毎年オオムラサキが集まるコナラの樹液バーへ撮影に行きました。しかし、オオムラサキはいず、蛾のキシタバとハエがいたのみでした。今年は、まだここでオオムラサキを見ていないのです。気落ちして更に奥のギャップへ行くことにしました。今年は本当に昆虫が少ないのです。しかし、林道には大発生した煩いほどのマイマイガが飛び交っています。
ハルジオンでミナミヒメヒラタアブのオスが吸蜜中です。但し、周りじゅうを見てもたった一匹しかいませんでした。ハチやハナアブは本当に減少しました。ゼフィルスに至っては絶滅状態。冬の豪雪に加えて、千曲市のネオニコ空中散布が原因でしょう。極めて深刻な事態が起きています。
バッタ茸に冒されたミヤマフキバッタの死骸です。バッタを操り、草のてっぺんに誘い瞬殺するのです。体内で菌糸を発達させ胞子を飛ばします。バッタにとっては恐ろしいキノコです。幸い今のところ人間に取り付く人間茸なるものは発見されていません。ミヤマフキバッタも今年は少なめです。
例年なら、樹液バーにはオオムラサキを始め、カブトムシやオオスズメバチ、カナブンやアオカナブン、ミヤマカミキリ、ルリタテハなどで大混雑するのですが。林道にはマイマイガが舞っているだけです。しばらく待っていると。なんと希少なチャイロスズメバチが一匹現れました。まだストレスの貯まる子育て期ではないとはいえ、相当に攻撃性が強いので要注意です。
このチャイロスズメバチは、社会寄生種という極めて珍しい生態を持っています。造巣能力を持たず、女王蜂は他のスズメバチより遅く活動を始め、キイロスズメバチやモンスズメバチの働き蜂が羽化直後に巣を乗っ取り、女王蜂を殺し相手の働き蜂に自分の生んだ卵の世話をさせるのです。チャイロスズメバチが羽化し始めると巣の中は、二種類の蜂が共存するわけですが、やがて全てチャイロスズメバチに入れ替わって行きます。他のスズメバチ類に比べて強靭な外骨格をもつため、大顎や毒針の攻撃に強く、オオスズメバチの攻撃を受けて逆に撃退する事もあるそうです。そのオオスズメバチを全く見ません。オオムラサキの撮影の時はいない方が好都合なのですが、全く見かけないのは問題です。ヒメスズメバチ、キイロスズメバチ、コガタスズメバチも見ません。ヒヨドリバナが咲き出しました。
するとバサバサと大きな羽音が頭上から聞こえると、2頭のオオムラサキのメスが、樹冠から舞い降りて来ました。今年のメスの初見です。しかし、たった2頭とは寂しい。コナラの大木に留まると、アオカナブンが頭を突っ込んでいる樹液バーに近づき、口吻を差し込みました。
1頭のメスが吸汁中に、背後からオスが体をくの字に折って交尾器のゲリタニアでメスと無理やり交尾をしようとせまります。これが成功することはまずなく、大抵メスは気がついて逃げるか向かい合って対峙します。この後メスが気がついて逃げ、近くのコナラに留まりました。オスが追いかけて対峙したカットが右側です。ただ、この時はオスがメスを気に入らなかったのか、すぐに飛び去ってしまいました。
取り残されたメスです。私のどこが気に入らないのよ、という様な顔をしています。そう見えるだけですが・・。まだ羽化したてなので、翅も綺麗です。しかし、小さい。オスが気に入らなかったのも、この小ささかもしれません。一見綺麗ですが、発育不良かもしれません。このオスも小さめです。長野市側で見たオスは、もっと大きな個体でした。結局この日、ここで見たのはこの3頭だけでした。千曲市と接しない近隣の山では普通に発生しているという話も聞いているので、余計に気がかりです。
先客のアオカナブンが頭を突っ込んで吸汁中のところへ、オオムラサキとチャイロスズメバチがやって来ました。チャイロスズメバチはアオカナブンをどかそうと頭突きをしましたが、びくともしません。三匹は仲良く吸汁しているかに見えたのですが。何が気に入らなかったのか、突然チャイロスズメバチがオオムラサキを攻撃しました。この勝負はチャイロスズメバチの勝ちに見えましたが、しばらくしてまたオオムラサキが戻り、何事もなかったかのように吸汁を始めました。
それにしても、例年に比べると昆虫の数も種類も極端に少ないのです。千曲市によるネオニコチノイド農薬の空中散布のせいなのか。冬の豪雪の影響なのか。その両方なのか。真実を知っているのは彼ら昆虫たちだけです。
