例年より10日から2週間ほど早い春。並木のアメリカハナミズキは満開です。茶臼山中腹のリンゴも咲いていました。妻女山ではシナノタンポポやクサノオウも。コゴミ、タラの芽、コシアブラなどの山菜は、もうお終いです。花も山菜もゴールデンウィーク前に終わってしまいそうです。
妻女山里山デザイン・プロジェクトの作業で作ったインセクトホテルを完成させました。初めてなので見様見真似です。どんな昆虫や微生物が入ってくれるのか予想がつくものやつかないものもあり、楽しみです。
色々な昆虫が集まれば、その昆虫を食べる昆虫や鳥も集まります。里山なら問題ないのですが、益虫も害虫も呼び寄せるので畑や住宅街に設置するときは注意が必要です。
これが完成形というわけではなく、観察しながら替えていこうと思います。これを作ったのは、千曲市による松枯れ病のネオニコ空中散布が中止されて数年経つのに、一旦増えた樹液バーに集まる昆虫の数が、ここ2年間激減しているからなのです。原因は分かりません。樹液を出す切れ込みを作るとか、シロップのポットを置くとか対策を色々考えています。
陣場平の貝母群生地へ向かう小道脇に設置しました。看板がないので、なんだろうと興味を持ってもらえると嬉しいですね。福一の原発核爆発の放射性プルームは、長野市にも流れました。主に犀川沿いを登ったので、飯縄山山頂や犀川沿いにはホットスポットが生まれ、野生のキノコや山菜が汚染されました。それは今も減っていません。半減期10万年ですから当然です。私は妻女山山系の各地をガイガーカウンターで測定しましたが、アラームが鳴ることはありませんでした。しかし、現在も軽井沢や佐久方面の山菜やキノコは基準値を超えるものがあります。詳しくは長野県のホームページで確認してください。
貝母(編笠百合)の群生地。新しいベンチも景色に馴染んでいます。小鳥の鳴き声も増えてきました。まもなく”月日星ホイホイホイ”というサンコウチョウの鳴き声も聞こえるでしょう。
積石塚古墳の横のベンチ。左の梅の木の枝やベンチの下側に、ムモンホソアシナガバチが巣を作ることがあります。近づくときはよく確認してください。ハイキングにはポイズンリムーバーの携行を。
赤松の切り株に、粘菌(変形菌)のマツノスミホコリが。割れて胞子を飛ばす準備ができています。左上には未熟も見られます。
翌日は雨が降る前にエノコログサ(狗尾草:猫じゃらし)の除去。シャベルで掘り出して裏返して根切します。40株ほど掘り起こしましたが、2時間半ほどかかり重労働でした。イネ科エノコログサ属の植物で、一年生草本ですが、株が大きくなると根をびっしりと張り巡らせます。貝母の群生地の方へ繁殖してきたので除去することにしました。小さい株はまた出てくるのでいずれ掘り起こします。この場所には、貝母の球根を移植します。
陣場平の貝母群生地の周りにはウワミズザクラが何本もあり満開になりました。南側には3本の大きなウワミズザクラがあります。微風に揺れる様は優雅です。
ウワミズザクラ(上溝桜)バラ科ウワミズザクラ属の落葉高木で、別名はハハカ(波波迦)、コンゴウザクラ(金剛桜)など。遠目で見るととても桜には見えませんがアップにすると、アッ、確かに桜だ。
花穂をさらにクローズアップするとこんなです。蕾(杏仁香)や実は食べられます。果実酒にも。欧州ではジンに入れたりするそう。古くは占いに使われたことから占溝桜。
ゴヨウアケビの葉に止まるミヤマセセリ(深山挵)。蛾に見えますがセセリチョウ科ミヤマセセリ属に分類されるチョウの一種です。
ヒメオドリコソウ(姫踊子草)で吸蜜するミヤマセセリ。テングチョウと共に陣場平や林道でたくさん見られます。
ウワミズザクラが咲いたのでもしやと思い帰路にイカリソウの群生地へ。やはり咲いていました。
イカリソウ(錨草)メギ科イカリソウ属 の落葉多年草。漢名はインヨウカク(淫羊霍)といいいますが、その昔、一日に何回も交尾するヤギが、この草を食べていたという故事によります。イカリインという強精強壮成分を含みます。
コシアブラと鶏むね肉の炊き込みご飯。出汁、醤油、酒、本味醂を全部同量の汁に浸けてから水を適量加えて炊き込みます。生の若葉を加えて蒸らすと香りが立ちます。おにぎりにしても超絶美味。
「ゴルゴンゾーラ、ゴーダ、チェダー3種類のチーズのサイコロを入れたコシアブラの味噌ハンバーグ豆乳味噌ソース」という長過ぎる名前の激旨山菜料理。味噌は手作り信州味噌。リンクはオリジナル基本レシピ。
■C.W.ニコルさんの追悼式が信濃町で行われました。『勇魚』出版時には、取材した折に本にサインを頂きました。私が妻女山陣場平の保全活動を始めたのも、黒姫のアファンの森の活動に賛同したからです。森が豊かになれば麓の街も豊かになるのです。逆もまた真なり。ニコルさんと親交があった坂本龍一さんも神宮外苑の再開発による樹木の伐採に反対していました。大きなブナには4000種類の生物が共生関係にあるといいます。人も森なしでは行きていけないのです。
●インスタグラムはこちらをクリック。ツイッターは左に表示されます。
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。地形図掲載は本書だけ。山の歴史や立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。10本のエッセイが好評。掲載の写真やこのブログの写真は、有料でお使いいただけます。
