椎茸のホダ木の点検に妻女山の我が家の山へ。案の定、椎茸栽培の天敵ともいうべきゴムタケが一本のホダ木に発生中。念入りに除去作業。必ずしもゴムタケが発生したら終わりということでもないらしいのですが、菌糸が寡占状態になるのはやはりまずいようです。除去し終わって何気なく足元の草むらに目をやると、なんと妻女山山系では、一年に一度見られるかどうかという希少なルリボシカミキリ(瑠璃星天牛、瑠璃星髪切)が。
最初に発見したのは、2011年でした。その後毎年邂逅していますが、たいてい一回きり。妻女山山系ではスミナガシと共に、それほど希少です。この美しい瑠璃色は死ぬと赤褐色に変化してしまうので、標本では見る事ができないのも特徴なんです。世界にもいますが、これは日本の固有種。アオカナブンと共に非常に美しい甲虫です。国蝶がオオムラサキなら、国の甲虫はルリボシカミキリといわれています。アップにすると結構ごつい顔なんですが(笑)、出会うと胸がときめかずにはいられないのです。
属名のRosaliaとは美しい乙女を象徴する女性名。イタリアはパレルモのカプチン会地下納骨堂に眠る「死後80年以上経過してもなお、“腐敗しない死少女(死蝋化)”」として有名なロザリア・ロンバルドを連想させます。しかし、気になるのは、いつもは千曲市側の尾根筋で見つけていたのですが、今回は長野市側の現妻女山近く。ネオニコの空中散布が行われた千曲市側では見ていません。スミナガシも昨年は出会えませんでした。ゼフィルスは壊滅状態。
その後、その市境の尾根筋へ行くと、なんと樹液バーにオオスズメバチが来ていました。オオムラサキの撮影時にいると非常に撮影が難しくなるのですが、全くいなくなると問題です。周囲のカナブンやアオカナブンを頭突きで追い払って悠々と吸汁し始めました。彼らが追い払えないのは。カブトムシとミヤマクワガタだけです。そこへオオムラサキのオスがやって来ましたが、やはり様子を伺っていてなかなか近づけません。結局、オオスズメバチが飛び去った後に吸汁することができました。
オスが飛び去った後にメスがやってきて吸汁。するとオスが舞い戻ってきて、背後からエビの尻尾のような交尾器・ゲリタニアを出して交尾を迫りました。これは一種の儀式のようなもので、ゲリタニアでメスを捕獲して、そのまま交尾に至った例は未だかつて見たことがありません。気づいたメスは、さっと振り返って対峙。2頭はくんずほぐれつで舞いながら、隣のコナラに留まりました。それがこの写真。触覚で相手を探りながら確かめ合っています。そして、この後2頭は、共に舞いながら樹冠へと消えていきました。
例年に比べると圧倒的に昆虫が少ないのですが、蛾だけがたくさん地面近くを舞っています。前の記事でマイマイガと書きましたが、今回初めて留まっているところを撮影出来ました。見てびっくり。マイマイガではありません。なんでしょう。蛾の同定は、本当にいつも困難を極めます。確かに長野市中心街や西山では、マイマイガが大量に発生しているようです。しかし、妻女山山系ではマイマイガの特徴的な卵も見ないので変だなとは思っていました。どうやら大量発生したのはマイマイガだけではなかったようです。
ヒヨドリバナで吸蜜しているのは、ジョウカイボンでしょうか。ホタルの仲間ですが、命名の由来は雑食性で昆虫や小動物も食べるため、強そうな平清盛の法名、淨海坊(じょうかいぼう)に由来すると言われたり、清盛が高熱の病気で亡くなったことと、昔の呼び名の火虫と関連づけた説がある他、西遊記の沙悟浄の法名も淨海坊だそうで、それに由来するという説もあるそうです。
吸汁にムモンホソアシナガバチがやってきました。小さいハチですが、除草作業で一番刺されることの多いハチです。私はひと夏に四回刺されたことがあります。ポイズンリムーバーで、すぐに毒を抜いたのでたいして腫れませんでしたが、痛いです。
湿った空気に包まれた千曲川畔。こんな空気が湿って重たい日は、オオムラサキも翅が湿って活性が落ちます。たまに日が差すと、翅を思い切り広げて乾かす光景があちこちで見られます。日が出ないと、たいてい葉の上や神社の屋根の窪みに留まって昼寝をしています。
樹液バーに戻ると、オオムラサキが吸汁していました。曇り空なので光量が足りません。驚かさないように気配を殺して近づき、コナラの幹にカメラを押さえつけてブレないように固定して撮影しました。
◉オオムラサキの保護活動、妻女山里山デザイン・プロジェクトの記録。目次の一番下の妻女山SDPをクリック!