野生のホウズキ(鬼灯、酸漿)が実をつけていました。子供の頃に、赤く熟れた実を口に含んで鳴らして遊んだものです。ネムノキの花が満開です。
妻女山展望台の裏にある弘化4年(1847)に起きた善光寺地震の供養塔(右)。死者総数8,600人強、全壊家屋21,000千軒、焼失家屋は約3,400軒を数えました。嘉永二年(1849)建立。文は、松代長国寺住職、圭白師。なぜ善光寺から遠くここに供養塔があるかというと、松代藩はここが古代からの神聖な斎場であったことを知っていたからと町史には記されています。最近、福島沖で大きな地震がありました。東北太平洋沖大地震の余震だということですが、次に来るアウターライズ大地震の前震ということはないのでしょうか。気がかりです。
妻女山展望台からは、一日毎に夏色が増す善光寺平が見えます。今年は台風の発生数が多いそうですが、昨年のように洪水にならなければいいなと思います。長野パルセイロのホームとなるサッカー場も急ピッチで工事が進んでいます。総事業費は、70億円余り。収容人数が違うとはいえ、新国立競技場は、当初3000円億円で、批判が出て圧縮して1600億円余り。あの日本の文化を全く無視した酷いデザインといい、狂ってますね。
ワールドカップの喧騒も、ドイツの優勝で幕を閉じました。ドイツは、8年に及ぶという若手の育成に成功しましたね。勝利を決めたのが、交代で入った22歳と23歳の若者。前回はバルサ中心のスペイン。今回はバイエルン中心のドイツが優勝。アドバンテージは主要リーグのある欧州にある時代でしょうか。御 用メディアもですがバックに電 通がいる限り100年経っても日本の優勝は無理でしょう。その前に食べて応援と、今回の様に福島の食材を使っていたら永遠に無いでしょうね。内部被曝を軽く見ると、必ず痛い目に遭います。
◉オオムラサキの保護活動、妻女山里山デザイン・プロジェクトの記録。目次の一番下の妻女山SDPをクリック!
★ネイチャーフォトのスライドショーは、【Youtube-saijouzan】をご覧ください。粘菌やオオムラサキ、ニホンカモシカのスライドショー、トレッキングのスライドショーがご覧頂けます。
★妻女山山系の自然については、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、森の動物、特殊な技法で作るパノラマ写真など。蝶の写真はこちらにたくさんあります。
ハルジオンでミナミヒメヒラタアブのオスが吸蜜中です。但し、周りじゅうを見てもたった一匹しかいませんでした。ハチやハナアブは本当に減少しました。ゼフィルスに至っては絶滅状態。冬の豪雪に加えて、千曲市のネオニコ空中散布が原因でしょう。極めて深刻な事態が起きています。
バッタ茸に冒されたミヤマフキバッタの死骸です。バッタを操り、草のてっぺんに誘い瞬殺するのです。体内で菌糸を発達させ胞子を飛ばします。バッタにとっては恐ろしいキノコです。幸い今のところ人間に取り付く人間茸なるものは発見されていません。ミヤマフキバッタも今年は少なめです。
例年なら、樹液バーにはオオムラサキを始め、カブトムシやオオスズメバチ、カナブンやアオカナブン、ミヤマカミキリ、ルリタテハなどで大混雑するのですが。林道にはマイマイガが舞っているだけです。しばらく待っていると。なんと希少なチャイロスズメバチが一匹現れました。まだストレスの貯まる子育て期ではないとはいえ、相当に攻撃性が強いので要注意です。
このチャイロスズメバチは、社会寄生種という極めて珍しい生態を持っています。造巣能力を持たず、女王蜂は他のスズメバチより遅く活動を始め、キイロスズメバチやモンスズメバチの働き蜂が羽化直後に巣を乗っ取り、女王蜂を殺し相手の働き蜂に自分の生んだ卵の世話をさせるのです。チャイロスズメバチが羽化し始めると巣の中は、二種類の蜂が共存するわけですが、やがて全てチャイロスズメバチに入れ替わって行きます。他のスズメバチ類に比べて強靭な外骨格をもつため、大顎や毒針の攻撃に強く、オオスズメバチの攻撃を受けて逆に撃退する事もあるそうです。そのオオスズメバチを全く見ません。オオムラサキの撮影の時はいない方が好都合なのですが、全く見かけないのは問題です。ヒメスズメバチ、キイロスズメバチ、コガタスズメバチも見ません。ヒヨドリバナが咲き出しました。
