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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

妻女山のヤマエンゴサクが開花。ヒオドシチョウ舞う陣場平の貝母は今週末開花か。八重紅梅が満開(妻女山里山通信)

2022-04-06 | アウトドア・ネイチャーフォト
 春の遅い信州にもようやく本格的な春が訪れてきました。最高気温も21度。週末には夏日になる予報も。つぼみの貝母も週末には開花するでしょう。里では梅が満開。あんずも三分咲き。今週末から見頃でしょう。週末には桜(ソメイヨシノ)も開く予報。信州の春は猛スピードで駆け抜けて初夏になるので、開花情報のチェックは欠かせません。

 妻女山の陣馬平には貝母以外にヤマエンゴサクの群生地もあります。今回調べてみてかなり広いことが分かりました。ヤマエンゴサク(山延胡索)は、ケシ科キケマン属の多年草で、別名は、ヤブエンゴサク、ササバエンゴサク。

 小さな花なので群生していても遠くからは見えません。明るい林床に群生地があります。場所は説明しにくいので書きませんが、現地で出会った方にはお話しています。

 地中にある小さな茎は「延胡索(えんごさく)」という漢方薬になり、痛みやけいれんを和らげる効能があります。

 日当たりの良い林道や陣場平のあちこちで越冬明けのヒオドシチョウが舞っています。なぜか翅を開いてくれませんでした。開くと鮮やかな緋縅(ひおどし)のオレンジ色が見られます。

 バサッバサッと大きな羽ばたく音が。見上げるとノスリが落葉松の枝に止まりました。残念ながら付けていたのは望遠ではなくマクロレンズ。これが精一杯。しばらくして飛び立って行きました。

 上の入り口から入って右を見ると林内の貝母が広がっています。昨年は春が早く開花も早かったのですが、例年にないほどたくさんのセイヨウミツバチが受粉に訪れてくれて種がたくさんこぼれました。そのため、大きな株の間にたくさん実生が出ています。数年後に成長して一斉に開花したら、もの凄い景色になるでしょう。楽しみです。

 南東の方向から上の入り口方面の眺め。やはり株間に小さな実生がたくさん見えます。

 南西の小高い丘からのカット。株間にシロヤブケマンの若葉がたくさん芽生えています。ウスバシロチョウの食草です。氷河期の生き残りといわれる透き通った白い翅のウスバシロチョウは、5月中旬ごろから舞い始めます。

(左)ミヤマウグイスカグラ(深山鶯神楽)の花。スイカズラ科スイカズラ属。実や茎に毛が生えています。夏になる赤い実は甘く、子供の頃のおやつでした。(右)クロモジ(黒文字)。クスノキ科クロモジ属の落葉低木。香りが良いので、箸や高級爪楊枝に使われます。リラックス効果のある香油も精製され商品化されています。お風呂に入れてもいいそうです。

(左)ニワトコ(庭床・接骨木)レンプクソウ科ニワトコ属の落葉低木。若芽は山菜。接骨木という不思議な名前は、枝や幹を煎じて水あめ状になったものを、骨折の治療の際の湿布剤に用いたためといわれます。ニワトコの杖は「宿命の杖」といい、魔法の杖といわれ、『ハリー・ポッターと死の秘宝』に登場します。ニワトコの杖を持つと、魔法が使えるようになるかも。(右)ヨモギ(蓬)キク科の多年草。別名は餅草、モグサ、艾。草餅や草だんごはお馴染みですが、制癌作用があることが分かり注目されています。私は天ぷらが大好きです。

 妻女山の上杉謙信槍尻ノ泉の上にある八重の梅が満開です。もちろん個人のものです。

「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」ということわざは、剪定法のことですが、対人でも対物でも、その個性に適した対処をするのが良いということです。果樹は適正な剪定をしないと、いい実は成りませんから。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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