モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

村上春樹さんノーベル賞騒動と、山栗ひろいと、柿酢作りの秋日(妻女山里山通信)

2014-10-13 | アウトドア・ネイチャーフォト
 先週末にかけては、ノーベル文学賞を村上春樹さんが取るかもということで、マスコミからの問い合わせや取材依頼が来て大変でした。村上春樹さんの国分寺のジャズ喫茶「ピーター・キャット」のことを綴った私のブログ『国分寺・国立70sグラフィティ』のアクセスが、例年よりもグンと増えたので、戦々恐々としていましたが、事前取材はテレビ一局のみだったので一安心。しかし、もし受賞していたら一ヶ月は取材申し込みが続きますよと、ある方に言われました。私自身、在京中はマスコミの仕事をしていたので分かりますが、その一ヶ月で終わるのであれば、早く受賞して欲しいと思うのですよ。
 取材は、一昨年とは別の局でしたが、同じ妻女山にしてもらいました。レポーターのお姉さんのパンツにヒッツキムシがたくさん付いて、思わず笑ってしまいました。椅子はこんなこともあろうかと、私がアウトドア用の折りたたみ椅子を二脚用意して、それを使ってもらいました。私自身業界人だったので、ついつい絵面を考えるのです。
 しかし、ダイナマイトのノーベル賞に、文学賞と平和賞は不要だと思うのです。毎年、極めて恣意的に政治的に利用されているのが明らかだからです。建築賞も芸術賞もないのだから、なくていいです。実際サルトルは受賞を辞退しました。物理学賞、化学賞、医学生理学賞の3部門だけでいいでしょう。イグノーベル賞の方がまだましです。春樹さんは、チェコの「フランツ・カフカ賞」、ドイツの「ウェルト(ヴェルト)文学賞」を受賞しているのですから、それで充分でしょう。ノーベル賞に最も近い経済学者と海外では評価の高い割に日本では、マスコミも経済学者も無視するために一般的にはほとんど知られていない東京大学名誉教授の宇沢弘文氏(故人)も、「日本は米国に搾取されている植民地である」と公然と主張していたために受賞できませんでした。結局、その程度の賞です。
村上春樹 未公開インタビュー「まじめで強い日本人には、原発をなくすことができる」。これは強烈です。必読。

 これ見てすぐに唐箕(とうみ)と分かる人がどれだけいるでしょう。唐と付くので中国由来の農具というのは想像がつくと思います。中国では風扇車と言うらしいです。日本には佐瀬与次右衛門の『会津農書』(1684年刊)で紹介されたのが最初だそうで、結構古くから使われていたんですね。これを十数年ぶりに引っ張り出しました。上から選別する豆を入れ。ファンを回してゴミを左へ飛ばし、豆は下の箕の中に落ちる仕掛けです。ブラジルのフェジョン・プレッタ(黒豆)を作ったので、その選別に使いました。この黒豆は、ブラジル料理では、有名なフェイジョアーダやブラジル人がほぼ毎日食べるフェジョンの煮込みに使います。ブラジル人のソウルフードと言っていいでしょう。私もブラジル放浪中は、ほとんど毎日食べていました。

 取材が終わった週末はキノコ狩り。台風18号の雨でキノコも出ただろうと思ったわけです。羽根つきの羽根の様なクサギの実。次はコムラサキの実。最後は帰化植物ですが、マルバフジバカマの純白の花です。他には薄紫のノコンギクやヤクシソウなども。そろそろ花の季節も終わりです。

 林下に咲く全草が猛毒のヤマトリカブト。ここは森の中の群生地で、辺り一面この花です。真ん中は積石塚古墳。渡来人のものと言われています。林道から外れた道もない森の中にあるので、知っている人は僅かです。訪れる人もいません。最後は直径1.5センチぐらいの信濃柿。豆柿ともいいます。この状態では渋柿なんですが、木になったまま干し柿になると、極甘になります。森の動物達の晩秋から初冬の重要な餌です。この豆柿を青いうちに採って水に浸けておくと柿渋ができます。