するとバサバサと大きな羽音が頭上から聞こえると、2頭のオオムラサキのメスが、樹冠から舞い降りて来ました。今年のメスの初見です。しかし、たった2頭とは寂しい。コナラの大木に留まると、アオカナブンが頭を突っ込んでいる樹液バーに近づき、口吻を差し込みました。
1頭のメスが吸汁中に、背後からオスが体をくの字に折って交尾器のゲリタニアでメスと無理やり交尾をしようとせまります。これが成功することはまずなく、大抵メスは気がついて逃げるか向かい合って対峙します。この後メスが気がついて逃げ、近くのコナラに留まりました。オスが追いかけて対峙したカットが右側です。ただ、この時はオスがメスを気に入らなかったのか、すぐに飛び去ってしまいました。
取り残されたメスです。私のどこが気に入らないのよ、という様な顔をしています。そう見えるだけですが・・。まだ羽化したてなので、翅も綺麗です。しかし、小さい。オスが気に入らなかったのも、この小ささかもしれません。一見綺麗ですが、発育不良かもしれません。このオスも小さめです。長野市側で見たオスは、もっと大きな個体でした。結局この日、ここで見たのはこの3頭だけでした。千曲市と接しない近隣の山では普通に発生しているという話も聞いているので、余計に気がかりです。
先客のアオカナブンが頭を突っ込んで吸汁中のところへ、オオムラサキとチャイロスズメバチがやって来ました。チャイロスズメバチはアオカナブンをどかそうと頭突きをしましたが、びくともしません。三匹は仲良く吸汁しているかに見えたのですが。何が気に入らなかったのか、突然チャイロスズメバチがオオムラサキを攻撃しました。この勝負はチャイロスズメバチの勝ちに見えましたが、しばらくしてまたオオムラサキが戻り、何事もなかったかのように吸汁を始めました。
それにしても、例年に比べると昆虫の数も種類も極端に少ないのです。千曲市によるネオニコチノイド農薬の空中散布のせいなのか。冬の豪雪の影響なのか。その両方なのか。真実を知っているのは彼ら昆虫たちだけです。
野生のホウズキ(鬼灯、酸漿)が実をつけていました。子供の頃に、赤く熟れた実を口に含んで鳴らして遊んだものです。ネムノキの花が満開です。
妻女山展望台の裏にある弘化4年(1847)に起きた善光寺地震の供養塔(右)。死者総数8,600人強、全壊家屋21,000千軒、焼失家屋は約3,400軒を数えました。嘉永二年(1849)建立。文は、松代長国寺住職、圭白師。なぜ善光寺から遠くここに供養塔があるかというと、松代藩はここが古代からの神聖な斎場であったことを知っていたからと町史には記されています。最近、福島沖で大きな地震がありました。東北太平洋沖大地震の余震だということですが、次に来るアウターライズ大地震の前震ということはないのでしょうか。気がかりです。
妻女山展望台からは、一日毎に夏色が増す善光寺平が見えます。今年は台風の発生数が多いそうですが、昨年のように洪水にならなければいいなと思います。長野パルセイロのホームとなるサッカー場も急ピッチで工事が進んでいます。総事業費は、70億円余り。収容人数が違うとはいえ、新国立競技場は、当初3000円億円で、批判が出て圧縮して1600億円余り。あの日本の文化を全く無視した酷いデザインといい、狂ってますね。
ワールドカップの喧騒も、ドイツの優勝で幕を閉じました。ドイツは、8年に及ぶという若手の育成に成功しましたね。勝利を決めたのが、交代で入った22歳と23歳の若者。前回はバルサ中心のスペイン。今回はバイエルン中心のドイツが優勝。アドバンテージは主要リーグのある欧州にある時代でしょうか。御 用メディアもですがバックに電 通がいる限り100年経っても日本の優勝は無理でしょう。その前に食べて応援と、今回の様に福島の食材を使っていたら永遠に無いでしょうね。内部被曝を軽く見ると、必ず痛い目に遭います。
◉オオムラサキの保護活動、妻女山里山デザイン・プロジェクトの記録。目次の一番下の妻女山SDPをクリック!
★ネイチャーフォトのスライドショーは、【Youtube-saijouzan】をご覧ください。粘菌やオオムラサキ、ニホンカモシカのスライドショー、トレッキングのスライドショーがご覧頂けます。
★妻女山山系の自然については、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、森の動物、特殊な技法で作るパノラマ写真など。蝶の写真はこちらにたくさんあります。