★本の概要は、こちらの記事を御覧ください。
★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
妻女山里山デザイン・プロジェクトの作業で作ったインセクトホテルを完成させました。初めてなので見様見真似です。どんな昆虫や微生物が入ってくれるのか予想がつくものやつかないものもあり、楽しみです。
色々な昆虫が集まれば、その昆虫を食べる昆虫や鳥も集まります。里山なら問題ないのですが、益虫も害虫も呼び寄せるので畑や住宅街に設置するときは注意が必要です。
これが完成形というわけではなく、観察しながら替えていこうと思います。これを作ったのは、千曲市による松枯れ病のネオニコ空中散布が中止されて数年経つのに、一旦増えた樹液バーに集まる昆虫の数が、ここ2年間激減しているからなのです。原因は分かりません。樹液を出す切れ込みを作るとか、シロップのポットを置くとか対策を色々考えています。
陣場平の貝母群生地へ向かう小道脇に設置しました。看板がないので、なんだろうと興味を持ってもらえると嬉しいですね。福一の原発核爆発の放射性プルームは、長野市にも流れました。主に犀川沿いを登ったので、飯縄山山頂や犀川沿いにはホットスポットが生まれ、野生のキノコや山菜が汚染されました。それは今も減っていません。半減期10万年ですから当然です。私は妻女山山系の各地をガイガーカウンターで測定しましたが、アラームが鳴ることはありませんでした。しかし、現在も軽井沢や佐久方面の山菜やキノコは基準値を超えるものがあります。詳しくは長野県のホームページで確認してください。
貝母(編笠百合)の群生地。新しいベンチも景色に馴染んでいます。小鳥の鳴き声も増えてきました。まもなく”月日星ホイホイホイ”というサンコウチョウの鳴き声も聞こえるでしょう。
積石塚古墳の横のベンチ。左の梅の木の枝やベンチの下側に、ムモンホソアシナガバチが巣を作ることがあります。近づくときはよく確認してください。ハイキングにはポイズンリムーバーの携行を。
赤松の切り株に、粘菌(変形菌)のマツノスミホコリが。割れて胞子を飛ばす準備ができています。左上には未熟も見られます。
翌日は雨が降る前にエノコログサ(狗尾草:猫じゃらし)の除去。シャベルで掘り出して裏返して根切します。40株ほど掘り起こしましたが、2時間半ほどかかり重労働でした。イネ科エノコログサ属の植物で、一年生草本ですが、株が大きくなると根をびっしりと張り巡らせます。貝母の群生地の方へ繁殖してきたので除去することにしました。小さい株はまた出てくるのでいずれ掘り起こします。この場所には、貝母の球根を移植します。
陣場平の貝母群生地の周りにはウワミズザクラが何本もあり満開になりました。南側には3本の大きなウワミズザクラがあります。微風に揺れる様は優雅です。
ウワミズザクラ(上溝桜)バラ科ウワミズザクラ属の落葉高木で、別名はハハカ(波波迦)、コンゴウザクラ(金剛桜)など。遠目で見るととても桜には見えませんがアップにすると、アッ、確かに桜だ。
花穂をさらにクローズアップするとこんなです。蕾(杏仁香)や実は食べられます。果実酒にも。欧州ではジンに入れたりするそう。古くは占いに使われたことから占溝桜。
ゴヨウアケビの葉に止まるミヤマセセリ(深山挵)。蛾に見えますがセセリチョウ科ミヤマセセリ属に分類されるチョウの一種です。
ヒメオドリコソウ(姫踊子草)で吸蜜するミヤマセセリ。テングチョウと共に陣場平や林道でたくさん見られます。
ウワミズザクラが咲いたのでもしやと思い帰路にイカリソウの群生地へ。やはり咲いていました。
イカリソウ(錨草)メギ科イカリソウ属 の落葉多年草。漢名はインヨウカク(淫羊霍)といいいますが、その昔、一日に何回も交尾するヤギが、この草を食べていたという故事によります。イカリインという強精強壮成分を含みます。
コシアブラと鶏むね肉の炊き込みご飯。出汁、醤油、酒、本味醂を全部同量の汁に浸けてから水を適量加えて炊き込みます。生の若葉を加えて蒸らすと香りが立ちます。おにぎりにしても超絶美味。
「ゴルゴンゾーラ、ゴーダ、チェダー3種類のチーズのサイコロを入れたコシアブラの味噌ハンバーグ豆乳味噌ソース」という長過ぎる名前の激旨山菜料理。味噌は手作り信州味噌。リンクはオリジナル基本レシピ。
■C.W.ニコルさんの追悼式が信濃町で行われました。『勇魚』出版時には、取材した折に本にサインを頂きました。私が妻女山陣場平の保全活動を始めたのも、黒姫のアファンの森の活動に賛同したからです。森が豊かになれば麓の街も豊かになるのです。逆もまた真なり。ニコルさんと親交があった坂本龍一さんも神宮外苑の再開発による樹木の伐採に反対していました。大きなブナには4000種類の生物が共生関係にあるといいます。人も森なしでは行きていけないのです。
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★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
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