 キノコは全くありませんでした。毒キノコさえないのですから。雨が降っても以外に最高気温が高かったのが原因かもしれません。そこで最初の写真ですが、辺り一面山栗です。ほとんどは既に動物によって食べられています。ここの山栗は、特別に大きいのです。キノコは諦めて山栗を拾うことにしました。山栗は、ブランド栗より濃厚で美味です。これは栗ご飯にします。栗の渋皮に含まれるタンニンは、セシウムと結合しやすいので、放射能汚染には要注意です。

 私が某テレビ局からインタビューを受けた妻女山から西方の眺めです。中央に茶臼山が見えます。あの中腹に、レッサーパンダで有名な茶臼山動物園があります。この日は残念ながら北アルプスが望めませんでしたが、晴れていれば、白馬三山から仁科三山が見られます。右の畑は長芋畑なんですが、レポーターの女性は、水田と勘違いしていました。まもなく蔓焼きが始まります。昔は、燃やすとダイオキシンが出ると騒がれましたが、いまや比較にならないほど猛毒の放射性物質が日本中に飛散しました。

 上杉謙信が七棟の陣小屋を建てたと伝わる陣場平。草が枯れ始めました。猪が掘り返した跡があちこちにあります。今年の信州は、山栗やドングリが不作で熊に襲われる被害が頻発しています。真ん中は妻女山松代招魂社。戊辰戦争以降の戦没者を祀っています。現在はここを妻女山として地形図にも載っていますが、本来の地名は赤坂山です。昭和47年(1972)国土地理院地形図に、旧赤坂山を妻女山と誤って記載されてしまい、それが定着しました。ヤマザクラやソメイヨシノ、ヌルデの紅葉が始まりました。

 翌日、今度は畑にある鈴生りの柿で柿酢を仕込みました。念入りに剪定をし、根本に炭とキノコの培地をたっぷりと撒いたら豊作になりました。とても食べきれないので、柿酢を作ることにしました。柿もタンニンが豊富なので、汚染地のものは食べられません。特に干し柿は濃縮するので危険です。本当に厄介な時代になりました。無知であったり、安全性バイアスにかかっていると、犠牲になるのは我々です。人類は、原発=核とは共存できないのです。秋桜が揺れる信州の秋の嵐の前の静かな週末でした。さて台風19号は今夜信州を直撃です。大被害が出ないことを祈ります。

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★10月26日(日)に、中尾山--茶臼山ハイキングが行われます。
受付:午前8時から
集合場所:黒き学園グランド(旧共和小学校校庭)
出発式:午前8時半から9時
出発:午前9時
中尾山--茶臼山の一本松コースと山麓アップルコースがあります。
私は一本松コースのインストラクターをします。昨年は100名ほどの参加でした。
交流会:正午から。恐竜公園内「童謡の森」昼食、ミニ公演、歌の後、解散となります。
◉お問い合わせ:026-292-6009(中尾山ハイキング実行委員会)

◆この度、「信州 山の日」制定に伴い、「信州 山の達人」の募集がありましたが、私がそのひとりに選ばれました。妻女山SDP(里山デザイン・プロジェクト)の活動や、ブログ「モリモリキッズ」や当サイトでの情報発信活動が、「独自性」「継続性」「有効性」「発信力」の観点から優れていると認められ、選考されたということです。今後も、里山保全活動や、里山インタープリター、ネイチャーフォトなどに力を入れていくつもりです。
妻女山SDPの活動記録は、■MORI MORI KIDS Nature Photograph Galleryのインデックスの妻女山SDPか当ブログ「モリモリキッズ」をご覧ください。

必見!◆新農薬ネオニコチノイドが脅かすミツバチ・生態系・人間:JEPA(pdf)ネオニコチノイド系農薬は、松枯れ病だけでなく、水田の除草剤やカメムシの除虫、空き地の除草剤や家庭用殺虫剤に使われていますが、元はベトナム戦争の化学兵器の枯葉剤と同様で(代表的なのがラウンドアップ:グリホサート剤)、脳の発達障害、多動性障害(ADHD)を引き起こす強力な神経毒の『農薬』ではなく、『農毒』です。

★妻女山山系の自然については、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、森の動物、特殊な技法で作るパノラマ写真など。蝶の写真はこちらにたくさんあります。

★ネイチャーフォトのスライドショーは、【Youtube-saijouzan】をご覧ください。粘菌やオオムラサキ、ニホンカモシカのスライドショー、トレッキングのスライドショーがご覧頂けます。

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