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キバネツノトンボの産卵。16都道府県でレッドリスト(絶滅危惧種)に指定されている希少な昆虫。動画もアップ(妻女山里山通信)

2023-05-23 | アウトドア・ネイチャーフォト
 16都道府県でレッドリスト(絶滅危惧種)に指定されている希少なキバネツノトンボ(黄翅角蜻蛉)の産卵に遭遇しました。交尾期は早々と終えてオスは姿を消しました。やはり昨年より10日ほど早かった様です。産卵は11分に及びました。貴重な産卵シーンの数々を撮影することができました。

 一匹のキバネツノトンボが飛び回っていました。あちこちのメリケンカルカヤ(米利堅刈萱)に止まってはすぐに飛び立つことを繰り返しています。止まった個体を見るとメスです。しかも腹部が大きく膨らんでいます。ひょっとして産卵する草を探しているのかなと思いました。

 トンボといいますが、実はアミメカゲロウ目ウスバカゲロウ科ツノトンボ亜科の昆虫。大きな目のその愛くるしい姿は、一度見たら忘れられません。絶滅危惧種ですが、長野県ではあちこちに生息地がある様です。それだけ信州は自然環境がいいということなのでしょう。

 10分ほどあちこちを飛び回って産卵場所を探していましたが、1本のメリケンカルカヤに決めた様です。

 1分ほどジッとしていました。目の反射の文様と、翅の翅脈が面白い。黄と黒のツートーンもお洒落。実に魅力的な容姿をしています。

 突然産卵を始めました。

 茎に産み付けられた卵が粘性のある糸を引いています。これが接着剤なのでしょう。産卵孔もよく見えています。

 茎の右左に交互に産卵していきます。

 卵を二列に産んでいきます。卵が茎から少し離れてしまうと。

 尾部を器用に動かして直しました。お見事。卵を茎に産みつける時に、尾部を細かく動かして卵を固定させていますが、その様子は下の動画で見られます。

 茎の穂先の方まで産み付けています。茎のどこから産みつけていくかも計算しているのでしょう。

 こんな風に二列に産みつけました。離れた部分もバラけずに繋がっています。茎は花穂もあってデコボコしているのですが、巧みに産みつけています。

 産卵が終わった様です。11分かかりました。卵は31個✕2列で62個でした。お腹もしぼんでいます。お疲れさん。卵が無事に孵化できるか観察をしたいと思います。

 茎の上側に登りました。

 約3分の休憩の後に翅を広げて飛び去りました。卵が孵化するのに30日ほどかかるそうです。蟻地獄に似ている幼虫は、孵化すると地面に落下し肉食なので餌を求めて徘徊する様です。幼虫の期間は不明とか。謎の多い昆虫です。
 今回はオスを撮影できませんでしたが。昨年撮影したオスの記事です。
キバネツノトンボ。体の構造と生態を観察する夏日の草原。複眼にダビデの星? 16都道府県でレッドリストに指定されている昆虫(妻女山里山通信):尾部に丸いハサミを持つオス。複眼のダビデの星は不思議。

キバネツノトンボの産卵



 ほかの茎に産みつけられた卵塊。傷ついたものもあります。全部が無事に孵化することはないでしょう。アリやカメムシなどに見つかると全滅することも考えられます。


 ハナニガナ、ハルジオンなども咲く妻女山松代招魂社。クマバチのホバリングの羽音が響きます。

 善光寺平は黄砂で霞んでいます。

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