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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

妻女山陣場平に舞うヤマトシジミ。曼珠沙華。万葉集に最も多く詠われた山萩の花。稲刈り最盛期(妻女山里山通信)

2024-10-01 | アウトドア・ネイチャーフォト
 妻女山陣場平へ。前回やり残したチカラシバの根っこを掘り出す作業に登りました。最高気温は10月とは思えないほどの29度。山上は26度でしたが、冷え込みで少なくなったクロメマトイがまた増えていました。

 妻女山松代招魂社の境内に咲くヒガンバナ(彼岸花・曼珠沙華)。12本ほど出ていました。前の記事で毒性や万葉集の彼岸花について記しましたが、曼珠沙華というと山口百恵の名曲名唱を思い出します。

■山口百恵 伝説の名唱 曼珠沙華



 陣場平に限らず妻女山山系のあちこちでたくさんのヤマトシジミ(大和蜆蝶)が舞っています。我が家の庭にもたくさん来てマリーゴールドで吸蜜しています。

 翅がずいぶんとくたびれたイチモンジチョウ(一文字蝶)。

 川中島の戦いで上杉謙信が本陣としたと伝わる陣場平。日本でここしかない貝母(編笠百合)の群生地です。チカラシバを根こそぎ掘り出す作業をしました。やや蒸し暑く、汗の出る作業を20分ほどこなしました。右はクマノミズキ。

 クマノミズキの実も熟しきって多くが小鳥に食べられています。実がつく小枝が朱色に染まる頃には実はほとんど食べられて無くなります。

 ミズヒキ(水引)の花。上半分が紅色で下半分が白。紅白の目出度い花なんですが、あまりに小さいのと咲いている期間があまりに短いので、よく探さないと見つけられません。そんな理由からか万葉集にも登場しません。

 林道にカラスの羽が落ちていました。若い頃はフライフィッシングをしていたので、山で鳥の羽を見つけると、毛鉤を巻くために拾ったものです。

 マルバフジバカマも完全に開きました。吸蜜するアサギマダラは旅立ちました。

 ヤマハギ(山萩)。花は上から旗弁、翼弁、竜骨弁で構成されています。夏の前後に咲きますが、猛暑だったので今年は秋の咲き始めが遅い様です。萩の花は万葉集で最も多く詠まれた花で142首あります。
「秋さらば 妹に見せむと 植えし芽子 露霜負ひて 散りにけるかも」作者未詳
(秋が来たら妻に見せようと思って植えた萩は、露霜が降りて散ってしまった)

 万葉集では、「芽子」、「芽」、「波疑」、「波義」で出てきます。萩は平安時代になってから。
「萩の花 尾花 葛花 撫子の花 女郎花 また藤袴 朝顔の花」山上憶良
(秋の七草花。尾花はススキ、朝顔はキキョウのこと)


 妻女山展望台裏の四阿から雲に隠れた白馬三山。今の時期が最も雪が少ない。右手前に茶臼山。右奥に虫倉山。

 展望台の裏に3つの石碑。左から「東宮殿下御遊覧所」、「大正天皇御手植の松」、「真田伯爵閣下御手植の松」。松は昔に枯れてしまいました。

 戊辰戦争以降の戦没者を祀った妻女山松代招魂社。拝殿は老朽化のため取り壊されました。当面再建の予定はありません。

 山を下りて温泉へ。佐久間象山が大砲を試射した石碑。屋代の一重山まで飛んで大騒ぎになりました。

 稲刈り後の藁を燃やす煙は、秋の風物詩です。

 猫一匹いない田舎の道。中高生の自転車通学の道。

 刈り取った稲をはぜ掛けするのは自家用です。やはり天日干しの方が追熟し甘みも増して美味しくなります。

 千曲川の堤防から。9月中旬にかなり雨が降ったのですが、その後降らなかったので山はカラカラに乾いています。

 赤坂橋。アーチの部分の下が千曲川。手前は長芋畑。洪水になると一面が水浸しになります。

 西方の眺め。耕作放棄地が目立ちます。昔は全部畑でした。ドロヤナギ、ハリエンジュ、ススキ、セイタカアワダチソウ、オオブタクサ、アレチウリ、クズなどが繁茂しています。ここは十二川原といって、昔は12もの流れと中洲があったところです。

 東方、松代方面の眺め。今日は根子岳と四阿山は見えません。明日は30度を超えるとか。やれやれです。

「村上春樹さんのピーター・キャットを中心とした70年代のクロニクル」というムサビの美大生時代に彼のジャズ喫茶でアルバイトしていた当時のブログは世界中からアクセスがあります。この文章をクリックで見られます。ロンドンに5週間住んでいて、Queenのフレデイ・マーキュリーの恋人のメアリー・オースチンが勤めていたBIBAの店で当時の私の恋人が彼女からジャケットを買った話。70年代の美大生の赤裸々な日々が見られます。

好評だったブログ記事:「ブラジルへの郷愁」レヴィ=ストロース 川田順造訳 みすず書房。文化人類学、また構造主義におけるバイブルのひとつ(妻女山里山通信)は、都合によりリンク先の楽天ブログに移転しました。引き続き『アマゾンひとり旅』を順次掲載していきます。■サンパウロからレシーフェへ長距離バスで50時間の旅「アキ・ノ・ブラジル」アップしました。

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