドが脅かす ミツバチ・生態系・人間
千曲市における今後の松くい虫防除対策について :何にも勉強していないどころか、キックバックでももらっているのかと疑われても仕方がないレベル。危険性のエビデンスは既に出ている。
長野県の松枯れ空散で7.5倍希釈(高濃度)のエコワン3(チアクロプリド)散布 :松茸業者と農薬メーカーのために市民を犠牲にする自治体。

オオムラサキの保護活動、妻女山里山デザイン・プロジェクトの記録。目次の一番下の妻女山SDPをクリック!
 
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