★妻女山山系の自然については、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、森の動物、特殊な技法で作るパノラマ写真など。蝶の写真はこちらにたくさんあります。
★ネイチャーフォトのスライドショーは、【Youtube-saijouzan】をご覧ください。粘菌やオオムラサキ、ニホンカモシカのスライドショー、トレッキングのスライドショーがご覧頂けます。
最初に発見したのは、2011年でした。その後毎年邂逅していますが、たいてい一回きり。妻女山山系ではスミナガシと共に、それほど希少です。この美しい瑠璃色は死ぬと赤褐色に変化してしまうので、標本では見る事ができないのも特徴なんです。世界にもいますが、これは日本の固有種。アオカナブンと共に非常に美しい甲虫です。国蝶がオオムラサキなら、国の甲虫はルリボシカミキリといわれています。アップにすると結構ごつい顔なんですが(笑)、出会うと胸がときめかずにはいられないのです。
属名のRosaliaとは美しい乙女を象徴する女性名。イタリアはパレルモのカプチン会地下納骨堂に眠る「死後80年以上経過してもなお、“腐敗しない死少女(死蝋化)”」として有名なロザリア・ロンバルドを連想させます。しかし、気になるのは、いつもは千曲市側の尾根筋で見つけていたのですが、今回は長野市側の現妻女山近く。ネオニコの空中散布が行われた千曲市側では見ていません。スミナガシも昨年は出会えませんでした。ゼフィルスは壊滅状態。
その後、その市境の尾根筋へ行くと、なんと樹液バーにオオスズメバチが来ていました。オオムラサキの撮影時にいると非常に撮影が難しくなるのですが、全くいなくなると問題です。周囲のカナブンやアオカナブンを頭突きで追い払って悠々と吸汁し始めました。彼らが追い払えないのは。カブトムシとミヤマクワガタだけです。そこへオオムラサキのオスがやって来ましたが、やはり様子を伺っていてなかなか近づけません。結局、オオスズメバチが飛び去った後に吸汁することができました。
オスが飛び去った後にメスがやってきて吸汁。するとオスが舞い戻ってきて、背後からエビの尻尾のような交尾器・ゲリタニアを出して交尾を迫りました。これは一種の儀式のようなもので、ゲリタニアでメスを捕獲して、そのまま交尾に至った例は未だかつて見たことがありません。気づいたメスは、さっと振り返って対峙。2頭はくんずほぐれつで舞いながら、隣のコナラに留まりました。それがこの写真。触覚で相手を探りながら確かめ合っています。そして、この後2頭は、共に舞いながら樹冠へと消えていきました。
例年に比べると圧倒的に昆虫が少ないのですが、蛾だけがたくさん地面近くを舞っています。前の記事でマイマイガと書きましたが、今回初めて留まっているところを撮影出来ました。見てびっくり。マイマイガではありません。なんでしょう。蛾の同定は、本当にいつも困難を極めます。確かに長野市中心街や西山では、マイマイガが大量に発生しているようです。しかし、妻女山山系ではマイマイガの特徴的な卵も見ないので変だなとは思っていました。どうやら大量発生したのはマイマイガだけではなかったようです。
ヒヨドリバナで吸蜜しているのは、ジョウカイボンでしょうか。ホタルの仲間ですが、命名の由来は雑食性で昆虫や小動物も食べるため、強そうな平清盛の法名、淨海坊(じょうかいぼう)に由来すると言われたり、清盛が高熱の病気で亡くなったことと、昔の呼び名の火虫と関連づけた説がある他、西遊記の沙悟浄の法名も淨海坊だそうで、それに由来するという説もあるそうです。
吸汁にムモンホソアシナガバチがやってきました。小さいハチですが、除草作業で一番刺されることの多いハチです。私はひと夏に四回刺されたことがあります。ポイズンリムーバーで、すぐに毒を抜いたのでたいして腫れませんでしたが、痛いです。
湿った空気に包まれた千曲川畔。こんな空気が湿って重たい日は、オオムラサキも翅が湿って活性が落ちます。たまに日が差すと、翅を思い切り広げて乾かす光景があちこちで見られます。日が出ないと、たいてい葉の上や神社の屋根の窪みに留まって昼寝をしています。
樹液バーに戻ると、オオムラサキが吸汁していました。曇り空なので光量が足りません。驚かさないように気配を殺して近づき、コナラの幹にカメラを押さえつけてブレないように固定して撮影しました。
◉オオムラサキの保護活動、妻女山里山デザイン・プロジェクトの記録。目次の一番下の妻女山SDPをクリック!
★妻女山山系の自然については、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、森の動物、特殊な技法で作るパノラマ写真など。蝶の写真はこちらにたくさんあります。
★ネイチャーフォトのスライドショーは、【Youtube-saijouzan】をご覧ください。粘菌やオオムラサキ、ニホンカモシカのスライドショー、トレッキングのスライドショーがご覧頂けます。